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健康診断の事後措置が手薄になっていませんか?

フィジカル不調者発生。健康診断の事後措置が手薄になっていませんか?

 

産業医、衛生管理者の選任義務のない従業員数50名未満の企業では、経営者や
総務・人事部門の責任者が安全衛生管理の業務を兼任されていることと思います。

ですが、産業医等の選任義務がないからと言って、安全衛生管理の義務がないわけではなく、
健康診断の実施など多くの項目が従業員数にかかわらず実施を義務付けられています。
また、健康診断の事後措置は努力義務とはなっていますが、健診を受診してもらうだけで、
その結果について評価し必要な対応をしておかなければ、万が一社員が事故を起こしたり
脳卒中などを発症したりした際、その状況によっては安全配慮義務違反を問われる可能性が
あります。

健診を実施しただけでは安全配慮義務を尽くしたとはいえないと、安全配慮義務違反が認め
られた判例もあり、健診結果に手付かずのままという状況は早急に解決したいものです。

しかし、健康情報は機微な情報であり、プライベートな問題にかかわることもあるため、
どこまで立ち入ってもいいものか判断に迷うことも多く、さらに健康面での問題は専門的な
知識が求められることもあり、対応に苦慮することが予想されます。
また、従業員数が少ないと専任の担当者を置くほどの業務量がなく、兼任となると片手間で
十分な対応ができないということも予想されます。
その結果、健康診断結果については手付かずのままになってしまい、フィジカル不調者が発生
した際、これまでの健康診断の結果がどうだったかと、そこで初めて結果を確認するという
ことも少なくないのではないでしょうか。

こういった問題を解決するために、嘱託産業医との契約を検討する企業も多いかと思います。
嘱託産業医との契約は、実際にはひと月当たり2~3時間であることも多く、限られた訪問
時間内ですべての業務をこなすことは困難な場合も多くあります。

そこで産業医の選任義務がない企業の場合、最初の選択肢として保健師と契約するということ
も考えられます。

産業保健や労働衛生にかかわる業務を担当している保健師を産業保健師と称していますが、
産業保健師は労働安全衛生法で選任の義務がないため、認知度は低いかもしれません。
ですが、安全衛生管理体制作りから健診結果の確認、必要に応じた保健指導、日々の健康相談
などを行う専門家であり、産業医にしかできない業務以外の部分をカバーすることが可能です。
労働安全衛生法や労働安全衛生規則においても、産業医の選任が義務でない企業での健康管理
については保健師の活用も勧められています。
また、産業保健師を導入して安全衛生管理体制を整えておくことで、産業医の選任が必要となる
50名以上の従業員数になった際にも、産業保健師と産業医が連携することで、限られた産業医の
訪問時間を有効に活用することが可能になります。

身体の健康管理だけでなく、過重労働対策、メンタルヘルス対策、治療と仕事の両立支援、社員
の高齢化・高齢者の就労促進に伴う課題、ハラスメント対策など、企業が求められる健康管理や
必要な配慮は多岐にわたっています。
社員に健康で長く働いてもらいたいと考えている企業でもこういった取り組みまで手が回らない
場合は、健康管理の専門家である産業保健師を活用するというのは効果的な選択肢だと思います。
是非検討してみてはいかがでしょうか。


(シニアコラボレーター  田口 朋子)

  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • その他

保健師
【専門領域】産業保健

病棟看護師や教職に従事した後、保健師として特定保健指導受託企業に転職。現在は産業保健師として企業の健康経営と社員の健康管理支援を行っている。

田口 朋子(タグチ トモコ) シニアコラボレーター

田口 朋子
対応エリア 関東(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県)
所在地 渋谷区

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