「ヒトマネ」と「コトマネ」

こんにちは。株式会社ジェイフィールの重光です。
前回のコラムではリクルートワークス研究所が提唱する「マネジメントを編みなおす」プロジェクトについてご紹介しました。
複雑化するマネジメント機能を見直し、事業戦略の段階からマネジメントの機能を再設計していくことで、持続可能な組織運営の実現につながるというお話でした。
今回は実際に(株)リクルートが、マネジメント機能の再設計と最適化を行い、業務負担を適切に分散させた事例をご紹介させていただきます。
「ヒトマネジャー(ヒトマネ)」と「コトマネジャー(コトマネ)」
「ヒトマネ」「コトマネ」というキャッチ―なフレーズから、それぞれが担う業務が推測されますが、「ヒトマネ」はメンバーの育成や採用、労働時間の管理、人事評価、キャリア支援など、人に関わる業務のマネジャー。一方「コトマネ」は、業務戦略の立案や推進など、各部門に与えられたミッションに関わる業務のマネジャーだそうで、2023年に試験導入を開始し、2024年には大小合わせて20の職場に広がったほど、好評だったようです。

導入の背景として、事業変化のスピードと、プレイングマネジャーとしての課長の業務負担の増加があったと言います。1人の課長が束ねる部下の数も急増し、1人がこなせる業務には限界が生じていました。そこで、2人がチームを組んで仕事を分担すれば、人と事業両方の成長をスピードアップできるのではないかと考えたようです。
この事例は、まさに、「マネジメントシェアリング」そのもので、この取組がうまくいっている理由として、同じ業務を分業するのではなく、「ヒトマネ」と「コトマネ」が協業し、お互いの役割を補完し合いながら、ゴールである業績の最大化に向かっているということです。
例えば、「コトマネ」がプロジェクトの停滞を察知し、「ヒトマネ」に伝える。「ヒトマネ」は面談を通じて、メンバーに目標の再確認を促す、または、成果を出すために必要なスキルの習得を後押し、メンバーの成長につなげる。など、両者が循環しながら業務の遂行とメンバーの成長を支えています。
日本企業では導入事例の少ない「マネジメントシェアリング」。
「ヒトマネ」「コトマネ」と、その名称から役割やミッションも分かりやすく、マネジャーだけでなく、メンバーからも、誰に何を相談していいかが分かりやすく好評だと言います。
次回のコラムでは、「マネジャーが2人になると人件費は2倍になるの?」「ヒトマネとコトマネの意見が対立したらどうするの?」など、参加者メンバーから寄せられた質問をいくつかご紹介しながらリクルートが導入した「ヒトマネ」「コトマネ」についてもう少し深堀していきます。
- モチベーション・組織活性化
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- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
良い感情の連鎖を起こすことで人と組織の変革を支援するコンサルティング会社「ジェイフィール」の取締役
ジェイフィールでは3名の取締役でマネジメントシェアリングを実施中。ミンツバーグ教授との出会いからリフレクションラウンドテーブル(R)を日本に導入。 第1回HR Award 受賞。主な著書「ミンツバーグ教授のマネジャーの学校」他
重光直之(シゲミツ ナオユキ) 株式会社ジェイフィール 取締役 / 経営チームメンバー

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 渋谷区 |
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