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挨拶がつくる職場の安心感 ― 新人育成と職場文化を考える

ある職場で耳にした声があります。「アルバイトの子が挨拶をしない。来春から社会人になるのに大丈夫だろうか」。
このような年長者の心配は決して珍しいものではありません。
近年「挨拶ができない新人が増えた」という話は、さまざまな現場で聞かれます。多くの人は「新人は元気に挨拶するもの」という“概念”のような期待を持っていますが、実際の現場ではその期待が裏切られる場面もあるようです。皆様の職場ではいかがでしょうか。
今回は「挨拶」と「組織文化」についてご一緒に考えていきたいと思います。


■ なぜあいさつをしなければならないのか
■ あいさつの価値観と職場文化

■ あいさつが生む「居場所感」
■ 心理的安全性と挨拶の関係
■ まとめ ― あたりまえを問う

ある企業の新入社員が次のように語っていました。
「自分の部署の人には帰り際に挨拶していましたが、隣の部署では仕事中の人もいるし、違う部署なので挨拶は控えていました。すると先輩から『あっちにも声かけた?』と言われ、初めて挨拶していいのだと気づきました。もしかして“挨拶のできないやつ”と思われていたら嫌だな…と複雑な気持ちになりました。」

このように、挨拶ひとつにも新人の葛藤が存在します。社会人になった途端に「正解」が分からなくなるのです。

背景には教育や社会環境の変化があります。防犯上の配慮から、一部の学校では「知らない人には挨拶しない」「声をかけられても返事をしない」と指導するケースがありました。さらにコロナ禍では「3密回避」「ソーシャルディスタンス」が強調され、声をかけること自体がためらわれる場面が増えました。マスクを含めた物理的距離が心理的距離にも影響し、挨拶を控える傾向が強まったのです。そんな子供時代を過ごした新人たちが今、職場に入ってきていることを理解する必要があります。

マーケティング会社の調査「挨拶に関する調査(2024)」によれば、20代から60代の人を対象に普段挨拶をしているかを尋ねたところ、60代・50代は80%を超えており、40代・30代は60%台、20代は50%後半という結果でした。世代が下がるほど挨拶率が低いことが数字として示されています。つまり「挨拶をしない新人が増えた」という感覚は、単なる印象ではなく社会的な背景を反映しているのです。

■ なぜあいさつをしなければならないのか
では、なぜ挨拶をしなければならないのでしょうか。

挨拶の語源は禅宗に由来し、心を開き相手に近づく意味を持つといわれます。単なる礼儀ではなく、お互いを「承認」する行為だと考えられます。挨拶は相手の存在を認め、尊ぶこと。相手を承認することで自分も承認され、その循環の中で自分自身を尊ぶことができるのです。

挨拶の反対表現は「無視」です。辞書的な対義語はありませんが、無視とは「認めない」ということです。人は誰しも承認欲求を持っています。挨拶はその欲求を健全に満たし、職場に安心感と信頼を生み出す最もシンプルな方法なのです。

■ あいさつの価値観と職場文化
新人育成の現場では「自分から挨拶してください」「相手に伝わるようにしましょう」と指導します。しかしある時、若手社員から「●●部長も●●さんも挨拶しませんよ」と返されたことがありました。
ここに職場文化の難しさがあります。挨拶は部下から上司へ一方的にするものではなく、立場を問わず互いに交わすものです。上司や先輩が挨拶をしない職場では、挨拶の大切さや必要性を伝えることはできません。つまり「新人が挨拶しない」問題は、組織全体の文化の問題でもあるのです。

■ あいさつが生む「居場所感」
挨拶の効果として「安心感」があります。新人が職場で最初に感じる不安は「ここにいていいのか」という居場所への不安です。挨拶はその不安を和らげる最もシンプルな行為です。

「おはようございます」と声をかけられることで、自分が存在を認められていると感じる。
「お疲れさま」と返すことで、相手との関係性がつながる。

この小さなやり取りが心理的安全性の土台になります。

新人が「隣の部署に挨拶していいのか」と迷うのは、居場所の境界を探っているからです。挨拶をすることで「ここにいていい」と感じられ、挨拶を返されることで「受け入れられている」と実感できる。この循環が新人の居場所づくりにつながります。
挨拶を返すことは「あなたを歓迎している」というメッセージを伝える行為なのです。

■ 心理的安全性と挨拶の関係
心理的安全性とは「この職場では自分を出しても大丈夫だ」と思える状態のこと。挨拶が交わされる職場では互いに承認し合う文化が育ちやすく、挨拶がない職場では無視や孤立感が生まれやすく、安心して発言できなくなります。つまり挨拶は心理的安全性を高める「小さな承認の積み重ね」なのです。

■ まとめ ― あたりまえを問う
まとめると、新人に「挨拶をしなさい」と求めるなら、先輩社員や管理職も率先して挨拶をする必要があります。挨拶は上下関係の義務ではなく、人と人との承認のサインです。新人が挨拶をしない背景には、単なる礼儀不足だけでなく、職場文化や周囲の行動が影響している場合もあります。「挨拶のできない新人」を嘆く前に、私たち自身の挨拶の姿勢を振り返ることが、組織の信頼を育む第一歩になるのではないでしょうか。

今回は挨拶を例にとってお話しましたが、「こんなことできてあたりまえ」と思っていることは本当に「あたりまえ」なのか、振り返ってみることは大切です。「挨拶のできない新人」を嘆くよりも、挨拶を通じて誰もが安心して存在できる職場をつくることが、人事や管理職に求められる視点ではないでしょうか。

挨拶は小さな言葉のやり取りですが、その積み重ねが心理的安全性を育み、組織の文化を形づくります。新人の不安を和らげ、居場所感を生み出すことで、企業への定着につながり、成長につながっていきます。私たち自身がまず挨拶を大切にすること、相手を承認すること。それこそが、未来の職場をより豊かにする鍵なのです。

弊社では、新入社員の指導・育成にあたるOJT担当者を通じ、職場文化の形成にも意識を置いた育成に関連するセミナーを開催いたします。是非ご活用ください。

このコラムを書いたプロフェッショナル

後藤 真紀子 

後藤 真紀子 
研修コーディネーター/キャリアコンサルタント(国家資格)

人事・研修企画~運営における、お悩みや課題をお聞きしながら、社員一人ひとりの成長が組織の成長につながるよう、研修企画~フォロー施策まで伴走させていただきます。

人事・研修企画~運営における、お悩みや課題をお聞きしながら、社員一人ひとりの成長が組織の成長につながるよう、研修企画~フォロー施策まで伴走させていただきます。

得意分野 モチベーション・組織活性化、人材採用、キャリア開発、コミュニケーション、ビジネスマナー・基礎
対応エリア 全国
所在地 横浜市中区

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