指導(OJT)担当者の不安解消がエンゲージメント向上のカギ

2025年度入社の新入社員が入社して半年、そしてまた半年後には2026年度入社新入社員が入社してきます。
人事の方は、新入社員の皆さんのフォロー面談や内定者対応などされている頃ではないでしょうか?
新人の方からは「自分の成長に自信がない」「実際配属されて思っていたのと違う」「職場が辛い」など様々な声が聞こえてくることでしょう。
さらにOJTの現場からも「新人が育たない」「成果が出ない」「定着しない」などの相談も受けているかもしれません。OJTは実務を通して人材を育てる有効な手法で多くの企業で導入されている反面、現場任せになってしまい、どのようなOJTが行われているのは把握できないこともあります。そこで今回は、2026年度入社(および中途入社)社員の定着と成長を促すためのOJTについてご一緒に考えてみます。
*Contents*
OJTのばらつき
OJTトレーナーの不安
人事としてしなければいけないこと
まとめ
OJTのばらつき
同じ事業部内でも新人が早期に戦力化するところもあれば、なかなか新人もOJT担当者自体も望むような成果を得ることが難しい場合もあります。そうなってしまうと最悪の場合、離職につながってしまうこともあります。
これは一見、新人のポテンシャルに原因があるのではないかと思ってしまうかもしれませんが、一概にそうとは言えないことが多いのです。理由はOJTの属人的な運用に依存していることに起因している場合があるからです。トレーナーの経験や教え方、関わり方によって質が左右されてしまいます。
OJTトレーナーの不安
OJTトレーナーになるということはその業務での知見を多くもっているということに他なりませんが、「教える」と言うことに関して熟練しているかは別問題です。
OJTトレーナーの方からの育成に自信が持てないという声も少なくありません。
「自分のやり方で良いのか」「新人ともコミュニメーションの取り方がわからない(ちょっとしたことがハラスメントになってしまわないか不安)」「自分の業務が忙しすぎて十分な時間を取ることができない」などの不安や葛藤を抱えているOJTトレーナーがとても多いのです。
OJTは業務を教えてもらうトレーニーの成長はもちろんですが、トレーナー側の新たな成長の機会でもあります。トレーナーへも十分な支援が求められます。
そして何より、今問題になっているのは新人の定着です。新人の早期離職は、大変な人的・経済的投資をして採用した「人財」を失うことは組織全体にとっても大きな損失です。
トレーナーにとっても、育成に欠けた時間や、周囲からの期待に応えられなかったことはトレーナー自身の自信を喪失させることにもなってしまいます。
したがってトレーナー自身にも十分なトレーナーとしての心構えや事前の知識が重要になってきます。まして、年齢が離れてトレーナーを担当するような場合には特に事前準備が必要でしょう。
人事としてしなければいけないこと
育成にはただ単に業務のやり方を伝えるということだけではなく、その職場での人間関係の構築やコミュニケーションが新人にとっての居場所づくりとなり、フィードバックの質が安心感となり、質問しやすい環境をつくります。
緻密な学びの設計によって成長を実感し、コンピテンシーをはぐくみます。このような状態になることで新人と企業とのエンゲージメントは高まっていきます。
そのためにはOJTトレーナーへの支援は欠かせません。
育成に関する基本的なスキルを体系的に学ぶことや、世代の背景を理解し、仕事の意味や企業の目的をどのように伝えていくかを考え、心理的安全性を意識した関わりを身につけることでトレーナー自身が自信をもって接することができるようになっていきます。
人事はこのようなOJTトレーナーが学ぶ機会をつくることでトレーナーだけではなく、その周りの人達も巻き込んで育成にあたることが重要であることを周囲に知らせることができます。
文頭に記した通りOJTトレーナーにだけ頼る育成ではトレーニーにとってもトレーナーにとっても逃げ場のない詰まった状態になりやすいので、周囲の協力や関わりを持ちながら双方を育てていくという視点が、“組織の未来をつくる営み”として位置付けられることの重要性を伝えることになります。
まとめ
現状のOJTの状態を客観的に捉え、課題を補完したり改善する施策を講じることは、育成の可能性を広げることにつながります。現場の声に耳を傾け、育成を問い直していく。
小さくとも見直しを図っていくことは、人を育てる力は組織文化をつくる力となります。
特に、新入社員が社会人として育つ過程は、単に業務を覚えることではなく、社会で活躍していくための価値観を形成し、責任を引き受け、他者と協働する力を身につけていく――そんな成熟のプロセスです。
これは現場のOJTトレーナーだけが担うものではなく、むしろ社会人としての成長は、組織・社会全体が育てるべき営みとして考えてほしいと思うのです。
そこで弊社では新入社員や中途採用社員を迎え入れる職場指導担当者(OJTリーダー)の皆様を対象とした、心構え、受け入れ準備、日々の関わりや指導を体系的に身につけていただくセミナーをご用意しております。
過去2年においてご参加いただいた皆様からは「体系的でとても分かりやすかった」や「実践後のフォローで振り返りができ、周りの方の取り組みなどが聞けたので自信がついた」などのお声を頂いております。
詳細はダウンロード資料などをご用意しておりますのでそちらをご覧ください。
エンゲージメント向上にお役立てください。
このコラムを書いたプロフェッショナル
後藤 真紀子
研修コーディネーター/キャリアコンサルタント(国家資格)
人事・研修企画~運営における、お悩みや課題をお聞きしながら、社員一人ひとりの成長が組織の成長につながるよう、研修企画~フォロー施策まで伴走させていただきます。
後藤 真紀子
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人事・研修企画~運営における、お悩みや課題をお聞きしながら、社員一人ひとりの成長が組織の成長につながるよう、研修企画~フォロー施策まで伴走させていただきます。
得意分野 | モチベーション・組織活性化、人材採用、キャリア開発、コミュニケーション、ビジネスマナー・基礎 |
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対応エリア | 全国 |
所在地 | 横浜市中区 |
このプロフェッショナルの関連情報

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開催日:2026/03/04(水) 10:00 ~ 17:00
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