タレントマネジメントという言葉が人事部門の方に浸透してきましたが、多くの場合、経営幹部や上級管理職層を主な対象にした、個別把握・評価・配置・育成・処遇のトータルマネジメントという文脈で受け取られています。「今まで人事がやろうとしてきた個別把握や適材適所の配置とどこが違うんだろう?」と首をかしげる方も多いのではないでしょうか。日本企業にとって、タレントマネジメントの概念自体は、さほど目新しいものではないと言えます。
しかし、実際にうまくできているかというと、決してそうではありません。
タレントマネジメントの課題は「いかに実行するか」に尽きます。「何をなすべきか」は比較的明快ですが、「どうすればできるのか」という運用面のハードルが高いと言えます。
昨今のタレントマネジメントに関するニーズの高まりは、日本企業がかつてない環境変化の中で、人材面での本格的な対応を迫られていることが理由だと思います。つまり、事業戦略の転換やグローバル化などに対応できる人材を発掘・育成・確保することが、以前にも増して、経営上のクリティカルな課題になっているのです。
雇用に関する制約が厳しく、職種転換を含む人材育成・活用が人事政策の大前提となる我が国では、タレントマネジメントの対象範囲を上級管理職層だけでなく、全従業員まで広げる必要があります。また、スキル管理にしても単に担当職務のスキルを把握するだけでは足りず、広範な職務分野をカバーするスキルズインベントリーが必要です。さらに、従業員本人のキャリア形成に関する意思も重要な情報です。
しかし、実際には、従業員の基本情報や処遇反映用途の評価情報は管理していても、タレントマネジメントに活用できるようなスキル情報・キャリア情報などを体系的に入手し一元管理している企業はきわめて稀だと言えます。
「目で管理できる」規模を超える従業員を抱える企業が、タレントマネジメントに四苦八苦するのも無理のないことです。この問題を解決するには「道具」が必要です。
タレントマネジメントでは、人材情報の可視化、人材データベースの一元化が大きなテーマですが、そのためには、まず「人材情報をどのように入手するか」が重要なポイントになります。いかに分析機能が優れていても、まともなデータが入っていないデータベースには、何の価値もないからです。
具体的なキャリア情報やスキル情報、またキャリア形成に関する希望など、タレントマネジメントにとって最も有用な情報の中には、従業員本人しか知りえないものも少なくありません。人事考課、目標管理、スキル管理、キャリア管理、多面評価、CDP、教育研修、自己申告など、従業員と双方向かつ定期的に運用するトータル人事制度の整備と、その運用を全従業員でストレスなく効率的に行うことができるフロントシステムの導入が不可欠です。
ICTの進歩によって、ようやく実効性あるタレントマネジメントを実現する環境が整ってきたと言えるでしょう。
サイエンティアは、タレントマネジメントを効果的・効率的に行うための高機能人事システム「スマートカンパニー」を提供しています。
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