オンラインイベント企画アイデア集|採用・定着を支える企画設計
オンラインイベントは、もはやコロナ禍の代替手段ではなく、「人と組織をつなぐ体験の場」として企業活動の中心に位置づけられています。
採用説明会、全社総会、研修、表彰式——これまでリアルでしか実現できなかった「人と人の関わり」を、デジタル上でどう再構築するかが問われています。
人的資本経営が重視される今、オンラインイベントは単なる配信ではなく、従業員ライフサイクル(採用 → 定着 → 育成 → 再接点)を支える戦略的施策として注目されています。
この記事では、人事・採用担当者が押さえておくべき最新のオンラインイベント企画アイデアと、成果につなげる設計のポイントを紹介します。
1. オンラインイベントの価値を再定義する
1-1. “情報提供”から“共感体験”へ
オンラインイベントの本質は、「情報を届ける」ことではなく、「体験を共有する」ことです。リアルでは物理的な制約があった演出も、オンラインでは自由度が高まり、一人ひとりに合わせたパーソナルな体験設計が可能になりました。
たとえば、登壇者の発言に合わせて資料が動的に展開するインタラクティブ配信や、チャットやスタンプでリアルタイムに反応を共有する演出など、参加者が“視聴者”から“共創者”へと変わる構造が生まれています。AIの進化により、アンケート集計なども容易になり、デジタルならではの「共感づくり」がブランド体験を支えています。
1-2. “接点拡大×データ活用”による人的資本への貢献
オンラインイベントのもう一つの価値は、接点拡大とデータ活用の両立です。
地理的・時間的制約を超えて全国・海外・在宅勤務者まで参加できることで、これまで接点を持てなかった層との関係づくりが可能になります。
さらに、視聴時間やコメント数、アンケート回答などのデータを可視化・分析することで、「どのテーマに関心が集まったのか」「どの瞬間で離脱が多かったのか」などを把握できます。
このようなデータは、次回のイベント改善だけでなく、採用活動・エンゲージメント施策・研修設計など、人的資本経営全体の意思決定にも貢献します。
オンラインイベントは、単発の施策ではなく、“人と組織の関係を可視化・深化させる仕組み”へと進化しているのです。
2. フェーズ別オンラインイベント企画アイデア
2-1. 採用フェーズ|“企業理解”を深める共感設計
オンラインイベントは、応募者に企業文化を体感してもらう最適な手段です。
リアルよりも心理的ハードルが低く、候補者の理解促進や共感形成に効果的です。
●主なアイデア
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バーチャル職場ツアー
実際のオフィスや現場を中継し、社員のリアルな声や働く姿を見せることで「自分が働くイメージ」を想起させます。 -
若手社員トークセッション
世代の近い社員が登壇し、仕事のやりがいやキャリア形成を語ることで、“自分ごと化”を促します。 -
オンデマンド採用動画シリーズ
「いつでも・どこでも見られる」採用動画を用意し、学生や転職者が空き時間で企業理解を深められるようにします。
これらを通して得られる視聴データは、「どんなテーマが応募意欲に直結しているか」を見極める材料にもなります。
オンラインイベントを単なる説明会にとどめず、データドリブン採用広報として継続的に改善することが大切です。
2-2. 定着フェーズ|共体験で“働く誇り”を育む
リモートワークや多拠点勤務が進む中で、社員同士が同じ時間に感情を共有する機会は貴重です。
オンラインイベントは、離れた場所にいても「同じ体験を共有する」ことで一体感と帰属意識を高める場になります。
●主なアイデア
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オンライン表彰式・アワード
映像演出やサプライズ動画を組み合わせて、社員の努力や成果を可視化。称賛文化を醸成します。 -
ハイブリッド全社総会
現地参加者とオンライン視聴者をリアルタイムでつなぎ、全国・海外拠点を巻き込んだ一体感を演出。 -
チームビルディング型オンライン企画
リモートクッキングやクイズ大会など、部署横断の“共創体験”を通じて交流を活性化。
こうした取り組みは、社員のモチベーション向上だけでなく、離職防止やエンゲージメント向上にも直結します。
2-3. 育成フェーズ|学びを“人的資本”として蓄積する
教育・研修の分野でも、オンラインイベントの活用が広がっています。
