クリエイティブ業務の人事評価基準設定の考え方
先日、ある広告制作会社の社長様とお話する機会がありました。
その社長曰く、
●当社の組織は、営業・企画・製作と3部門で構成されている。
●営業は、顧客の戦略や商品コンセプトなどをきちんと理解し、的確にサポート・提案
することが求められるのでクリエイティブな能力は欠かせない。
●また、企画や製作部門は営業以上にクリエイティブ業務の比率が高い。このようなク
リエイティブ業務に携わる社員の人事評価はどのようにすればよいのか・・・・・」
とのこと。
確かに、広告業界はクリエイティブ集団?です。
直観力、感性、センス・・・が必要で、これらをどう評価するかといったテーマは大変
難しい問題です。
例えば「感性」とは、物事を心に深く感じ取る働きであり、それらの刺激を受け止める
感覚的能力のことですが、「感性」を評価項目として設定しそのレベルを多段階に展開す
ることは大変難しい問題です。
もちろん、不可能なことではありませんが、実はあまり意味がありません。
何故、あまり意味がないのか(どのような視点でクリエイティブ業務の評価を行えばよ
いか)というと・・・、
人事評価は、保有能力を評価するものではなく発揮能力を評価するものです。
(どんなに素晴らしい能力を保有していても、それを実際に業務の中で発揮しないと意
味がありません)
すなわち、感性そのものの保有度を評価するのではなく、その感性を自分の業務にどの
ように活かしたのかを評価するものです。
ですから、行動・言動そのものや他者への影響度によって、感性を評価すればよいので
す。
彼が(彼女が)どの程度の感性を有しているのかを、実際の業務のプロセスや結果とし
ての行動・言動・他者への影響度によって評価すればよいのです。
また、クライアント先の経営戦略や商品・サービスの本質的な理解、広告制作のセオリー
やマーケティング知識、広告倫理なども、これらの感性のベースとなっています。
仮に「感性」を評価項目として設定する場合は、これらを踏まえて、基準を整理してい
けばよいのです。
また、担当業務によって程度の差はあるものの、様々な交渉・調整・説得といったコミ
ュニケーション、問題の認識と解決、プロジェクト管理や納期管理も必要でしょう。
ちなみに、これらの能力も上記と同様に、実際の業務のプロセスや結果としての行動・
言動・他者への影響度などで評価すればよいのです。
このように考えると、クリエイティブ業務における人事評価項目や基準の設定を特別視
する必要はありません。
他の職種と同様にセオリーとしてのノウハウや自社の現状課題を踏まえて検討・設定し
ていけばよいのです。
但し・・・、難しいのは「運用」なのではないでしょうか。
職種の専門性が強いためなのか、設定された評価基準そのものが、彼ら(彼女ら)の行
動を制約(モチベーションアップやスキルアップへの障害)してしまったり、あるいは、
個性や能力をきちんと活かしきれないような環境ですと、人事評価の本来の狙いである
「人材育成・職場活性化・業績向上」に支障が出てしまいます。
正しく評価し正しく処遇(昇給・賞与など)に反映させるための制度作りは大変重要で
すが、このような様々な障害の解消と共に、人事評価制度の本質的な意味を十分に反映
した制度作りとその運用が必要です。
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人事制度に「人材育成の仕組みと儲かる仕組み」を組み込むノウハウで人材育成と付加価値アップを同時に実現。
経営戦略・人事処遇制度・組織活性化・業務改善改革・営業生産性向上などの仕組み作りと実践支援をさせて頂いております。近年では、「人材育成と売上アップ」を同時に実現する当社独自の人事ノウハウでコンサルティング活動を展開しております。
山藤 茂(サントウ シゲル) 経営支援部 取締役
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