職場の「パワーハラスメント」の実態について 職場でパワハラを受けたことがある人は66.6%
総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は、全国のビジネスパーソン449人(20代~40代・男女)に、職場でパワハラがどの程度蔓延しているのか、職場のパワハラ防止策は進んでいるのか、職場の「パワーハラスメント」の実態についてのアンケート調査を行いました。
■【パワハラの実態】 7割弱の人がパワハラ被害者 パワハラは未だ根強く
2020年6月1日から「パワハラ防止関連法」が施行され、大企業でパワハラ防止策が義務化されたが、この4月からは中小企業にも防止措置が義務付けられる。
まず、今回の調査対象者449人に現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でパワハラを受けたことがあるか聞いたところ、半数を大きく超える66.6%の人が「受けたことがある」と回答。パワハラはまだまだ根絶していないことが読み取れる結果となった。
■【パワハラの対処法】 1位は転職・退職 2位は誰にも相談せずに我慢 職場を頼れず泣き寝入りの現状
パワハラを受けたと回答した人299人に、パワハラを受けたときにどうしたか聞いたところ、72.9%の人が「転職・退職を考えた(転職・退職をした)」と回答した。続いて「誰にも相談せず我慢した」(36.8%)という回答も多く、職場内の解決が望めず泣き寝入りする人が多いことがわかった。「上司に相談」が20.1%、「職場の相談窓口(部署)に相談」が13.0%という結果からも、社内を頼れる人が少ないことがうかがえる。
■【パワハラの被害例】 1位は暴言・侮辱など言葉による「精神的な攻撃」
パワハラを受けたと回答した人299人に、具体的にどんなパワハラを受けたか聞いたところ、「暴言・侮辱(言葉の攻撃)」が最も多い74.2%に及ぶ結果となった。また、「過剰な業務・過酷な業務の強制」(45.8%)、「能力を過小評価する・成果を認めない」(45.2%)も上位に挙がりました。過度に業務をさせる一方で、「業務をさせない・あたえない」も22.4%と少なくない結果となっている。業務をスムーズに遂行できる環境を与えられないことや、能力や実績が正しく評価されないことなどは、昇給や昇進などのキャリア形成にも大きく影響するため会社員にとっては死活問題であり、陰湿なパワハラの実態を映し出す結果となった。
■【職場のパワハラの防止策】 対策を実施している会社はたった3割
調査対象者全員に現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でパワハラ防止に関する取り組みが行われているか聞いたところ、「取り組んでいる」と回答した人はわずか35.0%だった。「パワハラ防止関連法」の施行から約2年が経過したにも関わらず、会社の防止対策は進んでいないことがわかった。
■【職場のパワハラ防止策の満足度】 6割以上が不満足 対策の形骸化を嘆く人多数
勤務先でパワハラ防止に「取り組んでいる」と回答した人157人に、取り組みに満足しているか聞いたところ、「まったく満足していない」と答えた人が25.5%、「あまり満足していない」と答えた人が35.7%となり、61.2%もの人が不満を抱えていることがわかった。
満足していない理由を聞いたところ、「通報後の措置が不十分だった」など対策の実効性の無さを嘆く意見が大半を占めた。また、「誰が何を相談したかが噂になっていた」など相談できたとしても匿名性が保たれていない会社もあった。さらに、「パワハラしている本人が教育を実施している」など対策が意味を成さないことを指摘する人もいた。
一方、満足している人に理由を聞いたところ、ほとんどの人が「効果的にパワハラを抑止しているから」など、パワハラが起きていないことを挙げていた。対策をしていたとしても、ほとんどの会社が形骸化していて根本的なパワハラ防止に繋がっておらず、社員が不満を抱える結果となっていることがわかった。
■【パワハラ防止策の希望】 立場に忖度することなく処罰の厳格化や明確化を希望する声多数
勤務先でパワハラ防止に「取り組んでいない」と回答した人292人に、どんな対策をしてほしいか希望を聞いたところ、相談窓口の設置や、パワハラが起こりにくい風通しの良い職場環境づくりなどの意見が挙がった一方で、パワハラに対する罰則の厳格化や明確化、人事異動など、直接的な対策の実施を希望する声が多数挙がった。 「当事者だけでなく管理者も責任を負う。当事者が経営者や役員であっても罰則を適用される仕組みや機関がほしい」など、忖度なしでしっかりと処罰されるべきだという声も散見され、管理職や一定の役職についている人がパワハラの加害者となるケースが多いことが、防止策を進める上での課題となっていることも垣間見られる結果となった。
■【パワハラ防止措置の期待度】 7割以上がパワハラ防止措置義務化に期待できず
では、2022年4月からは中小企業にもパワハラ防止措置が義務付けられることで事態は好転するのか、調査対象者全員に中小企業のパワハラ防止措置義務化により、どの程度パワハラが改善されると思うか聞いたところ、「まったく改善されないと思う」と答えた人が25.2%、「あまり改善されないと思う」と答えた人が49.9%となり、75.1%もの人が期待していないことがわかった。
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(株式会社ワークポート / 3月17日発表・同社プレスリリースより転載)