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逆境を乗り越えた経営者に聞く
事業を再成長させるための人と組織へのアプローチ

  • 若月 貴子氏(クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 代表取締役社長)
  • 佐山 展生氏(スカイマーク株式会社 取締役会長)
  • ハロルド・ジョ-ジ・メイ(Harold George Meij)氏(新日本プロレスリング株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者)
  • 小杉 俊哉氏(慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任教授)
東京パネルセッション [F]2020.07.14 掲載
講演写真

新型コロナウイルスの感染拡大は企業の経営環境にも多大な影響をもたらした。刻々と変化する状況をにらみながら、人事にはアフターコロナの時代に組織のかじ取りを担う役割が求められている。そもそも企業が常に増収増益を続けることは簡単ではなく、長く低迷が続くことも考えられる。組織が一丸となり、従業員一人ひとりが持てる力を発揮して逆境を乗り越えていくために、人事や経営者は何をするべきなのか。クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンの若月貴子氏、スカイマークの佐山展生氏、新日本プロレスリングのハロルド・ジョ-ジ・メイ氏という三人の経営者を迎え、慶應義塾大学大学院・小杉俊哉氏の司会で、事業を再成長の軌道に乗せた経営手法について聞いた。

プロフィール
若月 貴子氏( クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 代表取締役社長)
若月 貴子 プロフィール写真

(わかつき たかこ)筑波大学卒業後、株式会社西友入社。経営企画部門にてグループ会社管理及び海外法人の整理再編に従事した後、株式会社経営共創基盤に参画。主に小売・衣料・食品等BtoC事業の支援に携わる。2012年クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社に管理本部長として入社後、2014年10月に副社長に就任しマーケティング部門も統括。 2017年4月代表取締役社長就任。


佐山 展生氏( スカイマーク株式会社 取締役会長)
佐山 展生 プロフィール写真

(さやま のぶお)1953年京都府生まれ。72年洛星高校卒業、76年京都大学工学部卒業、94年ニューヨーク大学大学院修了(MBA)、99年東京工業大学大学院博士後期課程修了(Ph.D)。07年インテグラル共同設立、 インテグラル株式会社代表取締役パートナー(現任)。2015年スカイマーク代表取締役会長に就任。一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授、京都大学経営管理大学院客員教授、京都大学院総合生存学館特任教授。


ハロルド・ジョ-ジ・メイ(Harold George Meij)氏( 新日本プロレスリング株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者)
ハロルド・ジョ-ジ・メイ(Harold George Meij) プロフィール写真

(ハロルド・ジョ-ジ・メイ)1963年オランダ生まれのオランダ人。父親の仕事の関係で幼少期を日本で過ごす。ニュ-ヨ-ク大学修士課程修了。ハイネケン・ジャパン、日本リ-バ(現ユニリ-バ・ジャパン)、サンスタ-、日本コカ・コーラを経て、2015年にタカラトミ-代表取締役社長となり、大幅黒字回復を成し遂げる。2018年6月より新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。日本語、英語、オランダ語など6ヵ国語を話す。


小杉 俊哉氏( 慶應義塾大学大学院 理工学研究科 特任教授)
小杉 俊哉 プロフィール写真

(こすぎ としや)早稲田大学法学部卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院修士課程修了。日本電気株式会社、マッキンゼー・アンド・カンパニー インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を経て独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。元立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 客員教授。専門は、人事・組織、キャリア・リーダーシップ開発。著書に、『職業としてのプロ経営者』、『起業家のように企業で働く』(クロスメディア・パブリッシング)、『リーダーシップ 3.0-カリスマから支援者へ』(祥伝社新書)など。


クリスピー・クリーム・ドーナツのブランド復活への取り組み

最初に、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社代表取締役社長の若月貴子氏によるプレゼンテーションが行われた。

