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労働基準法の40年ぶりとなる大改正に向けて、株式会社チームスピリットは2026年6月22日に「TeamSpirit ONE」を開催した。同社の道下和良氏、白須礎成氏をはじめ、iU組織研究機構の松井勇策氏、カゴメ株式会社の中里一路氏が登壇。多様な働き方を背景とした自律型組織への転換や、新製品「TeamSpirit AI シフトエージェント」によるAI労務管理の未来が提示された。さらに、株式会社白組の鈴木勝氏、株式会社バレッグスの太田諒氏、Wake Consulting合同会社の南和気氏らが、現場の価値向上や次世代の人事戦略について議論。法改正を目前に控え、企業はいかにして未来を切り開くべきか。大きな示唆に富んだ当日の模様をレポートする。

Keynote

労働基準法改正の核心

ー「多様な働き方の整備」から「自律型組織」の確立へ。カゴメが挑み続ける、生産性向上の終わりなきアップデートー

中里 一路 氏(カゴメ株式会社 人事総務本部 人事部 人事管理グループ 課長)
松井 勇策 氏(産学連携シンクタンクiU組織研究機構 代表理事・社労士)
道下 和良 氏(株式会社チームスピリット 代表取締役 CEO)

Keynoteのセッションでは、労働基準法の改正を「単なる規制」で終わらせず、「組織の成長を加速させる戦略」へと昇華するためのヒントが提示された。社労士の松井氏が法改正の最新動向を解説し、続いてカゴメの中里氏から同社の事例を紹介した。カゴメでは、フレックスタイム、テレワーク、副業の解禁など、多角的な「働き方の選択肢」を拡充。システムによる時間の可視化を起点に、「自律型組織」への転換を目指している。7年間の実践を経て、カゴメがどのように変化しているのか、ひも解かれた。

労働基準法改正と働き方の変革

まず、株式会社チームスピリット代表取締役CEOの道下和良氏が登壇。過去40年の日本の労働環境を振り返り、労働時間が大幅に減少した一方で、実質賃金はほぼ横ばいである実態を示した。これまでは経済的に報われない生産性の改善が続いたが、これからは事業成長を伴う生産性向上と賃金上昇の連動が不可欠である。さらに、2040年に向けた労働需給ギャップの予測を踏まえ、AI活用やリスキリングによる労働の質的改善が前提となる時代が到来する。

「全世代が活躍するために、柔軟で自律的な労働環境が求められています。この変革の節目において、40年ぶりの大改正となる労働基準法の見直しが議論されています」

続いて登壇した産学連携シンクタンクiU組織研究機構代表理事・社会保険労務士の松井勇策氏は、過去10年の雇用政策が、一律の雇用管理から多様で自律的な働き方へとシフトした理由を解説。法改正は単なる取り締まりではなく、企業への本質的な問いかけであると語った。

「雇用政策や法改正は、『規制的な性質』だけではありません。多様な人材の価値を最大限に引き出すために、『働き方をどうデザインするか』という問いかけであり、企業が飛躍するための翼になり得るものです」

企業には、単にルールを守る防衛的な姿勢から脱却し、自社の働き方を戦略的に構想することが求められる。

写真 株式会社チームスピリット 道下氏、iU組織研究機構代表理事・社会保険労務士 松井氏

株式会社チームスピリット 道下氏、iU組織研究機構代表理事・社会保険労務士 松井氏

カゴメ株式会社における「自律と選択肢」の推進

法改正を自社の制度設計にどう落とし込むのか。カゴメ株式会社の人事総務本部 人事部 人事管理グループ 課長の中里一路氏が、働きやすい環境づくりを推進してきた実践を語った。同社は「自然を、おいしく、楽しく。」という企業理念のもと、経営戦略と連動した人材戦略を展開。単なる労働時間の削減ではなく、社員一人ひとりが自律的にキャリアを築き、会社と共に成長する風土の醸成を目指してきた。

「働きやすい環境とは、楽に働けることを指すわけではありません。ライフステージの変化に応じた働き方の選択肢があることで、キャリアを途絶えさせずに自己成長につなげられる。そんな自律を支える動きが大切です」

同社では、コアタイムのないフレックスタイム制や週1回の出社を基本とするハイブリッド型テレワーク、働く地域を柔軟に選択できる地域カード制度、社外での学びを還元する副業制度など、多様な選択肢を用意している。重要なのは、「アウトプットの最大化」を軸に置いている点である。

