エンジニア新人研修の最後に試験を実施するべき絶対的な理由
こんにちは。Pythonエンジニア育成推進協会の吉政でございます。今回も人材育成に関する私見を述べたいと思います。
お陰様で、Pythonを新人研修のカリキュラムに加えていただいている企業が増えているようで、大変ありがたい限りです。ちまたでは、ChatGPTをきっかけにAIの本格的な到来を予見されている方も多いのではないかと思います。Pythonが新人研修で採用される企業が多くなったのも、このAIの話と、あと、DXやデジタル化に起因するデータ分析の話がきっかけになっていると考えています。近い将来、大半のシステムには何らかの形でAIが導入されると思いますし、AIの6割前後でPythonが活用されているとも聞いております。また、大半の企業ではデジタル化が完了し、そのデータを活かすためのデータ分析もかなり重要性を増しているはずです。データ分析の分野もPythonがかなり強い分野でして、この分野でもPythonは普及しています。この2点に関しては疑いの余地がないのではないでしょうか?
話が脱線してしまいましたね。本題ですが、人事部の方には釈迦に説法のような気もしますが、新人研修の最後に試験を実施するべき絶対的な理由を述べたいと思います。新人を採用した企業としては、1日も早く戦力化して、会社の業績に貢献してほしいと思っています。一方で研修を受けただけでは、なかなか戦力にはならないですよね。やはり実戦経験が必要になります。実践経験があれば戦力になりますが、実践経験がないのに仕事を依頼するのは苦労が伴います。ましてやお客様先に常駐のようなことをさせるのはお客様からの評価も下がりますし、新人には酷な話になります。そこで、新人価格ということで、かなり安い金額で派遣したり、常駐を行うような企業もあります。それはそれでお客様も納得して契約をするので、問題はないと思います。
ここで思うのは、研修をしただけの新人と、研修の最後に試験を受けた新人の根本的な違いです。前者は、製造した商品を出荷前の検品を行わずに出荷するのと同じです。一般的にはあり得ない話ですよね。品質管理の基本は製造者とは違う人材が検査をすることです。新人研修でいえば、修了後に行う試験が検品に当たることです。人によって理解度が違うのに、終了後にチェックをせずに配属させるのは、少々雑なように思えます。できれば、試験を受けさせて、その結果を配属先の上司に共有し、配属後の人材育成に役立ててほしいものです。
ちなみに私が新人の時は人事担当者に「研修の最後に行う試験の結果は配属先の選定に考慮します」と聞かされていたので、当時の私はかなり勉強した思い出があります。
さて、その試験を受ける投資対効果の話を最後にします。試験に合格した新人とそうでない新人がいて、お客様がどちらかを採用するとなったとき、どちらを採用するでしょうか?二人の素養が同等であれば、試験に合格している方に決まっていますよね。
Python試験であれば、基礎試験が受験料金が税抜きで1万円、実践試験が税抜きで1万2千円です。実戦配備後の収益を考えればほぼ誤差の金額と思います。研修後に試験があることで研修時の学習意欲に差が出て、かつ配属後に収益の差が出ることを考えると、研修の最後に試験を受けさせる意味合いは大きいです。
また、外部から見ても新人研修後に試験を受けさせる会社は、教育に力を入れていることの証になりますので、対外的印象も変わってきますし、来年の採用活動委も好影響を与えると思います。
いかがでしょうか?何らかの参考になれば幸いです。
- 資格取得
年間登壇約20回、連載数15本以上、顧問先14社を持つマーケッター。著書「ITエンジニア向け企画力と企画書の教科書」大手企業の職級査定審査員
日本を代表する大手企業を中心にマーケティング支援を実施。日本のIT業界の発展のためには教育が重要であると考え、LinuxやXML、PHP、Ruby on Rails、Python、IPv6の検定試験を立ち上げ、運営組織の代表を歴任する。
吉政忠志(ヨシマサタダシ) 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事
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