採用コストを抑える、チャネル設計の考え方
「採用コストはできるだけ抑えたい」そう考える企業は多いと思います。
一方で、
「媒体で採用活動を最大化するのは運用負荷が高い」
「結局、人材紹介会社(エージェント)依存から抜け出せない」
そんな悩みも、採用現場ではよく耳にします。
確かに、求人媒体を増やしたり、ダイレクトリクルーティングを強化したりすると、運用工数は一気に増えます。
そのため、「エージェントに広く依頼して、推薦が上がってきた人を対応する」という形になりやすいのも自然な流れです。
ただ、転職市場が変化している今だからこそ、採用活動の方向性そのものを見直す必要があると感じています。
「採用コストを抑える=エージェントを使わない」ではない
以前、スタートアップで採用を担当していた時、採用予算という概念がほとんどなく、「できるだけ少ない費用で良い方を採用すること」がミッションでした。
結果としてエンジニアを10名以上採用することができましたが、採用単価はエージェント経由の1/10〜1/5程度に抑えられていました。
その時に考えていたのが、以下の視点です。
採用予算 × 採用人数 × 採用要件 × 市場 × 採用時期
採用コストを抑えるというと、「エージェントを使わないこと」と考えられがちですが、実際はそう単純ではありません。
重要なのは、「どのポジションを、どのチャネルで採用するか」を適切に設計することです。
ポジションによって、適切なチャネルは変わる
たとえば、
- 緊急度は低いが重要度が高いポジションを1名採用したい場合
- ジュニアクラスを複数名採用したい場合
では、取るべき戦略は大きく変わります。
前者であれば、媒体に広く出すよりも、エージェント経由で丁寧に探した方が良いケースもあります。
一方で、複数名採用を前提とするジュニアポジションは、媒体やダイレクトリクルーティングで採用できる状態をつくる方が、コスト面でも再現性の面でも効果的です。
「どの職種も同じ採用戦略」にしない
実際には、
「管理が大変だから」
「運用を増やしたくないから」
という理由で、すべてのポジションを同じ採用チャネルで進めている企業も少なくありません。
ですが、一律の採用戦略では、採用コストを抑えることも、本質的な採用を行うことも難しくなります。
だからこそまず必要なのは、「何を採用したいのか」を整理することです。
採用を始める前に整理したいこと
採用活動を設計する上で、まず整理しておきたいのは次の6つです。
- 何のために採用するのか
- どんな人と働きたいのか(スキル・人物)
- その人にとって「入社するメリット」は何か
- 求める人材かどうかを判断するには、どんな選考が必要か
- どんな採用プロセスにするか
- 選考を通じてどんな体験を提供したいか
ここが整理されていない状態では、チャネル選定も運用方針もブレやすくなります。
採用コストを抑えるために必要な3つの視点
その上で重要になるのが、次の3つです。
1. 適切な採用チャネルを見極める
採用人数・採用要件・市場・採用時期によって、最適なチャネルは変わります。
媒体が向いているケースもあれば、エージェントやリファラルが適しているケースもあります。
「どこで募集するか」は、採用成果に大きく影響します。
2. チャネルごとの運用方針を決める
求人媒体といっても、
- 先行投資型
- メディア型
- 成功報酬型
など、さまざまなタイプがあります。
媒体によって、成果が出やすい運用方法は異なります。
特徴を理解せずに掲載しているだけでは、「求人を出しているのに応募が来ない」という状態になりやすくなります。
エージェントについても同じです。
紹介会社の構造や特徴を理解した上で、情報提供や連携の仕方を設計することが重要です。
3. 愚直に運用し続ける
そして、最も大事なのが「運用」です。
求人のメンテナンス、スカウト送付、訴求内容の見直しなど、採用は“出して終わり”では成果につながりません。
以前、自分自身が事業会社で人事をしていた時も、
- 求人は一度掲載したらそのまま
- スカウトは週に1回だけ
という状態になりがちでした。
ただ、やはり採用は運用し続けなければ前に進みません。
だからこそ、周囲を巻き込んだり、必要に応じてパートナーの力を借りながら進めていくことも大切だと感じています。
採用コストを下げる鍵は、「設計」と「運用」
採用コストを抑えるために大切なのは、単純に「費用を削ること」ではありません。
- どのポジションを
- どのチャネルで
- どのように運用するか
を整理し、自社に合った採用設計を行うことです。
転職市場が変化している今だからこそ、自社にとって本当に必要な採用の形を見直すタイミングなのかもしれません。
- 参考になった
- 共感できる
- 実践したい
- 考えさせられる
- 理解しやすい
このコラムを書いたプロフェッショナル
森数 美保
株式会社Your Patronum 代表取締役
大阪大学卒。JAC Recruitmentで最年少マネージャーを経験後、人事立ち上げ、事業責任者、執行役員を経て創業。採用、組織開発、人事制度設計、マネジメント支援を通じて、成長企業の組織づくりと事業成長を支援する。社労士有資格者。
森数 美保
株式会社Your Patronum 代表取締役
大阪大学卒。JAC Recruitmentで最年少マネージャーを経験後、人事立ち上げ、事業責任者、執行役員を経て創業。採用、組織開発、人事制度設計、マネジメント支援を通じて、成長企業の組織づくりと事業成長を支援する。社労士有資格者。
大阪大学卒。JAC Recruitmentで最年少マネージャーを経験後、人事立ち上げ、事業責任者、執行役員を経て創業。採用、組織開発、人事制度設計、マネジメント支援を通じて、成長企業の組織づくりと事業成長を支援する。社労士有資格者。
| 得意分野 | モチベーション・組織活性化、人材採用、人事考課・目標管理、キャリア開発、マネジメント |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 名古屋市中村区 |
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