写真  株式会社チームスピリット道下氏、カゴメ株式会社 中里氏

株式会社チームスピリット道下氏、カゴメ株式会社 中里氏

IT・AIを活用した働き方のアップデート

多様な働き方が広がるにつれ、労務管理は必然的に複雑化する。再び登場した松井氏は、この複雑さを乗り越え、戦略的な人事施策を実行するためには、意味のあるデータの蓄積とAIによる支援が不可欠であると説く。全社一律の管理から個別の自律的な運用へと移行する中、客観的な事実に基づいた意思決定が企業の競争力を左右する。中里氏は、カゴメにおけるシステム導入の成果を振り返る。

「システムの導入によって労働時間が可視化され、客観的な事実に基づいた議論ができるようになりました。質の高い判断や付加価値創造につなげるためには、正確なデータを共有し、最新のテクノロジーを活用することが重要だと実感しています」

現場の課題に対して、道下氏は、AIを含めた新しいチームの在り方を提示した。AIは、単なる勤怠管理や長時間労働の抑止にとどまらず、心身のコンディション、工数データ、タレントマネジメントを統合し、データに基づく組織強化を実現する。

「AIは単なる便利なツールを超え、業務を代行し、人と協働するチームメイトになりました。働く人とAIの協働を最大化し、チームの成功を支えるプラットフォームを提供していきます」

法改正によるコンプライアンスの厳格化をクリアしつつ、多様な人材の価値を引き出す。その土台となるのが、データを起点とした戦略とAIの活用である。

講演スライド チームスピリットが目指す未来と提供価値

〈画像はクリックで拡大できます〉

Product Session

AIで「働く」を変える

―個人の力を引き出し、チームで成長し続けるための実践プラットフォームとは―

白須 礎成氏(株式会社チームスピリット Team Success Platform統括事業本部 統括事業本部長)
鈴木 勝 氏(株式会社白組 企画制作本部 Solution Expert)
太田 諒 氏(株式会社バレッグス 執行役員 経営企画室長 兼 新規事業開発室長)

Product Sessionでは、改正労基法の新時代の働き方と組織を支えるべく拡充と進化を続ける「Team Success Platform」の全貌が語られた。同サービスには、勤怠・工数管理・経費精算に加え、労務管理・安否確認・パルスサーベイやタレントマネジメントなどが実装されている。実機でのデモンストレーションやゲストパネリストとのパネルディスカッションを交えながら、データ活用と未来の働き方について議論された。

AI活用の背景と「データ活用の三つの壁」

労働人口の減少という避けられない社会課題に直面する中、企業には一人ひとりの生産性を高め、これまで以上の業務成果を創出することが強く求められている。この課題に対する鍵となるのがAIの拡張である。株式会社チームスピリット執行役員Team Success Platform事業統括本部長の白須礎成氏は、社員やチームの成長を通じて、顧客の事業成長に貢献する「プラットフォームの必要性」を語った。その前提として、企業が抱えるデータ活用の実態に目を向ける必要があるという。

「100人いる部下の勤怠やメンタルコンディション、エンゲージメントの情報を統合して、今一番フォーカスすべき人は誰か。あるいは新規プロジェクトを立ち上げる際、過去の経験や将来の希望を含めて最適な人材を探したい――。現場からのリクエストに即座に答えることは、多くの企業にとって非常に困難なはずです」

企業内には多種多様なシステムが存在し、膨大なデータが蓄積されているにもかかわらず、それが十分に活用されていない現状がある。白須氏は、その要因として「データ活用の三つの壁」を提示した。

写真 株式会社チームスピリット 白須氏

株式会社チームスピリット 白須氏

第一の壁は「取得の壁」である。部署ごとに管理システムが異なり、権限やセキュリティ基準もバラバラな状態では、データを統合すること自体が難しい。第二の壁は「抽出の壁」である。データを取得できたとしても、その膨大な情報の中から、何を目的にどのデータを使えばよいのかを特定することは容易ではない。第三の壁は「分析の壁」である。データを抽出できても、ビジネスのインサイトに変換するためには高度なスキルと時間を要する。

「現場の方々が本当にやりたいのは、データに基づくインサイトから判断を下し、意思決定をして改善することであり、分析作業そのものがしたいわけではありません。分析に多大な能力と時間をかけられない現場に対して、意思決定の武器を届ける必要があります」

壁を乗り越えるためには、組織を横断してデータを一元管理する統合プラットフォームの構築が欠かせない。さらに、データの定義や抽出ルールを明文化したメタデータを整備し、AIがそれを参照して自動でインサイトを導き出す仕組みを取り入れることで、高度なデータ活用が実現する。

