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社員が共感する経営ビジョン再構築の5ステップ
~WHYから始める情動アプローチの事例紹介~

  • 堀井 悠氏(リ・カレント株式会社 人材組織開発プロデュース部 マネジャー)
  • 小林 孝氏(株式会社T&PSolutions 代表取締役)
  • 菅谷 英明氏(リ・カレント株式会社 人材組織開発プロデュース部リーダー)
東京特別講演 [L-5]2019.06.25 掲載
リ・カレント株式会社講演写真

社内に働きがいを生み出し、生産性を向上させたい。多くの企業はこの問題に、HOW(どのように)からアプローチした施策を取り入れている。しかしそれでは、社員は仕事に面白みを感じられず、施策は継続しない。リ・カレント株式会社の堀井氏は「WHY(なぜ)から始めること」が重要と話す。どうすれば社員が共感できる経営ビジョンの再構築ができるか。堀井氏と株式会社T&P Solutionsの小林氏が、事例を交えてヒントを示した。

プロフィール
堀井 悠氏( リ・カレント株式会社 人材組織開発プロデュース部 マネジャー)
堀井 悠 プロフィール写真

(ほりい ひさし)大手学習塾、リクルートライフスタイルで営業職を経験。広告支援の傍ら、持続的な店舗発展のための評価手法を開発。人材・組織開発に専念するためにリ・カレントに参画。チームの失敗も成功も実際の体験から簡潔な理論に落とし込み、コンテンツ開発や営業に応用する。モットーは「あきらめない組織」を作ること。


小林 孝氏( 株式会社T&PSolutions 代表取締役)
小林 孝 プロフィール写真

(こばやし たかし)米海軍基地勤務時に管理システムの導入、QCアドバイザーに従事。TQM推進室にて方針管理、TQMを通じて改善活動推進を担当。2006年より、Lean Six Sigmaのブラックベルトとして活動。部隊戦略計画立案ファシリテーターとしての役割を果たし、戦略計画の立案から展開までを担当。2016年に米軍基地を退職、LSSコンサルタントとして改善活動および「OPEX Way」のフレームワークを提唱し展開する。


菅谷 英明氏( リ・カレント株式会社 人材組織開発プロデュース部リーダー)
菅谷 英明 プロフィール写真

(すがや ひであき)リ・カレントにて個人のマインドやスキルについての研修をプロデュースすると同時に、その周辺環境を変えなくては「働くことを楽しむ人」を生み出せないとの考えをモットーに、組織コンサルティング事業部「アウトカムフォーファン」立ち上げに参画。組織・部署・拠点内の組織開発、マネジメント層の現場実践を挟む変革研修を専門としている。


堀井氏によるプレゼンテーション:理念やビジョンは自分たちでつくれる

堀井氏は最近多くの企業から、社員の働きがいを生み、生産性を向上させる方法はないかと相談を受けるという。同様の悩みを持つ企業を訪ねて現場の話を聞くと、HOWから始まる仕事の方法論だけが現場に伝わっているという共通点が見えてきた。この方法論は社員にとって面白くない、つまらないもので、使われない。堀井氏は、WHYから始めることで仕事が面白くなるとアドバイスする。

「本日は二つのことを持ち帰ってほしいと思います。一つは理念やビジョンが必要であること。もう一つは、それが情動的なアプローチでつくれることです。そのプロセスを紹介したいと思います」

堀井氏はここで、人事担当者を対象にした調査データを提示した。「企業理念・ビジョンは必要だと思いますか」という問いに「必要だ」と答えた割合は98%。過去5年間の業績を見ると、理念・ビジョンが浸透している企業の58.8%で業績が伸びていた。

「しかし、そもそも『あなたの企業では理念・ビジョンが浸透していると思いますか』という問いに『浸透している』と答えた企業は6%しかなかったのです」

一方でこんなデータもある。15歳~69歳の労働者に「仕事で成長できた理由」を聞いたところ、「仕事にやりがい、意義を感じることができたから」が28.9%で最も多かった。

「仕事におけるWHY、つまり何のために仕事をするのかがわかったときに人は一番成長していたのです。しかし、WHYにあたる理念・ビジョンが浸透している会社は6%しかない。ここに大きなギャップがあります。そこで、こんな仮説を立てました。社員が働きがいを感じられず生産性が上がらないのは、企業が思うほど理念・ビジョンが浸透していないからではないかと。今日はどうすれば社員がやりがいや意義を感じるのかを、私の実体験からお話しします」

堀井氏は、かつて大手コーヒーチェーンの店舗に勤めた経験がある。最初に働いた店舗は、ルールやマニュアルの遵守度合いによって評価が決められ、頑張っても報われないという気持ちでいた。

「その後異動した別の店舗には『私たちはホスピタリティーのカリスマとして、この街のお客様に愛される店になる』というビジョンがありました。この言葉を毎日繰り返し、売上は前年対比108%、社内接客調査全国1位になりました」

次は、堀井氏が飲食店支援の営業組織にいたときの体験だ。配属されたのは、マネジャーがいつも業績の話ばかりする職場で、売上は通期目標未達成だった。しかし、次に異動してきたマネジャーによって職場は変わった。そのマネジャーは「私たちは街の方々に『出会えてよかった』を届けよう」というビジョンを掲げたのだ。

「売上目標は125%達成、社内順位は全国2位になりました。店舗運営も飲食店支援の営業も、最初は論理やHOWのアプローチだったのですが、面白くなかった。何のために自分たちが働いているのかを明確にしたときに職場が変わったのです」

講演写真

WHYを明らかにした過程を、堀井氏は「メンバーからいろんなアイデアが出ていた」と振り返る。一般にビジョン、メッセージは優秀なリーダーが考え、発信すると思われがちだ。堀井氏が組織に属して実感したのは、リーダーはメンバーの思いをまとめ上げ、ビジョンとしてブレイクダウンしていたという事実だった。

「二つ目の事例に出てきたマネジャーは『みんなはどうしたいの』『どうなりたいの』とメンバーに聞いていました。そこでメンバーから出た『営業先で、あなたに出会えてよかったと言われる瞬間が一番うれしい』という声から目標が決まったのです。要は現場の声を尊重した、ということ。『小集団だからできること』と思われるでしょうが、この手法は大きな組織でも通用します」

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