【第3回テーマ】
働きがいある環境を実現する
スターバックスのモチベーション戦略について
2010年9月17日に、『日本の人事部』HRクラブ第3回が開催されました。
今回のゲストは、スターバックス コーヒー ジャパン株式会社の組織人材開発本部ディレクター 目黒勝道氏。過去2回と同様、事例を中心とした講演や、参加者との質疑応答などが行われましたが、今回は特に「ディスカッション」に多くの時間が割かれ、これまで以上に活発な意見交換が行われました。
【第3回 開催概要】
■テーマ
働きがいある環境を実現する スターバックスのモチベーション戦略について
■開催日時
2010年9月17日(金)18:30~20:30
■ゲストスピーカー
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
組織人材開発本部 ディレクター 目黒 勝道氏
プロフィール:新卒で株式会社ワイ・ヒガ コーポレーション(現:株式会社ドミノピザ・ジャパン)に入社。「宅配ピザ」というニュービジネスの構築への参画を経て、2000年にスターバックス コーヒー ジャパン株式会社に入社。店舗運営部 地区責任者に着任し、「ピープルビジネス」のすばらしさを再認識する。
フィールドHR部・人事サービス部の責任者を経て、2008年より現職。現在は組織開発領域で「人と組織の成長をファシリテートするカタリスト」として組織パフォーマンスの向上に取り組んでいる。
日本人材マネジメント協会 人材マネジメント基礎講座講師も務めている。
スターバックスが「大切にしていること」
まずは、参加者が4つのグループに分かれ、それぞれ自己紹介を行うことからスタート。最初に自ら話す時間を設けたことで、和やかな雰囲気を作ることができました。その後は、各企業が抱えている課題や、それを解決するために行っている取り組みなどについて共有しました。
続いて、目黒氏がスターバックス コーヒー ジャパンが行っている取り組みを紹介。同社には、「モチベーション」を向上させるための「戦略」はないそうですが、「大切にしているもの」があるとのこと。その一つが、“お客様に感動経験を提供して人々の日常に潤いを与える”という、「ミッションステートメント」。立場や職務に関係なく、どの仕事をしていても、その目的(ゴール)は共通であり、さまざまな判断が求められる場面では必ずここに立ち返って考えるという言葉は、大変印象的でした。
この他にも、同社では、お客様、社内のパートナーに限らず、「人」を大切にしていることがわかりました。それぞれを賞賛しあう仕組みや、フィードバックを頻繁に行う職場環境など、「人」を重視したさまざまな取り組みが、同社で働く人々のモチベーションの源泉になっているようです。
「モチベーションとは何か」について改めて考える
続く第2部では、講演で紹介された同社の取り組みについて、「自社の課題に対応することが可能な考え方はあったか」「どんなことに注意を払うべきか」について、グループごとに話し合いました。
ディスカッション終了後は、グループごとに話し合った内容を報告し、参加者全員で共有。「全社的に意思統一ができていない」「経営理念を浸透させることは難しい」など、現在の問題点が浮き彫りになったほか、「そもそもモチベーションをどう定義するのか」という声も上がるなど、参加者にとっては、改めてモチベーションそのものを深く考える機会になりました。
「モチベーション戦略」とは、企業の規模や文化などによってさまざま。参加された皆さまは、その答えを見つけるために真剣に考え、積極的に話し合うことで、それぞれ大きなヒントを得ることができたようです。
参加者の声
参加者アンケートから抜粋
≪目黒氏の講演の感想≫
- 大変興味深いお話をたくさんうかがうことができ、ありがとうございました。もっとたくさん、もっと具体的に教えて頂きたいことが湧き起こりました。機会があれば、また、ぜひ教えて頂けたらと思います。よろしくお願いします。
- スターバックスの取り組みなどが分かり、勉強になりました。ありがとうございました。
- モチベーションマネージメントに対するアツイ想いを感じました。自身は最近そういう想いで社員と接していないので、人事の原点として実践してみようと思います。
- 実体験をもとにお話いただいたので、とても説得力はあった。しかし、自社に置き換えて考えた時、実現はなかなか大変だと感じている。
≪ディスカッションの感想≫
- 異業種でも根本的な悩みは同じだということがわかった。
- オープンに話すことができたので、内容を整理することができた。
- いろいろな会社の課題が知ることができて、参考になりました。
- 他社の方々が感じている課題や問題について伺うことができ、大変参考になりました。また、各社が実践されている取り組みも、とても興味深かったです。
HRクラブ一覧 | |