介護人材の不足感は4年連続増加。不足している理由は「採用が困難である」が88.5%、採用が困難である原因は「同業他社との人材獲得競争が厳しい」が56.9%~平成29年度「介護労働実態調査」結果:介護労働安定センター
公益財団法人介護労働安定センターでは、平成29年度に実施した「事業所における介護労働実態調査」、「介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果を以下のとおり取りまとめました。
結果は、当センターのホームページに掲載します。
【調査結果のポイント(一部抜粋)】 ※( )内は前年度数値
■事業所における介護労働実態調査■
1.従業員の過不足状況
(1)介護サービスに従事する従業員の不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は66.6%(62.6%)であり、「適当」は33.0%(37.0%)であった。平成25年以降、4年連続して不足感が増加している。
(2)「不足している理由」は「採用が困難である」88.5%(73.1%)であった。一方、「離職率が高い」は18.4%(15.3%)と低かった。
(3)「採用が困難である原因」は「同業他社との人材獲得競争が厳しい」56.9%であった。
2.採用率・離職率
2職種合計(訪問介護員、介護職員)の1年間(平成28年10月1日から平成29年 9月30日まで)の採用率は17.8%(19.4%)、離職率は16.2%(16.7%)であった。
3.介護の仕事をしている外国人労働者
「いない」91.4%、「いる」5.4%であり、今後の活用について「予定がある」が15.9%であった。そのうち「技能実習生」としての受け入れを考えている事業所は51.9%であり、「予定がある」中の半数を超えている。
4.過去3年間での介護を理由にした退職
「介護を理由に退職した従業員はいなかった」63.7%(65.0%)、「介護を理由に退職した従業員がいた」25.4%(23.4%)であり、約4分の1の介護事業所において、介護離職者が存在している。
また、介護離職防止のための取組み(両立支援のための取組み)では、「介護休業や介護休暇を就業規則に定めている」事業所は66.1%、次いで「介護の課題に直面した従業員からの相談窓口を設けている」事業所が35.5%であった。
5.賃金・賞与
労働者の所定内賃金(月給の者)は平均227,275円(224,848円)であり、賞与は平均572,079円であった。
<調査の概要>
■ 調査対象
「事業所における介護労働実態調査」は全国の介護保険サービスを実施する事業所から無作為抽出した17,638事業所を対象にアンケート調査を実施した。
有効回答は8,782事業所であった。(有効回収率は49.8%)。
「介護労働者の就業実態と就業意識調査」は上記の事業所の中で、1事業所あたり介護にかかわる労働者3人を上限に選出した52,914人に対し、調査票を配布してアンケート調査を実施した。
有効回答のあったのは21,250人であった。(有効回収率40.2%)。
■ 調査対象期日:原則として平成29年10月1日現在。
■ 調査実施期間:平成29年10月1日~10月31日。
■ 調査方法:自計式郵送方法による。
【調査の要約(公表資料など)】
・平成29年度介護労働実態調査結果について(pdf)
・本調査の用語、調査結果利用上の注意(pdf)
・図表解説 介護労働の現状について(pdf)
<お問い合わせ先>
公益財団法人 介護労働安定センター
業務部 雇用管理課
杉元、門馬、小笠原
TEL 03-5901-3041(代表)
050-3535-9460、9565、9452(直通)
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(公益財団法人 介護労働安定センター http://www.kaigo-center.or.jp/ /8月3日発表・同法人プレスリリースより転載)