1937年にアメリカで創業したクリスピー・クリーム・ドーナツ。その歴史はマクドナルドよりも長く、看板メニューの「オリジナル・グレーズド®」は創業時から受け継いでいるレシピだ。日本国内でも一時期は65店舗を展開。しかし2015年、同社は大量閉店を発表し、メディアでも話題となる。

「背景には、日本上陸10周年を前に選択と集中の経営戦略を打ち立て、既存店の見直しを行ったことがあります。特に重視していたのは、お客さま満足度と従業員満足度です。私が2012年に入社してから、当社は成長と変革の両立を掲げていましたが、その戦略に誤算がありました」

講演写真

若月氏は当時の状況をそう振り返る。増加し続ける店舗数に対して、現場の仕組み作りと人材育成が追いついていなかったのだ。入社当時、若月氏はその課題の克服と成長は両立できると考えていた。結果的には選択と集中にかじを切らざるを得ず、大量閉店の発表は世間を驚かせることとなった。

「その逆境からの復活の鍵は、組織と人事の改革でした」と若月氏は話す。長期戦覚悟で改革に着手したのは、日本での創業バブルから抜けきれない組織の現状があったからだ。高い話題性と知名度によって「何をやっても売れる」という感覚が広がり、この組織を変えていくために、公平で透明な人事制度を設けて若手を登用していく。

「8年間かけて、ビジョンの刷新と浸透にしつこいくらいに取り組んできました。大量閉店の過程で起きた人材のターンオーバーも大きかったと思います。会社の変化をネガティブに捉えず会社に残ってくれた人たちや、改革の当初に登用された若手人材が中心となって、回復に貢献してくれました」

「とにかく現場が踊りやすい組織になった」と手応えを語る若月氏。会社が新たな方針を出したときにも、現場がスピーディーに対応して取り組む組織へ変化している。

新日本プロレスリングを次の段階へ導く

2018年に新日本プロレスリング株式会社の代表取締役社長兼CEOに就任したハロルド・ジョ-ジ・メイ氏。外資系企業ではハイネケンジャパンや日本リーバ、日本コカ・コーラ、日本企業ではサンスターとタカラトミーを経験し、現職に至る。

「外資系と日本企業では、判断基準やスピード感が違います。また、企業再成長の引き金となる要因も違います。企業が傾くときには、急な事件や事故によって業績が急落することもあれば、長い時間をかけてじわじわとしぼんでいくこともあります」

幅広い経験の中から、メイ氏はタカラトミーのV字回復を例にして話した。

メイ氏がタカラトミーに入社したのは、同社が2期連続の赤字に陥っていたタイミング。株価はブックバリューよりも約20パーセント低い価格で売られ、大量リストラも行っていた。メイ氏はこの状況から4年で同社を過去最高利益に導き、株価を4倍にする。「ある年の新卒採用では3万人の大学生がタカラトミーに応募してくれるようになった」と明かす。

その引き金となったのは、2015年に子ども向けから大人向けへブランドイメージを刷新した「リカちゃん人形」の大ヒットだった。

「私は外から来た経営者だったので、まずは社内での信頼を得る必要がありました。どんな新戦略を示しても『おもちゃ業界を知らない人でしょ』と思われては何も進みません。そこで成功例を示すために、社内で一番苦しんでいたリカちゃん人形を選んだのです。リカちゃんを立て直せば、『会社全体の立て直しもできる』と思ってもらえると考えました」

市場では、「子どもたちが人形で遊ばなくなる」という変化が起きていた。それでも当時のタカラトミーは「子どもにどうやって人形で遊んでもらうか」を考えていたという。

メイ氏のアプローチは真逆だった。リカちゃんに大人の服を着せ、ツイッターのアカウントを開設して「喫茶店に行ったよ」といった大人っぽいつぶやきを発信。そうして「大人に選ばれるリカちゃん」としてのブランドを構築し、高価格で展開することを可能にしたのだ。

「企業を立て直す鍵の一つは、新市場や新世代へ向けて商品価値の再構築を図ること」だと語るメイ氏。現在経営の舵取りをする新日本プロレスの場合は、足元では事業が好調に推移しているものの、「海外やデジタルへの転換が重要」と考えているという。

