新入(中途採用)社員指導担当=OJTリーダー育成強化の着眼点
そろそろ2023年度入社新入社員の育成状況をみながら、2024年度入社新入社員の受け入れ準備をされているご担当者様も多い時期です。
そのようなご担当者様が考えられているのは
・忙しい指導育成担当者(OJTリーダー)の負担を減らしてやりたい
・入社時よりも少し元気がないように見える新入社員の様子が気がかり
・今のところ大きな問題はないが、今後、離職などの問題にならないように対策したい
ということではないでしょうか。
そこで今回は11月29日に弊社で行った体験プログラム「輝きが連鎖する組織づくり~OJTリーダー・新任マネジャーへのアプローチ」の「OJTリーダー編」のご報告を兼ね、新入社員を育成するOJTリーダー育成の要所をご一緒に考えてみたいと思います。
*Contents*
1.OJTリーダー育成を目指す本当の目的
2.OJTリーダーとなる人をいかに動機づけるか、が肝
3.OJTを成功させるために必要なこと
4.講師紹介
5.11月29日体験セミナーご参加者の声
6.3月7日開催 OJTリーダー育成セミナー(オンライン・1日)
7.新任マネジャーの育成にご関心がある方へ
1.OJTリーダー育成を目指す本当の目的
新卒なら入社して新入社員研修やビジネスマナー研修をした後に配属となり、そこから先輩社員に仕事を教わっていくのが一般的ですが、もし「OJTリーダーの関わり次第で新人職員の定着を左右します。」と言われたら少し重いでしょうか。
体験プログラムでは、新社会人の教育担当となるOJTリーダーに、まずは昨今の新社会人の傾向を理解していただくことが重要というお話からスタートしました。
入社間もなく転職を視野に入れるー転職ネイティブ世代の台頭
転職サイトDodaを運営するPersol Careerによると、転職サービスに登録する新社会人ということで、4月度のDoda会員登録者数が2011年と比較すると全体は6倍程度なのに対して新社会人の登録者は30倍となっているそうです。
出典:パーソル総合研究所 Doda登録者数の推移(2022年4月)
また労働調査組合によれば入社2か月後の調査で退職を検討したことがある新社会人は50.6%というデータも。
これはVUCAの時代に教育を受けてきた彼らが社会に出て自分自身のキャリアに不安を抱きつつ、「自己成長・多様な働き方・キャリア形成」などの名の下、いろいろな働き方に対する情報を収集し、キャリア形成のための転職にマイナスなイメージをもっていないからかもしれません。
いかにギャップを理解するか
では私たち新卒社員を受け入れる側がどのように考えているかというと、今後急激に労働人口が減少することは明白。売り手市場の採用活動の中で入社に至った新社会人には自社に定着し、成果の出せる人材へと育ってほしい、と誰もが願っています。
そのためには従来型の価値観の関わりではなく、今の新社会人の価値観を理解して接することが急務であることを私たちは強く認識しておく必要がある、と廣瀬講師は言います。
そこで体験セミナーでは、実際のプログラムの流れにそって、私たちがもつ価値観について
・成長のポイント
・離職のポイント
を各自でお考えいただいた上、グループで討議していただきました。
そこで成長意欲に関する事例など話し合われ、
・成長意欲が高い新人と教育する側での遠慮などのギャップがあること
・社会風潮に配慮して本音が伝わらないなどの世代間問題
などを共有いただきました。
今回は、人材育成のご担当者様同士の話し合いでしたので、より俯瞰的なご意見が多く出ましたが、実際のOJTリーダーを対象にすると、もう少し身近な話題になることでしょう。
2.OJTリーダーとなる人たちをいかに動機づけるか、が肝
実際仕事を教えるOJTリーダーとなるのは入社2~5年目の社員が一般的ですので、比較的新社会人の気持ちには近い感覚があるかもしれません。
しかし入社3年目前後は仕事を覚え、担当業務も増え、責任と忙しさを感じている頃でもあります。そこで新人育成で時間も手間も取られる状況のOJTリーダーをやりたくない、できるかどうか不安を感じて二の足をふむ、のも当然です。
そこで伝える必要があるのは未来の話。OJTリーダーをすることのメリットです。OJTリーダー研修を通じ、この経験のメリットと魅力を伝えられる、と廣瀬講師は言います。
ここで講師は、
「他人の育成を手掛けない限り、自分の能力の向上をさせることはできない」
というドラッカーの言葉を紹介しました。
OJTリーダーとなることは、次のステップへの自己成長につながるということをOJTリーダーに知っていただくことこそが、新入社員の育成のみならず、人が育つ風土醸成の肝となるのです。
3.OJTを成功させるために必要なこと
では、実際に関わるOJTリーダーが力を入れるべきことは何でしょうか。
それは不安を抱えている新社会人に居場所を感じられるような関わりをすること、だそうです。ここで講師より「居場所をつくる」ための3つのキーワードの紹介がありました。
(1)役割の明確化
(2)自己効力感
(3)社会的受容
です。(今回は、一つ一つについてのご説明は割愛させていただきます。)
また、廣瀬講師曰くOJTリーダーの教育を受け、OJTリーダーを経験した人はさらに上級位についた時の評価が高いとのこと。OJTリーダーとして個人を育てた経験が、チームをまとめる管理職となった時に活かされるからなのでしょう。
こういったことを理解していただくことで、負担に思うOJTの仕事が、自らチャレンジしたい経験へと意識の変化が生まれます。
4.講師紹介
ではここで、体験セミナーを担当した講師をご紹介します。
廣瀬 公尚(ひろせ まさなお)氏
鹿児島大学院時代に研修の傍ら大学の先輩でもある京セラ創業者の稲盛和夫氏から経営哲学を学び、稲盛アカデミーでリーダーシップ、経営哲学、生き方について学び、自らの使命(命の使い方)を問う重要性を伝えられました。
大学卒業後、組織開発・人材開発コンサルティング企業に入社。2020年に独立され、企業研修トレーナー・組織開発コンサルタントとして実践され、新入社員研修から階層別研修、メンタルヘルス、チームビルディングなどテーマ別研修を年間150回以上実施している講師です。
5.11月29日体験セミナーご参加者の声
ご参加企業:メーカー、製造業から医療・教育事業まで幅広い業種にご参加いただきました。
ご参加者の声の一部をご紹介いたします。
(ご参加者様の声)
今回の体験セミナー参加の目的は、新人の教育・受け入れについて見直す必要があると考えていたからです。
そして今回のセミナーでは、曖昧になっていた部分を言語化&強調していただけたと思います。
具体的には、
・「共育」教育することは、指導する側が成長する大きなチャンスとなること(共に育つ)
・新人教育には、まずは居場所づくり(役割の明確化、自己効力感、社会的な受容)が大切であること
などは4月に向けて準備をしていきたいと思います。
6.3月7日開催 OJTリーダー育成セミナー(オンライン)のご案内
Six Starsでは3月にOJTリーダーを対象にした公開セミナー開催いたします。
新年度が始まる前に、OJTリーダーとなって新人の教育担当となる方の新社会人育成をご理解いただきながら、ご自身の成長にもつなげていく機会、としてご活用ください。詳細はセミナー紹介ページをご覧ください。
7.新任マネジャーの育成にご関心がある方へ
11月29日実施しました「輝きが連鎖する組織づくり OJTリーダー・新任マネジャーへのアプローチ」体験セミナー後半の「新任マネジャー編」は、瀬川よりレポートいたします。別コラムをご覧ください。
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後藤 真紀子 (ゴトウ マキコ) 研修コーディネーター/キャリアコンサルタント(国家資格)
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