生成AIが急速に進化し、多くの企業が業務への活用方法を模索しています。しかし、単なる“便利ツール”として導入するだけでは、真の競争力向上にはつながりません。AIを「デジタルワーカー」として捉え、人事戦略に組み込む必要があります。データ整備やジョブ定義の重要性、AI時代に人間に求められる役割の変化など、「AI ready」な組織へと変革するためのポイントについて、ワークデイ株式会社の小今井裕さんとアクセンチュア株式会社の内田典子さんが語り合いました。

- 小今井 裕さん
- ワークデイ株式会社 常務執行役員 テクノロジーコンサルティング担当
バイスプレジデント 兼 CTO (最高技術責任者)
こいまい・ひろし/IT業界で25年以上の経験を持ち、AT&Tやヴイエムウェア執行役員を経て、2024年にワークデイへ入社。2026年2月より現職。日本市場に適した製品戦略の策定と実施を統括し、Workdayソリューションの価値訴求、顧客ニーズに合わせた製品開発やサービス最適化、顧客・パートナーとの関係強化を推進。

- 内田 典子さん
- アクセンチュア株式会社 マネジング・ディレクター ワークデイ・ビジネスグループリード
うちだ・のりこ/日本に本社を置くグローバル企業での人事変革(HR Transformation)を多数推進。特にM&Aによる成長戦略を採用した企業において、Workdayを人財マネジメントのグローバルプラットフォームとして導入し、グローバル統合・グローバル連携を実現。
AIは便利ツールではない。人事戦略に組み込む必要性
小今井:企業がグローバルな競争を勝ち抜くために、AI活用を戦略上どのように位置づけるべきだとお考えでしょうか。
内田:「AIをどのように使うか」という視点よりも、「今後どのような事業を展開し、その事業を成功させるためにどのような体制を整えるべきか」という視点が重要です。そして体制の構築にはAIを使わないという選択肢はありません。これまでは「人」のみで構成してきた人事戦略の中に、AIを組み込んでいく必要があります。
小今井:おっしゃる通り、AIを「デジタルワークフォース」として捉え、AIの活用と人事領域は不可分な関係になったと言えます。まずはどのような事業戦略を立てていくかが問われます。AIを使い始めた企業は増えていますが、ほとんどのケースはまだ便利ツールの域を出ておらず、ビジネスの根幹にAIを組み込む段階には至っていません。AIが業務の効率化だけでなく、本当に生産性の向上につながるのかという点に強い関心が集まっています。重要なのは、企業の競争力を強化するために、AIをどの領域で何のアウトカムを期待して活用するかを明確に定義することです。
大半の企業がAIに投資しているものの、それに見合うROI(投資利益率)を得られていないとも言われています。AI活用のアプローチは、業種によって異なります。テクノロジー企業であればAIを用いて新たなビジネスを創出しやすいでしょう。一方、製造業や流通業では安全性の向上や業務の迅速化といった効率化から始まります。
内田:やはり日本より海外の方が先進的な企業が多いのでしょうか。
小今井:まず一歩引いて人事変革の観点でお話ししますと、私たちが日本企業を対象に行った調査では、人事変革を推進している企業は50%近くありましたが、成果を感じている企業は約14%にとどまりました。成果が出ていない企業では、リーダーシップや専門人材の不足、個別最適化の傾向が阻害要因になっているようです。
それぞれの企業の成熟度を「JTC(Japanese Traditional Company)」「脱JTC」「ワールドクラス」に分類したところ、全体の70%を占める「JTC」のうち、成果を実感しているのはわずか4%でした。さまざまな変革に着手している「脱JTC」でも、36%しか成果を実感していません。一方、グローバルの先進企業と同等の取り組みを展開している「ワールドクラス」では、70%が成果を出していました。ワールドクラスにまで成熟した企業は全体の10%程度でした。それら企業が「ワールドクラス」の先の、人とデジタルが融合した「AI-ready」に向けて走り出していると言えるでしょう。
【INDEX】
- AIは便利ツールではない。人事戦略に組み込む必要性
- 「AI ready」な組織への第一歩はデータ整備
- ジョブを明確化し、何をAIに任せるか。ワークフォースミックスを体系化する
- 成長の機会を提供する「Skills Cloud」
- 効率化した時間やリソースを、どこに再投資するか

Workday は、人事、財務、エージェントを一元管理するエンタープライズ向け AI プラットフォームを提供しています。Workdayは、人事と財務を1つのインテリジェントなプラットフォームに統合し、AIをその中核に据えることで、あらゆるレベルの人々が変化に迅速に適応し、より良い意思決定、重要な成果創出のために必要な明確性、信頼性、洞察力を提供します。中規模企業から Fortune 500 企業に選出される企業の 65% 以上に至るまで、11,000 社以上の世界中にあるさまざまな業界の企業・組織が Workday を導入しています。
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