日本電気(NEC)のカルチャー変革の実際~2年にわたる取り組みの詳細とこれから~
- 佐藤 千佳氏(日本電気株式会社 シニアエグゼクティブ カルチャー変革本部長/人材組織開発部長)
- 伊藤 善廣氏(ビジネスコーチ株式会社 パートナーエクゼクティブコンサルタント/株式会社スリーシーズ 代表取締役)
- 吉田 寿氏(ビジネスコーチ株式会社 BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ)
NECは2016年に3ヵ年の中期経営計画を発表したが、1年後にそれを撤回。新たにカルチャー変革の目標を立て、2018年1月にあらためて2020年中期経営計画を発表した。そこには変則的な変更を行っても優先すべき社内改革があったのだ。ビジネスコーチの伊藤氏、吉田氏が、NEC人材組織開発部のトップである佐藤氏に2年にわたるカルチャー変革の詳細を聞いた。
(さとう ちか)1982年住友電気工業(株)入社。米国在住後、外資系ベンチャー企業。1996年~GEにて、組織開発、HRビジネスパートナー、企業買収・統合業務やHRリーダーを経験。2011年~日本マイクロソフト(株)執行役人事部長、2016年ノキアにて日本・東アジア地区HRリーダー、2018年日本電気(株)へ入社。
(いとう よしひろ)1983年 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。シティバンク・シティコープ、インチケープ・ドッドウェル(株)、GEキャピタルジャパン消費者金融部門、(株)ミスミ、リシュモンジャパン(株)各社にて人事部長・担当役員を歴任し、2015年経営人事コンサルタントとして独立、現在に至る。
(よしだ ひさし)早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。富士通人事部門、三菱UFJリサーチ&コンサルティング・プリンシパルを経て、2015年1月より現職。主要著書『世界で闘うためのグローバル人材マネジメント入門』(日本実業出版社)等著書多数。
カルチャー改革の本質は「我々が変われるか」にある
はじめに吉田氏がカルチャー変革の本質について語った。
「よく『カルチャーが変わる』といいますが、この主語には間違いがあります。ここでの主語は組織の中の大半の人々であり、『我々自身』です。ですから、『カルチャーは変わるか』ではなく、『我々自身が変われるか』と問わなければいけない。その組織にいる大半の個人の発想と行動パターンが変わらないと、カルチャー変革は実現しません」
組織カルチャーはよく氷山モデルで例えられる。組織カルチャーは氷山の水面下の部分。ハードとソフトの両面から捉えていく必要がある。では、カルチャー変革が目指すゴールは何になるのか。
「具体的には、ビジョン、つまり組織のありたい姿を明らかにし、社員へのビジョンの浸透や共感度の測定も含めたサーベイを実施して、ハードとソフトの改革を実行していくことになります。ここではエンゲージメントがすべての土台になります。ではここから、NECグループにおけるカルチャー変革の事例をお聞きしましょう」
[A-5]コーセーに学ぶ、人事制度の再構築のポイント~戦略人事の実現に向けて~
[A]部下の多様性をいかし、組織を牽引する、次世代管理職に必要なコミュニケーションとは
[B-5]データや事例から読み取る、大手企業における「強みをいかす人事業務変革」の潮流
[B]いま企業が実践すべき「組織開発」の最前線
[C-6]進化し続ける「戦略人事」〜人事が企業の成長エンジンになるためのWhatとHow
[SS-1]従業員の副業・兼業をいかに推進し、その効果を引き出すのか ――多様な働き方が人と企業を活性化する
[C]多様性の時代にこそ必要な「ビジョン」「経営理念」の共有 従業員が一丸となれば、組織は活性化し目標を具現化できる
[D-4]360度評価結果から見るパワーハラスメントの傾向と改善に向けた措置
[D-5]「育てる」をやめると若手社員が「育つ」 現場と若手をつなぐ働き方の哲学
[D]日本電気(NEC)のカルチャー変革の実際~2年にわたる取り組みの詳細とこれから~
[E]従業員の「エンゲージメント」向上は経営に何をもたらすのか
[F-1]企業は自律型人財を「育成」できるのか ~自律型人財に必要な力とは~
[F-5]若手のリーダーシップをどう開発するか
[SS-2]キャリアコンサルティングにより変化する人事の役割 新たな指針による、人事とキャリアコンサルタントとの協業促進の必要性
[F]逆境を乗り越えた経営者に聞く 事業を再成長させるための人と組織へのアプローチ
[G-4]もう他人事ではない 外国人材をマネジメントする前に知っておきたいこと
[G]人生100年時代の学び方
[SS-3]上司は部下と質の高い面談を行えているのか? 「互聴」によるコミュニケーションが面談の質を向上させる
[H]三井住友海上火災保険株式会社に学ぶ、上司による部下のキャリア支援の方策
[I-5]心理的安全性とハピネス:働き方改革を成功させる最も有効な方法
[I]ソフトバンク、ニトリホールディングスの事例から考える 激化する新卒採用競争を勝ち抜くための「採用力」
[J-5]6月施行のパワハラ防止法に向けて~見逃しがちなポイントの再整理と最新対応事例~
[J]「若手社員の戦力化」「経営人材の育成」が企業の未来を創る ビームスとウシオ電機の事例に学ぶ人材開発
[K-5]企業と働き手を守る休職者対応の実務と実際&テレワークでのメンタルヘルス予防対策
[K]これからの「働き方」と人事労務改革
[L-5]エンゲージメントを飛躍的に向上させ「人財で勝つ会社」へと突き進むAGCの取り組み
[SS-4]ベテラン・シニア人材を“戦略的”に活用する
[L]タレント・マネジメントの拡大と進化~ビジネスを支える人材マネジメントの将来像~
[OA]組織変革のリアル ~次世代リーダー育成を中心とした変革へのチャレンジ~
[OB]多様性の時代、異なる背景を持つ人たちで構成された組織が成果を出す方法とは? ――ビジョンの共有が強い組織をつくる
[OC]先が見通せない時代だからこそ求められる“未来への指針” 「ビジョン」を語れるリーダーを育成する方法とは
[OD]人事パーソンに必要な視点・心構えとは 何を学び、どんなキャリアを描いていけばいいのか
[TB]HRテクノロジーの活用で従業員の「幸福度」「働き方」はどう変化するのか
[TD]“組織変革を阻む3つの溝"を解消し、事業成長を加速させる心理的安全性の高め方
[TF]ニトリが実践! 人材開発の視点を取り入れ、HRテクノロジーを活用した組織開発とは