風疹流行さらに拡大 ワクチン接種が必要な世代は?
首都圏を中心に、風疹患者が増加している。国立感染症研究所の発表によると、今年に入ってから今月14日までの時点で、累計患者数は1289人にのぼった。2017年の年間患者数93人を大きく上回り、新たな患者が100人を超えるのは6週連続となる。
流行拡大を受け、ロート製薬株式会社では、全従業員1,700名を対象に風疹ワクチンの予防接種を無料化することを発表。社員の健康を守るだけでなく、社員が発症することによる周囲への感染拡大を防ぐことを、会社を上げて取り組むべき課題とした。
日本における風疹ワクチンの予防接種の実施状況は、年齢によって大きく異なる。子供のころ、定期予防接種の対象ではなく1度も接種していなかったり、対象であっても予防接種を受けておらず抗体がなかったりする人も多いためだ。特に昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性は、集団予防接種の対象外だったため、免疫保有率が低いといわれている。また、昭和54年4月1日から昭和62年10月1日生まれの人は、学校での集団接種ではなく個別に医療機関に出向いて受けることになっていたことから、男女ともに接種率が激減したといわれている。さらに、接種率は比較的高いものの、受けていない人や抗体が不十分であるとして、昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの人も、男女ともに確認が必要といわれているという(ロート製薬株式会社 プレスリリースより)。
風疹は妊娠初期に妊婦が感染した場合には、胎児に影響を及ぼす危険性があることでも知られる。感染拡大を食い止めるためにも、企業には抗体を持たない可能性のある従業員に対して、ワクチンの予防接種を呼びかけることが求められるだろう。
(『日本の人事部』編集部)