日本のHRリーダーの半数が、人事部門がデジタル化への転換期を迎えていることを認識。一方、「デジタル化の計画がある」との回答は24%にとどまる~『KPMGグローバルHRサーベイ』日本語版を刊行
KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮原 正弘、以下:KPMGコンサルティング)は、日本を含む世界64ヵ国の企業の人事部門のリーダー(以下、HRリーダー)約1,200名を対象に実施した意識調査の結果をまとめたレポート「KPMGグローバルHRサーベイ 人事部門の未来:先駆者か、それとも傍観者か」の日本語版を刊行しました。
今回の調査からは、HR領域を含む様々な領域でデジタル化が進展するなか、インテリジェント・プロセス・オートメーションや人工知能(AI)に代表されるテクノロジーを活用した新たな試みに積極的に取り組む先進的なHRリーダーが多く存在する一方で、それ以上にデジタルトランスフォーメーションを推進せずに成り行きを傍観するHRリーダーが存在しており、デジタル化へのHRリーダーの対応が二極化していることが明らかになりました。
グローバル全体で約3分の2のHRリーダーが、人事部門がデジタル化への転換期を迎えていることを認識しています。一方で、「デジタル化の計画がある」との回答は、グローバル全体でも半数以下の40%にとどまり、日本のHRリーダーに限っては24%という結果になりました。グローバル全体で10人に4人のHRリーダーが「職場の文化」がデジタル変革の最大の壁であるとしています。
また、AIに関する項目では、人事部門へのAIの導入を既に進めているHRリーダーはグローバル全体で36%にとどまり、半数のHRリーダーは「今後1~2年にAIを導入するかは不透明」あるいは「AIと機械学習への戦略的な対応が整っていない」と回答しており、先進的なHRリーダーたちがAIや機械学習がもたらす効果や価値を認識し取り組みを進めるなか、多くのHRリーダーが対応できていない状況が明らかになりました。
■グローバルの主な調査結果
- HRリーダーの67%が「人事部門がデジタル化への転換期を迎えている」と回答する一方で、「デジタル化の計画がある」と回答するHRリーダーは40%にとどまる。
- HRリーダーの70%が「人事部門の要員の変革の必要性がある」と回答する一方で、「自社の要員を変革する能力と人材に自信がある」とするHRリーダーは37%にとどまる。
- HRリーダーの42%は、今後5年間にAIに対応する体制を整えることは人事部門の最大の挑戦の1つと回答。
- HRリーダーの41%は「職場文化」がデジタル変革の最大の壁であるとし、また、35%のHRリーダーが現在の職場文化は革新的というよりも職務指向であると回答。
日本語版レポートでは、グローバル全体の調査とは別に、日本のHRリーダーの回答を基に、「人事部門に求められる『価値の提案』とそこにある課題」「EE(従業員エンゲージメント)とEVP(従業員価値提案)にみる『価値』の多様化」「変化ではなく進化する」「人事部門の未来」の4つの項目について、KPMGコンサルティング独自の視点からの考察を交えて解説しています。
■日本のHRリーダーの主な調査結果
- HRリーダーの73%が「人事部門が組織の戦略的な役割を担っている、または今後担っていく」と認識。
- 半数のHRリーダーが、人事部門がデジタル化への転換期を迎えていることを認識。一方、「デジタル化の計画がある」との回答は24%にとどまる。
- HRリーダーの45%が人事部門に期待される役割として「人材の惹きつけ」と回答。一方、その役割を実行するために必要な「従業員価値提案(EVP)」という考え方は浸透しておらず、「EVPが有効である」との回答は15%にとどまる。
詳細はこちら:人事部門の未来:先駆者か、それとも傍観者か デジタル時代に二極化する人事部門
■「KPMGグローバルHRサーベイ 人事部門の未来:先駆者か、それとも傍観者か」について
本調査は、世界64ヵ国、1,201名の人事部門のリーダー層を対象に、2018年7月から8月にかけて実施しました。回答企業は、半数近くが5,000名以上の従業員を有する企業であり、うち42%は収益規模が10億米ドル以上となっています。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(KPMGコンサルティング株式会社 https://home.kpmg/jp/ja/home.html /5月16日発表・同社プレスリリースより転載)