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「新日本プロレスのライバルは、アメリカのプロレス団体・WWE(World Wrestling Entertainment)です。新日本プロレスは現在のところアナログな興行売上が大半で、デジタル率は11%。対してWWEは、デジタル率が62%となっています。スポーツの世界では、スペインのサッカークラブであるレアル・マドリードは77%という高いデジタル率を叩き出しています。こうしたライバルをベンチマークしながら、私たちも新市場への転換に向けて頑張っているところです」

スカイマーク再生と企業価値向上

「今、私の頭の中の95%はスカイマークが占めています」

スカイマーク取締役会長を務める佐山展生氏はそう切り出し、プレゼンテーションを始めた。

2015年1月に民事再生の申し立てをしたスカイマーク。佐山氏が代表取締役パートナーを務めるインテグラルがその再生に乗り出し、同年9月に新体制が発足する。佐山氏はそのタイミングまで、事業会社の経営者になったことはなかったという。

「手探りで真剣に経営に関与して4年半が経ちました。まだ完全ではありませんが、この4年半で学んだ「経営」は、それまでの学びの何十倍だと感じています。見たり聞いたりするだけではなく、実際に経営してわかったことがたくさんありました」

スカイマーク再建にあたり、佐山氏達新経営陣が注目したのは「定時運航率」だった。民事再生前のスカイマークの搭乗率は年間で7割を切り、「ガラガラの便もあった」という搭乗率も、「定時運航率」が上がると共に、60%台から83〜84%にまで上昇した。

「投資した際、スカイマークの印象を神戸の友人に聞くと、『遅れる』というんですね。それまでの定時運航率は、国内の航空会社で最下位か下から2番目。当たり前ですが、『いつも遅れる』会社の飛行機に、人は乗ってくれません」

そこで佐山氏は「定時運航率を『日本一』にする」という目標を掲げた。これは簡単な目標ではないが、パイロットだけでなく、客室乗務員や整備スタッフなど全社が一丸となって取り組みを続けた結果、2017年度と2018年度は2年連続で「定時運航率1位」に、さらには「低欠航率1位」を3年連続で達成するまでになった。

「定時運航率が1%上がると、搭乗率は1.9%上がります。最初はそんな法則は見えておらず、『離れたお客さんを振り向かせたい』という一心で始めた取り組みでした。とにかく安全に運航し、そして定時運航率1位になる。これだけを社員のみなさんに言い続けたことが、結果的に利益につながっていったんです」

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スカイマークには、佐山氏が毎週、全社員に向けて発信している「さやま便り」というメッセージがある。全国の拠点を回り社員と一緒に撮った集合写真、新入社員の様子や社内イベントの写真。そうした社内や社外の風景の紹介とともに、毎週必ず載せていた言葉が「定時運航率1位」だった。

「メッセージの中に、3ヵ所くらいは『定時運航率1位』という言葉を必ず入れていました。わかりやすいメッセージをしつこく言い続ける。これは大切だと思っています。私はよく富士山の例えで話すのですが、富士山の山頂にいる人は、例外なく家を出るときに『富士山を登頂する』と目指した人だけですよね。定時運航率1位という目標を達成できたのは、全社員に「日本一を目指す」という目標が共有され、同じ思いで行動できたからこそだと思います」

経営者はまず、自分の会社と社員を愛さなければならない

小杉:3人の著名な経営者の方々から、逆境を乗り越えた貴重な経験をお話しいただきました。共通していたのは、経営者として従業員の信頼を獲得していったプロセスだと思います。それができなければ、組織を束ねてターンアラウンドに導くことは難しいのかもしれません。皆さんは、どのようにして信頼を築いていったのでしょうか。

