マネジメントを編みなおす

こんにちは。株式会社ジェイフィールの重光です。
第5回の「マネジメントシェアリング研究会」は、第4回に続きゲストをお迎えし、マネジメントシェアリングの事例について教えていただく会となりました。
今回は、リクルートワークス研究所グローバルセンター長 村田弘美さんにご登壇いただきました。
リクルートワークス研究所は、1999年に(株)リクルートの新規事業として創設された研究機関です。「一人ひとりが生き生きと働ける次世代社会の創造」というミッションのもと、基幹調査やシンポジウム、セミナーの開催など様々な活動を行っています。
(株)リクルートの10年後の働き方を踏まえた人事コンセプト設計
(株)リクルートでは、従来の働き方を見直し、10年後の働き方を踏まえた人事コンセプト設計として、主に3つの取組がされているようです。
1)働く曜日、時間は自分で設定
休日:年145日休(土日・GW・夏季・年末年始+14日)+有給、週休約3日、
3年働く毎に1カ月の有給休暇
2)働く場所は自分で選択
オフィス、在宅、サテライトオフィスなどから選択
3)1社専業ではなく、社内外の垣根を超えた協働、協創
副業OK
ここまで自由な働き方の企業は少ないかと思いますが、コロナ禍以降、リモートワークが急速に浸透し、2)の働く場所が自由に選べるようになった企業や、3)の副業OKの企業も多いのではないでしょうか?
そうなると、今までのマネジャーの役割・機能では到底太刀打ち出来ず、複雑化したマネジメント業務に疲弊しているマネジャーが続出しています。
そんな世の中の現状を危惧し、「マネジメントを編みなおすプロジェクト」が発足したようです。
マネジメントを編みなおすプロジェクトとは
このプロジェクトでは、マネジメント機能を今後どのように構造的に変化させ、分化、統合するのか。新たなマネジメント像を描き切ることを目的としているとのこと。
昨年、リクルートワークス研究所が行った調査によると(従業員規模300人以上の企業の部長を対象に実施(n=2,097))

「現在のマネジャーの仕事は1年前と比べて複雑さを増していると思いますか」
との質問に対し、「どちらかと言えばそう思う」(60.2%)、「そう思う」(18.5%)と約8割のマネジャーが、マネジャーの仕事が複雑化してきていると感じているようです。
その要因としては、外部環境の変化やスピードへの対応、業務やリスクへの過剰な管理負担などが挙げられますが、マネジャーの仕事が罰ゲームとならない為には、「マネジメント機能の再構築」がカギと考えているようです。
その再構築の一環として、マネジャーの業務の負担を分散させる事例も出てきたようです。例えば、人事部門がヒトの課題を支援し、マネジャーが業務に集中できるような役割分担を進める企業事例、さらに、マネジャーだけが頑張るのではなく、チームメンバーに権限移譲する企業例など。
いずれにせよ、マネジャーの仕事を再構築するには、事業戦略からマネジメントの機能を再設計していくこととセットで検討していくことが必要であり、こうしたマネジメントの編みなおしが持続可能な組織運営の実現につながると考えているようです。
次回は、(株)リクルートが管理職の仕事を、人と組織の領域を「ヒトマネジャー(ヒトマネ)、業務遂行の領域を「コトマネジャー(コトマネ)」として機能を分けた事例をご紹介します。
- モチベーション・組織活性化
- マネジメント
- コーチング・ファシリテーション
- チームビルディング
- コミュニケーション
良い感情の連鎖を起こすことで人と組織の変革を支援するコンサルティング会社「ジェイフィール」の取締役
ジェイフィールでは3名の取締役でマネジメントシェアリングを実施中。ミンツバーグ教授との出会いからリフレクションラウンドテーブル(R)を日本に導入。 第1回HR Award 受賞。主な著書「ミンツバーグ教授のマネジャーの学校」他
重光直之(シゲミツ ナオユキ) 株式会社ジェイフィール 取締役 / 経営チームメンバー

対応エリア | 全国 |
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所在地 | 渋谷区 |
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