AIを社内に定着させる三つのポイント

生成AIの進化は目覚ましく、ビジネスシーンへの浸透も急速に進んでいる。しかし、企業間や同じ企業内でも、AIを活用して成果を出している層とそうでない層の格差が広がりつつある。白須氏は、AIを組織に定着させるためのポイントを三つ提示した。

一つ目は「業務に組み込むこと」。AIの活用を個人の裁量に委ねるだけでは、組織全体の底上げにはつながらない。既存の業務フローの中にAIを自然な形で組み込み、ユーザー体験やインターフェースを統合することによって、誰もが日常的に恩恵を受けられる仕組みを構築する必要がある。

二つ目は「利用者に依存しないこと」。プロンプトエンジニアリングのスキルを持つ特定の個人だけが高い成果を出す状態は、組織としてのスケールを阻害する。AIに対する的確な指示の出し方やベストプラクティスをナレッジとして標準化し、社内で共有していくことが重要となる。

三つ目は「小さく始めること」。最初から全社的な大規模プロジェクトを立ち上げるのではなく、業務負荷が高く効果を実感しやすい特定の領域から着手する。

「まずは特定の領域で小さな成功体験を積み重ねていくことが重要です。成果を出し、取り組みを広げていくことで、組織全体におけるAI活用の知見やケイパビリティが確実に上がっていきます」

デモンストレーション

白須氏は、実際にAIを業務に組み込んだ具体的な例として、デモンストレーションを行った。最初のステップとして紹介されたのは、経費精算とシフト作成に関するAIプロダクトである。

経費精算業務は、申請者にとってもチェックを担う財務経理部門にとっても、煩雑で負荷の高い作業である。デモでは、東京から新大阪までの新幹線移動の申請で、誤って豆腐や納豆の購入レシートを添付し、さらに画像が見切れているという極端な不備データが入力された。これに対し、AIは申請内容と添付画像を自動で照合し、日付や金額の不一致、領収書の不備を自動的に検知。修正すべき具体的な理由を添えて、申請者に自動で差し戻しを行う。これにより、財務経理部門はAIをすり抜けた例外的な確認事項のみに集中できるようになる。

続いて、飲食業や小売業において課題となるシフト作成業務支援のAIプロダクトが紹介された。パートやアルバイトなど多様なスタッフの希望、保有資格の有無、労働基準法に基づく連勤制限やインターバル規制など、シフト作成時に考慮すべき条件は複雑を極める。現在でも、店舗の管理者が手書きの表を確認しながら、パズルを解くように作成されている。しかし、「TeamSpirit AIシフトエージェント」を使えば、膨大で複雑な条件を網羅し、コンプライアンスを遵守した最適なシフトを自動で生成できる。

講演スライド TeamSprit AI シフトエージェント

〈画像はクリックで拡大できます〉

「守らなければならない法的要件をクリアしつつ、店舗独自のローカルルールも日本語の指示で簡単に設定できます。管理者はゼロからシフトを組み立てる苦労から解放され、より付加価値の高い店舗運営やスタッフとのコミュニケーションに時間を割けるようになります」

次のステップとして、複数のプロダクトとデータを組み合わせた、複合的なデータ活用のデモンストレーションが行われた。

一つ目は「異常検知エージェント」である。Slack上でプロンプトを実行すると、チームスピリット内に蓄積された勤怠データやパルスサーベイの回答結果をAIが横断的に検索する。そして、残業時間が急増している社員や、メンタルコンディションが低下している社員をリストアップし、要因の推測とともにレポートとして提示。毎週決まった曜日に、マネジャーへプッシュ通知を送るように設定できる。

「能動的にデータを探しにいくのではなく、AIによって提示されたインサイトに対して、可能な限りリアルタイムにアクションを起こしていく。それこそがマネジメントの本来の役割です」

二つ目は「人材アサインメントエージェント」である。新規プロジェクトの要件や求めるスキルをSlack上でAIに伝えると、入社前の経歴や現在のスキル、1on1面談で確認されている今後のキャリア希望などを総合的に分析し、最適な候補者をマッチ度順に提案。現在の業務負荷状況まで加味されるため、直感や限られた人間関係に依存しない、データに基づく適材適所の人材配置が実現するのである。

ディスカッション

セッションの後半では、株式会社白組の鈴木勝氏と株式会社バレッグスの太田諒氏を交えたパネルディスカッションが行われた。テーマは、「実務担当者がいかにしてAIを活用し、自身の業務価値を高めていくか」である。

