株式会社シーベース:テレワーク時代の人事評価　～成果だけでなく行動評価で納得性をつくる～ [講演レポート]

日本の人事部「ＨＲカンファレンス2021-春-」開催レポート

テレワーク時代の人事評価～成果だけでなく行動評価で納得性を作る～

深井幹雄氏（株式会社シーベース代表取締役社長）

特別講演 [V-4]2021.06.21 掲載

テレワーク下で自分の人事評価を不安に思う人は多い。その原因は、会わないことで評価材料が不足してしまうことにある。そのような状況下で360度フィードバックは、対象者の仕事振りを知る他者から情報を得て仕事を見える化できるため、非常に有効な手段といえる。加えて妥当性と納得感がある「評価」も可能だ。シーベースの深井氏がテレワーク時代における360度フィードバックの有効な活用法について語った。

プロフィール

深井幹雄氏（株式会社シーベース代表取締役社長）

（ふかいよしお）1995年エン・ジャパン株式会社入社。新卒サイト、派遣サイト、エージェントサイトの事業部長を経て、2017年株式会社シーベースの代表取締役社長に就任。

テレワークの普及と「増大する不安」という新たな問題

シーベース（CBASE）は、組織開発・人材開発を支援するHRクラウドサービスを提供し、これまで1000社以上との取引実績を誇っている。「スマレビ」ブランドでHRクラウドサービスを提供しており、「for 360°」で360度評価導入支援クラウドサービス、「for 組織診断」でエンゲージメント/従業員満足度調査システム、「for HRサーベイ」でHRクラウドサーベイシステム、「スマレビDB」で各種サーベイ、タレントマネジメント、アナリティクスを提供する。

顧客によって抱える組織の課題感や事情は異なるため、対応しているソリューションテーマはエンゲージメント、理念・方針の浸透、次世代リーダー育成、離職率の改善、マネジメント強化など多岐にわたる。サーベイツールによって、企業の現状を見える化し、あるいは企業に気づきを与え、その後どのように活用するかまで対象企業と共に考え、伴走する形でサービス運用を支援している。

深井氏はまず、「本日のゴールは、テレワーク下での人事評価の問題を把握すること、そして、妥当性と納得性の高い人事評価のヒントを得ること」と述べて、講演をスタートした。

「パーソル総研の調査によれば、正社員のテレワーク実施率の全国平均は2020年11月で24.7％。東京に限ると45.8％と非常に高い数字となっており、テレワークの利用は現在もかなり続いていると思われます。また、コロナ収束後のテレワーク継続希望率をみると『続けたい』『やや続けたい』との回答が合わせて78.6％。テレワークはコロナウイルスが収束した後も続くものと思われます。そのような中でどのように組織マネジメントを行っていくかが、これからの人事にとって重要なテーマになると思われます」

次に深井氏は、テレワークによる新たな問題を示した。日本生産性本部の調査では、労務管理上の課題をみると、その上位は「仕事の成果が適切に評価されるか不安」「仕事振りが適切に評価されるか不安」「オフィス勤務者との評価の公平性」となっている。

「これらの数値も昨年7月→10月→1月と上がってきており、テレワークによる不安が増している状況にあることがわかります」

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