録画や再配信が容易なため、学びを企業資産としてストック化できるのが最大の魅力です。
●主なアイデア
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オンライン研修・ナレッジ共有会
多拠点・多職種の社員が同時に学べる環境をつくり、知識共有を活性化。 -
オンデマンド研修アーカイブ
研修内容を録画・編集し、新入社員教育やキャリア研修に再利用。 -
専門家×社員セッション
外部講師と社内人材の対話を通じて、学びと実践を結びつけます。
こうした学習データ(視聴率・再生回数・受講者数)は、人的資本開示でも重視される「人材育成指標」としても活用可能です。
3. 成功に導く3つの設計ポイント
3-1. 目的とKPIを明確にする
オンラインイベントを成功させる第一歩は、「何のために行うのか」を明確にすることです。採用フェーズでは応募率や説明会満足度、定着フェーズではコメント数や共有数、育成フェーズでは受講率や理解度など、目的に応じて成果指標を設定します。
たとえば、採用目的であれば「参加後に応募へつながった割合」、社内向けであれば「参加者の満足度や理念理解度」など、感情と行動の両面をKPIとして設計しましょう。
目的と成果の紐づけが曖昧なままでは、演出が派手でも効果は持続しにくいため、目的とKPIは明確にしておきましょう。
3-2. 双方向性と「参加感」の演出
オンラインイベントの魅力は、リアルでは難しい双方向コミュニケーションの設計にあります。リアルタイム投票やチャット機能を活用して登壇者と参加者をつなぐことで、受け身ではない参加体験が生まれます。
また、ブレイクアウトルームでの小規模対話や、得点制・クイズ形式などの“ゲーミフィケーション”を取り入れると、集中力が持続し、イベント全体の没入感が高まります。
「自分も場の一部になっている」という感覚が、記憶に残る体験価値を生み出します。
3-3. アーカイブと二次活用で“終わらないイベント”に
オンラインイベントの強みは、実施後も価値が続くことです。
録画データをダイジェスト動画やSNS投稿に再利用したり、研修コンテンツとして再編集することで、一度のイベントが“企業資産”として成長する仕組みをつくることができます。
採用広報では、過去イベントのアーカイブが候補者の理解促進に役立ち、社内研修では、社員の学びを継続的に積み上げることが可能です。
こうした“二次活用前提”の設計を行うことで、オンラインイベントは「終わる施策」から「育つ施策」へと変わります。
4. 実務フェーズで意識したい社内連携
オンラインイベントの成否は、当日の演出よりも企画段階での社内連携の精度にあります。
人事・広報・IT・制作など、関係部門を早期に巻き込み、「誰に」「何を」「どう伝えるか」の共通認識を持つことで、メッセージとブランドトーンに一貫性が生まれます。
特に人事・採用向けのイベントでは、広報部門との連携により企業理念を自然に織り込むことができ、参加者に“組織の文化”を伝える強力なコミュニケーションツールになります。
5. 導入支援:オンラインイベントもホープンにお任せください
ホープン(旧プリントボーイ)では、採用・育成・エンゲージメント強化を目的としたオンラインイベントの企画・制作もご支援可能です。
オンラインイベントは、自社スタジオ「ICHIGO ICHIE DIGITAL」から配信も可能です。その際には、撮影から音声、配信・動画編集までワンストップでサポートさせていただきます。経験豊富なカメラマン・ディレクター・編集スタッフが、メッセージ設計から演出、効果測定までトータルでサポートいたしますので、人的資本経営の推進や、従業員ライフサイクル全体を支えるイベント施策をご検討される際には、ホープンにご相談ください。
このコラムを書いたプロフェッショナル
澁沢 舞
株式会社ホープン 次長
営業・制作経験と人事目線を武器に採用・研修・社内広報をホープンはトータルでサポート。採用・教育・社内施策を実現し「人事の悩み」を企画力とクリエイティブで解決。採用担当のリアルも踏まえながらお客様の課題を解決すべく専門チームを作り提案します。
澁沢 舞
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| 得意分野 | 人材採用、コミュニケーション |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 世田谷区 |
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