若月:私はクリスピー・クリーム・ドーナツに来てから、「逃げないこと」「ぶれないこと」を貫いているつもりです。ジョインした当時は組織がゴタゴタとしていて、会社を見ない社員も多かった。そこで、一番不満を持っていそうなミドル層を研修に集めて、「会社や私に聞きたいことがあれば何でも言ってください」と投げかけました。辛辣(しんらつ)な意見もたくさん出ましたが、最近になって、「あの場があったからこそ、会社を辞めずに続けてこられたんです」と言ってくれた社員がいました。

小杉:若手に真正面から意見を聞き、任せることについては、不安はありませんでしたか。

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若月:最初は誰でも若手です。どんなことも、やってみないとわからない。当社では「失敗を恐れずにやろう」というメッセージを強調しています。彼らが失敗しても、別の人がフォローすればいいだけですから。

小杉:メイさんは、新日本プロレスでどのように信頼を築いていったのでしょうか?

メイ:常に意識しているのは「誰にも負けない愛情を持つこと」です。会社や商品に対する愛情は誰にも負けない。だからリカちゃんと向き合っていたときは誰にも負けないリカちゃんファンになりましたし、今は「日本一の新日本プロレスファンになってやる」というつもりで日々取り組んでいます。これはコカ・コーラ時代もそうでした。実は私はコーヒーが飲めないのですが、コカ・コーラに入って2番目にやったのは缶コーヒー「ジョージア」の立て直しだったんです。自分自身はコーヒーを飲めなくても、「ジョージアは最高のコーヒーだ」と信じて周囲にも言い続けましたね。

佐山:私も、事業会社を経営してみて強く思うのは、「経営者はまず自分の会社と社員を愛さなければならない」ということですね。私利私欲があったら成功しません。「この案件で成績を出してプロ経営者としての次につなげよう」なんかではダメなんです。私が出している「さやま便り」には、私のメールアドレスと電話番号を載せています。すると月に3~4件くらいは、社員からのメールや電話が入るんです。「この会長には言ってもしょうがない」と思われていたら連絡してくれないでしょう。だから、社員が連絡してくれるのは本当にありがたいこと。提言してもらったことには必ずすぐにトライします。そうやって今では私は自分が経営に関与する会社にのめり込んでいます。

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「会社を好きになって」と呼びかけるだけでなく、自分たちで実感してもらう

小杉:経営者が会社と従業員を愛するのと同時に、従業員にも会社のことをどんどん好きになってもらうことが欠かせないと思います。事業や組織を成長させるためには、「どうすれば結果が出るかを考えるのではなく、まず関係性を良くするべき」という考えがありますよね。社員同士の関係を良くするために、どんな工夫をされていますか。

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メイ:まず大切なのはコミュニケーションです。目標や戦略を語りかけるのは大切ですが、それだけでなく、会社の良かったことも悪かったこともオープンにして、定期的にフィードバックするようにしています。新日本プロレスではそうした場に、社員だけでなく選手も招いて「あなたもこの会社の一員ですよ」というメッセージを伝えています。また、佐山さんがおっしゃっていたように「経営者が聞く耳を持つ」ことも非常に大事だと思っています。悩みを聞いてもらっただけで、半分くらい解決することもありますから。私は「オープンドアポリシー」を大切にして、社長室のドアは常に開けています。最近ではランチタイムになると、10人くらいの社員が相談に来てくれるようになりました。

若月:「会社を好きになってください」と呼びかけるだけでなく、自分たちで実感してもらうことも大切ですよね。当社では全社員総会で、「ブランドについてどう考えるか」「商品についてどう考えるか」を言葉に出し、自分の体験を共有してもらうようにしています。これはエンゲージメントを高めるプロセスとして重要だと考えています。

小杉:動機づけという面で言うと、佐山さんはいかがですか。

佐山:社員の満足度を上げる一つの要素は、公平な人事評価だと思います。頑張っていない人が上に行くのは納得がいかないものです。上司による部下の評価はどこの会社でも行っていますが、その上司を最もよく見ているのは部下。そこでスカイマークでは、部下も上司を評価する仕組みを作りました。どこまででも上を評価していいことになっているので、会長や社長は400人くらいから評価されます。

