人事組織のマッチング支援システム（雑感）

 鈴与シンワートの中村でございます。今回は前回に続きITの話です。人の組織マッチングをシステムで行うことをイメージしていたら、
いろいろなことが頭に浮かんできましたので、徒然に書いてみたいと思います。

会社との相性、同僚との相性は、とても重要です。同じ間違いを犯されても、許せる相手と、許せない相手がいるのは、人間ならば仕方の
ないことですが、できれば円滑に行く人と仕事をしたいものですよね。

就職と結婚は、似たようなものとして、よく比較に挙げられますが、最近は、なかなか結婚相手が見つからない人が多いためか、マッチン
グサイトの人気があります。
果たして、自分に合う人を本当に探してくれるものなのでしょうか。

会員登録を行うと、年齢や年収に始まり、趣味や思考（嗜好ではなく）まで細かく聞かれ、検索に利用されます。
自分が検索結果に登場する回数なども分かり、回数が少ない時は、プロフィールの内容を見直します。男性の場合、年収や年齢で引っかか
ることが多そうですが、こればかりは仕方ありません。

また、男性の会員は、やはり20代の女性を探す人が多いようです。
若い女性が好きなことと、若い女性とうまくやっていけることは、別問題だと思いますし、年の離れた男性を好きな20代の女性の数は、残
念ながら、限られています。

ある程度の絞り込みまでは、コンピュータで行い、最終的には、人の手でマッチングしているところもあるようです。
「経験則」はコンピュータにもありますが、「勘」というのは、人間にしかありません。条件が合ったからといって、相性が合うとも限り
ませんし、条件が合わなくとも、馬の合夫婦はたくさんいます。

欧米では、自由形式の履歴書が多く、作文のような形で、履歴書が提出されます。
人種や性別で差別してはいけない、という考えもあり、こういった方式になっているようです。
たくさん集まった履歴書を、すべて読むのは大変なので、例えば「エクセルが使える」などと、テキスト検索をかけるだけの、採用システ
ムもあるそうで、驚きです。
せめてGoogleのように、類語検索もしてくれればいいですが、一字一句、同じ言葉にヒットする履歴書を探すだけでは、期待した効果は得
られないでしょう。

高校教師で、テストの採点が面倒くさいからと、生徒の答案を投げ飛ばし、一番近くに落ちたものから高得点を付けると（恐らく冗談でし
ょうが）言っていた人がいました。
近くに落ちたということは、答案が重いということで、つまり、解答がたくさん書かれている、という理屈です。

履歴書に対するテキスト検索は、これと同じくらいの精度ではないでしょうか。

最近の採用システムは、進化していますから、もっと確実で効率的ですが、最終的にはやはり、人の目で見て判断するしかないでしょう。
個人的には、特に、配属先の部署の社員が、面談に加わって欲しいと思います。あるスキルを持っていても、前職では使えたが、自社では
使えない、ということも多々あります。
スキル名に囚われているだけでは、自社で力を発揮できる人材なのか、判断できません。
判断できるのは、実際にそのスキルを求めている、現場の人たちだと思うのです。
また、スキルはあるが嫌味な人と、スキルは足りないが素直な人の二択ならば、前者を選ぶかもしれませんし、後者を選ぶかもしれません。
それも現場の需要次第で、他者には一概に判断できません。

この面談の手間を、少しでも軽くするためには、コンピュータでの判断や絞り込みは、大いに役に立つと思いますが、コンピュータが勝る
分野もあれば、そうでない分野もあり、適材適所ですね。
いずれはコンピュータにも、そういった細かい判断が、できるようになるのではないかと、期待してはいますが。

それでは今日はこの辺で失礼いたします。
次回もお楽しみに