写真 株式会社チームスピリット 白須氏 株式会社白組 鈴木氏 株式会社バレッグス 太田氏

株式会社チームスピリット 白須氏、株式会社白組 鈴木氏、株式会社バレッグス 太田氏

太田氏は、正確性が厳しく求められる人事や経理といった管理部門の担当者こそ、実はAIの適性が高いと指摘する。「90点取れて当たり前」とされるプレッシャーの中で、膨大なルールの確認や定型作業をAIに委ねることができれば、インパクトは計り知れない。太田氏は具体的なAIへの指示出しの工夫について、自らの実践を共有する。

「プロンプトを作る時にマークダウン記法を使って条件や背景を構造化して書くだけで、AIによる出力がほぼ狙い通りになるはずです。構造化されていない情報はAIからするとルールがない事実に見えてしまいますが、マークダウンで整理して入力することでAIの解釈のブレや意図しない出力を抑えられるので、正確性が問われる皆さまの業務において非常に使える手法だと思います」

鈴木氏は、かつてチームの状況を把握するために全員の日報を読み込み、手動でコメントを返していた自身の原体験を振り返る。情報のボリュームが爆発的に増加した現代において、同じアプローチは通用しないと語る。

「これから扱う情報量が爆発的に増える中では、AIを単なるツールではなく、アシスタントやパートナーとして扱う必要があります。AIを活用して自分で考えてみる、物事を構造的に捉えてみる。そして対話の機会を増やすことこそが、AI時代に担当者の価値を最大化する鍵になります」

Vision Session

組織に「熱」を取り戻す

―社員の納得感と挑戦を支える、次世代の人事戦略とは―

南 和気氏(Wake Consulting合同会社 代表・立命館大学 経営大学院 客員教授)
道下 和良氏(株式会社チームスピリット 代表取締役 CEO)

Vision Sessionでは、グローバル企業・日本企業の両方で20年以上にわたり人事と経営の要職を担い、「企業を成長させる人事戦略」を実践してきた南氏が登壇。「人事が管理職を巻き込み、評価の真意を部下へ届けるポイント」「組織の隅々まで経営の意志を浸透させるために必要な『現場の納得感』」など次世代の人事戦略に必要な要素について語った。

制度は「導入」するだけでなく「運用ルール」を徹底する

多くの企業が働き方改革の一環としてフルフレックスやリモートワークなど、多様な働き方の選択肢を競うように導入してきた。株式会社チームスピリットの道下氏は、近年の法改正対応や制度拡充の歩みを振り返りながら、制度の「導入」とその「効果」の間にある乖離について問題提起を行った。「法律に対応して選択肢を整えるだけでは、会社が本当に強くなるのは難しいのではないか」という問いに対し、Wake Consulting合同会社代表の南和気氏は次のように応じた。

「フルフレックスやリモートワークなど、各社それぞれ本当に多くの制度を導入しました。社員の選択肢が増え、離職の防止や採用の強化につながった事実はあります。しかし、結果として会社が強くなったか、社員のパフォーマンスやエンゲージメントが劇的に上がったかと問われれば、疑問を抱かざるを得ません。労働基準法に対応していくことは、人事として社員の安全と健康を守るためのディフェンス、つまりセーフティネットとしては極めて重要ですが、それだけで組織に熱量を取り戻すことはできません」

写真 Wake Consulting合同会社代表 南氏

Wake Consulting合同会社代表 南氏

せっかく構築した制度が現場で楽をするためだけに形骸化して使われたり、逆に全く活用されずに放置されたりするケースを防ぐため、南氏は設計以上に「運用の徹底」にリソースを割くべきだと主張する。どんな人に、どんなタイミングで制度を使って欲しいのかを規定するのと同時に、具体的な運用マニュアルを作ることが欠かせない。

「制度改定や法改正のタイミングには、普段は人事と距離を置きたがる現場の社員や管理職が、唯一、人事の言葉に耳を傾けます。この貴重なタイミングで、現場に足を運び、直接メッセージを伝えるなどの労力を惜しんではいけません」

道下氏は、南氏が実際に工場を回り、各現場の肌感覚をつかみながら直接説明を行ってきた実践を振り返り、人事の意図を現場に浸透させるためのアプローチについて次のように語る。

「人事が直接現場に赴き説明を行うような、泥臭いコミュニケーションと運用のディテールに徹底的にこだわり抜く姿勢こそが、制度に魂を吹き込み、現場のリアリティに即した運用を可能にするのだと感じます」

