理系学生の希望初任給が急騰-28卒2026年6月調査データ-
本記事は2026年6月に28卒理系学生を対象として実施したアンケート調査からデータをピックアップしたものになります。
調査データは夏季インターンシップの集客や実施内容の検討から採用戦略の計画に役立つ質問を多く掲載しており、本コラムの下記よりダウンロードいただけます。
求める給与水準の増加
28卒理系学生が求める給与水準が昨年同時期の27卒の水準と比較して、圧倒的に増加していることがわかりました。
上記グラフは株式会社テックオーシャンが2026年6月に調査した28卒データと2025年6月に調査した27卒データを比較したものになります。
27卒から28卒にかけてボリュームゾーンの400万円以上500万円未満を希望する学生が減り、一段上の水準である500万円以上600万円未満を希望する学生が大きく増加しています。
特に修士/博士の学生が求める給与水準が高騰しており、500万円以上を求める学生が全体の42%にもなっています。
希望初任給が高騰する要因
これにはいくつかの要因が考えられます。
・インフレの影響
インフレにより給与水準自体が上がっていることもありますが、学生の初任給希望額の高騰を映す要素を掘り下げると物価高による経済的不安が挙げられます。
特に都内では家賃相場の高騰が続き、生活を圧迫する要因のひとつとなっています。
これら経済的な不安が学生の希望給与水準を底上げしていると考えられます。
・先輩から高い給料の話を聞いている(ジョブ型採用の影響)
人材獲得競争の中で、近年ではジョブ型採用などで特に優秀な学生への提示金額がフレキシブルになっています。
そのような採用環境で、高い給料を提示されやすいのが専門的な能力を持つ理系学生です。研究室の先輩やOBから個別に提示された高額な初任給を聞いて、希望する金額の上限値が引き上がっている可能性があります。
希望金額はまだ上がる可能性も、、、
例年この数値は内定承諾期(12月~翌3月)にかけて上昇していく傾向にあります。
そのため、最終的に希望年収500万円以上を求める学生は全体の50%以上になる可能性もあります。
高い初任給で能力のある学生が囲い込まれることは事実ではありますし、高い給料を提示する企業と比較してあまりに大きな差が開いてしまうとその時点で比較対象から外れてしまうこともあります。
そのような市場情勢から考えると初任給の引き上げは避け難いものと考えられます。
初任給引き上げの注意点
では、高い給料が出せれば良いのでしょうかと言われると必ずしもそうとは言えません。
高い給料を出すということは、その分条件面で動く層が増えることになります。
条件面で動く層は自社よりも良い条件が提示された場合に、そちらに傾きやすいということです。
また、初任給を高く設定すると賃金カーブの歪みにもつながり、入社後に給料が停滞することで早期離職につながりやすくなってしまいます。
そのため、初任給の引き上げは採用競合企業水準を見つつ、入社後のモチベーション維持も考えながら決める必要があります。
給料を上げられないなら安心感を
ここまで初任給の引き上げについて書いてきましたが、実情としてすぐに初任給の引き上げは難しいという企業が大半だと思います。
その場合、給料以外の面で学生に安心感を持たせる訴求を行いましょう。
高い初任給を求める背景として、インフレとそれに伴う経済的不安を挙げましたが、この不安を解消する方法は給料の引き上げだけではありません。
例えば、家賃補助制度や奨学金変換支援制度など福利厚生によって経済的な負担を抑える方法もあります。
給料においても、初任給の開示だけでなく3年後5年後とキャリアに基づいた給料水準を見せることで、将来的な不安を払拭することもできます。
また、経済的な不安に対する直接的なアプローチではないものの、勤務地や職場環境を確定させ学生に労働環境と生活環境を見せておくことも安心感につながります。
給料を上げても上げなくても学生に訴求すべきもの
最後に、初任給を上げても上げなくても学生に訴求するものは、社風や企業文化といった定性的なものが推奨されます。
企業が新卒採用を行う理由は、優秀な人材を引き入れるというものもありますが、大部分は企業文化の醸成にあると思います。
その観点から見ると、本来採用すべき新卒というのは、企業のVMVに共感し企業文化醸成に貢献する人材が望ましいです。
入社してから長く続けてバリューを発揮してもらうためには、他社に左右される外発的動機よりもこの会社だからこその内発的動機を満たす方が効果的ということです。
新卒採用において取るべき対応はこの賃上げ競争に振り回されず、自社が採用すべき人材像にこだわることではないでしょうか。
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このコラムを書いたプロフェッショナル
鈴木 一歩
株式会社テックオーシャン 市場開発部 マーケティングチーム
理系新卒採用に特化したテックオーシャンならではのデータや情報を発信していきます。
鈴木 一歩
株式会社テックオーシャン 市場開発部 マーケティングチーム
理系新卒採用に特化したテックオーシャンならではのデータや情報を発信していきます。
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| 得意分野 | 人材採用、ロジカルシンキング・課題解決 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 所在地 | 東京都千代田区永田町 |
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