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ニュース
人事サービス その他人事サービス
掲載日:2007/12/17

ベリングポイント、独立行政法人の人事施策に関する調査発表

ビジネスコンサルティング大手のベリングポイント(東京都千代田区、内田士郎・社長)はこのたび、独立行政法人の人事施策の取り組み状況調査の結果を発表いたします。

調査の結果、中期計画や行政評価と目標管理や評価など人事施策との連動が困難と感じている法人が多いことが分かりました。目標管理を導入した法人では業務改善に一定の効果を得ているが、役員に対して目標管理を導入している法人は未だ少なく、今後は役員を含めた人材マネジメント改革が求められます。

調査結果の概要は以下の通りです。
1.役員に明確な責任を求めた法人では業務効率化が進行
役員層に目標管理を導入した法人では、無駄な経費の削減、提供している行政サービスに対する満足度、意思決定のスピード、組織内の業務品質、職員のモチベーションに良い影響を与えている。一方、その役員層の養成のための教育を行なっている法人は調査対象ではゼロであった。

現状では、役員のリーダーシップが十分に発揮されず、法人の理念や経営方針が不明確なままのため、中期(年度)計画に記述される施策が時勢に応じるものだけで構成されがちである。また、定期的な人事異動の影響もあり、計画の策定から評価に至るプロセスに、役員と現場の管理職がコミットしていないことも多い。行政評価と役員の評価を連動させるなど、役員の経営へのコミットメントを促す仕掛けを講じることが求められる。更に、役員の意識を変えていく、或いは将来の役員を育てていく教育が今後は必要である。

2.中期計画と人事施策の連動は困難
中期(年度)計画と人事施策との連動に関しては、「計画を具体策に落とし込むことが困難」(40.9%)という回答が最も多い。

中期計画を人事施策に連動させる際の代表的手段は目標管理制度であり、役員のみならず管理職から一般職員まで幅広く導入されつつある。しかし、未だ中期(年度)計画の文言を書き直しただけ、或いは職務分掌を転記しているだけの目標設定をしている管理職が多いのが現状だ。自らの担当職務を改善するために何をすべきかを、自ら考え改善を続ける人材をいかに増やしていくのかが、今後の課題である。そのためにも、目標設定段階での徹底した議論の実施と、そこで生まれた現場の問題認識を中期(年度)計画に反映できる制度設計が必要である。所轄省庁と協働した取組みが必要だ。

3.最適人員配置のために総額人件費の管理が求められる
報酬に関する課題を挙げてもらったところ、「特になし」が最も多い(40.9%)ものの、責任の大きさや実績に応じた報酬ルールが確立されていない(27.3%)、人件費予算の配分ルールが不明(13.6%)という回答が上位であった。また、採用については「採用可能枠の不足」(27.3%)を理由に挙げる法人が最も多かった。

多くの法人では、現場が人手不足を訴えているのに、採用可能枠を理由に採用を抑制しているのが現状である。独立行政法人では、階層別の定員数での議論しかできず総額人件費の管理ができていない。総額人件費を考えた上で、職務や役割に応じたメリハリのある報酬分配を行い、組織全体の最適な配置計画を作れるようにすべきである。

4.民間と同様に人材の育成強化と職員のモチベーション向上が課題 〜より実践的な教育を〜
組織・人事に関する課題として、「人材の育成強化」(81.8%)と「職員のモチベーション向上」(72.7%)が上位を占めた。近年、民間企業の経営においても「人材育成」が重要な経営課題として取り上げられているが、独立行政法人においても「人材の育成強化」は重要な課題と言える。

人材の育成強化や職員のモチベーション向上に関しては、一般的な研修の導入や職員意識調査の実施などに留まっているのが現状であり、抜本的な解決策となっていない。より実務的・実践的な教育研修を法人内で独自に企画し実行できる機能が求められている。

調査に関するコメント
今回の調査を受け、ベリングポイント組織・人事戦略チームの吉田健之マネージングディレクター兼執行役員は、以下のように述べています。

「改革が推進され、経済的に自立することが求められている独立行政法人ですが、反面、国民の生活を守る役割が課せられており、合理化の傍ら仕事の品質が低下するジレンマに直面しています。改革が進まない原因は二つあります。

一つは、役員のコミットメントの不足です。管理職を中心に導入されてきた目標管理も今では一般職員にも浸透しつつあります。いま求められているのは、法人自体の業務実績の評価と法人の役職員の目標管理・人事評価との連動です。そのためには、まず始めに役員が目標達成にコミットしなければなりません。

二つ目の原因は所管省庁との間の人事異動です。独立行政法人の多くは、中央と同様に2年周期で人員が入れ替わります。管理職を中心に異動する為、5年の中期計画の途中で責任者が異動となり、計画の実行がおざなりになってしまう事があります。また、コスト削減のため、多くの法人において、実働は派遣社員や嘱託職員に依存しており、長く深く業務を見られる人間が居ないことが、人員の育成課題として調査結果にも出ているのだと読み取れます。こうした観点から、改革実行に際して外部専門家の採用や外部委託もIT領域などで特に盛んです。今後は人材マネジメントの分野においても同様の動きが求められるのではないでしょうか。」

※ 調査の詳細は、同社HPまで。
(ベリングポイント http://www.bearingpoint.co.jp /同社プレスリリースより抜粋・12月17日)

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