オフェンスの戦略として「評価と処遇」に明確な差をつける

安全を守るディフェンスの仕組みが整った後、次に求められるのは企業の競争力を高めるためのオフェンスの人事戦略である。道下氏は、組織に本当の熱量を取り戻し、事業成長をけん引する組織へと変革するための具体的なアプローチについて深掘りした。南氏は、オフェンスの戦略の核心は「評価と処遇において明確な差をつけることに尽きる」と明言する。

「どこでどのように働いていても構いません。しかし、成果に対しては徹底的にフェアでなければならないのです。成果に明確な違いがあるならば、評価・処遇において、はっきりと差をつける。一律に同じような評価に落ち着く組織では、社員が本気で高いパフォーマンスを目指して頑張り続けることは不可能です」

多くの日本企業で見られる「横並びの評価」からの脱却を促す南氏に対し、道下氏は外資系企業での経験を踏まえ、「外資系企業であれば処遇に大きな差をつける運用の土壌があるが、雇用維持の意識が強い日本企業においては、差をつけるのは非常に難しいのではないか」と投げかけた。

この問いに対し、南氏は日本企業だからこそ場当たり的な解雇ではなく、長期的に人を奮い立たせる「サステナブル(持続可能)な差がつく仕組み」をルールとして構築すべきであると応じた。

「納得感のあるルールに基づいた『差』があることで、初めて社員の気持ちに火がつきます。社員を奮い立たせることこそが、日本企業の人事の難しさであり楽しさなのです」

セッションの様子

日本企業最大の強みである「組織力」で世界と戦う

グローバル市場における競争激化、特に製品力だけで勝ち切ることが困難な時代において、日本企業が勝つためには「人の力」に頼るほかないと南氏は熱弁を振るう。個人の力を前面に出す欧米企業に対し、日本企業の最大の強みは「組織力」にこそある。

「世界各国のビジネスパーソンを比較したとき、個人がもともと持つ能力そのものに大きな差があるとは全く感じません。だからこそ、個人の力を最大限に引き出すことがとても大切ですし、さらに日本企業には、『組織力』という他国には絶対にまねのできない最大の強みがある。圧倒的な組織の強さを発揮できる国は、日本以外にありません」

人の価値をいかに高め、組織としてそれをどううまく束ねて組織力にしていくか。その役割を担う人事の重要性はますます高まっている。道下氏は同じ人事の同志として、またテクノロジーベンダーとして、組織力やチーム力を支えるためのプラットフォームの提供に尽力する決意を述べた。

「私たちチームスピリットは、皆さまが最大限に力を発揮できるように組織力やチーム力を支えたいと考えています。ディフェンスを固めつつ、オフェンスの熱量を吹き込んでいく人事戦略。人事戦略とそれを支えるプラットフォームの両輪が機能することで、企業の持続的な成長につながるのです」

写真 株式会社チームスピリット 道下氏

株式会社チームスピリット 道下氏

参加者の交流の場

各セッションの終了後、「ユーザー会」と「カジュアルネットワーキング」が開催された。ユーザー会はチームスピリットコミュニティチームの司会で幕を開け、「TeamSpirit of the Year」の発表や参加者同士の交流が行われた。代表取締役CEOの道下氏は、コロナ禍以降初となる自社イベントの実現を支えたユーザーへ深い感謝を述べた。当日の運営はすべて社員の手作りで、来場者を「Oneチームスピリット」として迎える熱い想いが込められた。

カジュアルネットワーキングは「役立つ出会い、おいしい発見」をテーマに掲げ、参加者が軽食や飲料を片手に自由に語り合う場となった。他社の担当者と労務管理や組織づくりのヒントを共有し合うなど、新たなつながりが生まれる盛況のうちに、イベントは幕を閉じた。

TeamSpirit 勤怠 TeamSpirit タレントマネジメント TeamSpirit プロジェクト原価管理
会社概要

チームスピリットは、クラウド勤怠管理の先駆者としての知見を礎に、チーム力の最大化の観点から人的資本の生産性向上を実現するSaaS企業です。統合型クラウドサービスTeam Success Platform「TeamSpirit」の提供を通じて、目指す経営戦略に直結した最適な働き方や人材活用、人とAIが協働し、チームの生産性向上や人的資本経営の実現に向けた支援に取り組んでいます。個の成長と組織全体の成果を両立し、企業の持続的な成長に貢献いたします。

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