小杉:400人とはすごい数ですね。

佐山:当社では、誰が評価したかわからないように人事ではなく外部へ出し、サマライズした上でフィードバックしてもらっています。また最近になって、執行役員を選ぶ際にも社員の意見も取り入れる仕組みも始めました。

今は「これまでできなかったこと」ができてしまうタイミング

小杉:このセッションはオンラインで開催されていますが、チャットではたくさんの質問が寄せられています。「人事には何を期待しますか」という質問が出ています。

佐山:人事の役目は、働き方や評価の仕方などに対する社員の意見を集約し、それを経営陣へ提言することだと思います。社員から良い意見が出ているのに、「これはルールだから」とつぶしてしまってはもったいない。人事の視点ではなく、「働く人の視点」で制度を変えていってほしいですね。そもそも、積極的に意見を言ってくれる人は、自分の考えがある人で、会社のことを考えてくれている人です。こうした人の意見を真剣に聞くことが大事だと思うんです。

若月:同感です。当社は飲食業ということもあって、比較的若い社員が多いんですね。佐山さんがおっしゃるように「意見を言う人の声を聞いて取り入れる」ことを実践し、思いきって若手に役割と裁量を渡すことで課題解決につながることもありました。「そこまで言うならやってみてよ」と、大きな度量で任せていくことも大切なのだと思います。

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メイ:人事の方への期待という点では、私は「採用」です。人は会社にとって一番の資産ですが、日本の場合は海外と比べて、一度雇用すると長期雇用することになります。だから、しっかりと見極めて採用してほしいですね。大学名や経歴ではなく、どこまで会社と商品を愛してくれるか。そこを見極めてほしいと思っています。

小杉:本日は「逆境を乗り越える」というテーマで議論してきました。新型コロナウイルスの影響で、今まさに多くの組織が逆境に追い込まれていると思います。この未曾有の危機の中で私たちはどのように動いていくべきなのか、最後にメッセージをお願いできればと思います。

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若月:飲食業にとっては、本当に大きな打撃となりました。当社も苦労していますし、今までやってきた「当たり前」を根本から見直さざるを得ない状況です。この危機にあっては、ピンチをチャンスに変えるという意志を持てるか、いかにスピード感を持って立て直せるかが問われると思います。一緒に頑張りましょう。

メイ:新日本プロレスは今、興行ができない状況なので非常に痛いです。ただ企業としては、今までできなかった改革もできるようになりました。ある意味では、改革を進めていく大義名分になったのかもしれません。これまではずっと「リモートワークは無理」と言ってきた組織でしたが、今では社員の半分がリモートワークになっています。これまでできなかったことができてしまう。そんなタイミングでもあると思います。

佐山:コロナがなければ10年、20年かかったことが、これを契機に一気に進むということもあるでしょう。リモートワークはずっと言われてきたけれどなかなか進まなかった。それが今では、「こんなにオフィススペースはいらないのではないか」という意見もよく出てきます。これまでは出勤して、上司からやれと言われたことをやるのが仕事でした。つまり、「会社へ行くこと」「会社にいること」が仕事だったわけです。しかしリモートワークになると、「結果を出すこと」が仕事になります。この変化は日本にとって良いことだと思います。働き方改革もなかなか進みませんでしたが、今後は勤務体系ありきの採用ではなく、人の数だけ勤務体系があるような柔軟な働き方ができる会社が増えてくるといいと思います。

小杉:ありがとうございます。お三方のお話をうかがって、経営者というザ・ラストマン、つまり「自分の後ろには誰もいなくて、自分が下した判断や行動は結果責任まで含めて全て自分が負う」という意識で向き合っているからこそ、社員に本気度が伝わるのだと感じました。人事に携わる方々も経営者と同じ思いを持ち、自分ごととして会社と向き合っていくことが、この逆境を乗り越えて再生につなげる第一歩となるのではないでしょうか。

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