データ分析に強くなれば、会社の業績が好転する理由
こんにちは。Pythonエンジニア育成推進協会の吉政でございます。今回もPythonの人材育成に関して私見を述べたいと思います。お陰様で当協会のPython3エンジニア認定データ分析試験も開始して2年9か月で受験者数が1万人を超えました。受験いただいた皆様、推進していただいた皆様、ありがとうございます。今日は、そのデータ分析の話です。
DXやデジタル化の話が盛り上がっていますが、そのかなり前から見える化の話も出ています。これらの共通項にあるのは、業務において主観的な判断を排除して、客観的な数字で業務の状態を把握することで、より正確な経営判断・業務判断を行えるようにし、無駄な投資、無駄な業務を削減し、業績を好転させようとするものです。
ここで重要な話があります。すべてを数字化し、デジタル化が完了して、一見、見える化が実現できたと思えますが、数値の解釈の点で主観が残ります。わかりやすい例でいえば、「売り上げが伸びていないのは、営業訪問件数が少ないと思う。みんな、もっと訪問するように」のような、よくある話ですが、「思う」というのは主観です。本来ならば、売り上げが伸びない理由を分析して、数値で原因を明確にしなければいけません。
では、なぜ前述の様な主観が入ってしまうのでしょうか?それは多くの方が忙しく、毎週の定例会議である程度の分析レポートがあったとしても、深堀できていないためです。また、深堀する手法も学んでいない企業が多いです。デジタル化や見える化が重要と言われていますが、皆さんの会社ではデータ分析について研修をされていますでしょうか?巷ではデータサイエンティストという専門家の育成の話も出ている通り、データ分析は奥が深い学問です。全ての社員にそこまでの学習が必要とは思いませんが、各部門で必要な分析を各部門で行えるようにするべきではないでしょうか?
全社でデータ分析に関する学習を推進すると例えば以下のような効果があります。
・客観的な業務判断ができるようになる
・業務の良かった点悪かった点が明確になる
・上記により給与査定などの査定も明確になる
・会議時間の短縮(「個人的に~と思います。」のような主観による議論が減るため)
社員がデータ分析の学習をすることにより、データ分析に強くなり、会社の中でガイドラインの策定と基準を設けることで、全体的なデータ分析力の底上げや、本当の意味でのデジタル化や見える化の推進を実現できるのではないでしょうか?
昔からDWHのような、分析ツールを導入して行うというのも方法としてはありなのですが、私は本質を理解することが重要だと考えています。当協会が進めているPythonによるデータ分析は、基礎的なPythonプログラミングを理解して、データ分析を学ぶことになりますので、自分自身で手を動かしながら、本質を学ぶことができます。データ分析の領域をブラックボックス化してしまうのは、リスクがあると思っています。企業として事業の根幹である部分はアウトソーシングするべきではないと考えています。例えば、根幹技術や製造する部分もそうですが、私はそれらにデータを加えます。データは長年積み重ねてきた事業のログであり、事業制度の向上や、次の事業へのヒントが隠されている領域です。この部分に関してはアウトソーシングするのではなく、全社で理解して、全社で活用できるようになるべきと考えています。
いかがでしょうか?いきなり大規模な全社研修は難しいかもしれませんが、推薦図書の共有や、データ分析試験に資格手当を付与する等、スモールスタートでできることはあると思います。最近では部門単位での一括受験のお客様も増えてきており、うれしい限りです。まずは部門ごとに実施するのもありだと思います。
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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