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「採用難」が続く有期労働市場のトレンドとアルバイト人員不足の効果的な解消法

  • 高槻 洋介氏(株式会社リクルートジョブズ 執行役員)
  • 安藤 至大氏(日本大学総合科学研究所 准教授)
2017.01.11 掲載
株式会社リクルートジョブズ講演写真

将来的な労働力人口の減少が叫ばれる中、近年はアルバイト・パートといった有期労働者の確保が難しくなりつつある。企業はこの状況にどう対応していくべきなのか。『タウンワーク』前編集長でリクルートジョブズ執行役員である高槻氏と、雇用労働問題に詳しい日本大学准教授の安藤氏が、有期労働市場のトレンドとアルバイト人員不足の効果的な解消法について語った。

プロフィール
高槻 洋介氏( 株式会社リクルートジョブズ 執行役員)
高槻 洋介 プロフィール写真

(たかつき ようすけ)(株)リクルートにて求人メディア「タウンワーク」「フロム・エー ナビ」
「はたらいく」「とらばーゆ」「リクナビ派遣」の編集長を歴任。
2016年4月より(株)リクルートジョブズ 執行役員に就任し、
同社の求人メディア並びに「ジョブオプ」「シフオプ」等の
採用業務支援プロダクトの商品開発部門を担当。


安藤 至大氏( 日本大学総合科学研究所 准教授)
安藤 至大 プロフィール写真

(あんどう むねとも)1998年法政大学経済学部卒業。2004年東京大学博士(経済学)。政策研究大学院大学助教授などを経て、現在は日本大学総合科学研究所准教授。専門は、契約理論、労働経済学、法と経済学。また、NHK(Eテレ)の経済学番組「オイコノミア」やBSジャパン「日経みんなの経済教室」の講師として活躍するなど、雇用問題に関する分かりやすい解説には定評がある。


安藤氏によるプレゼンテーション:「労働市場の動向と働き方の変化」

リクルートジョブズは、『タウンワーク』『フロム・エー ナビ』『はたらいく』『とらばーゆ』などのメディアで、アルバイト・パート、派遣から正社員まで多種多様な雇用領域の人材採用に関する総合サービスを提供。また、最先端のITを駆使した採用管理システム『ジョブオプ』、シフト管理システム『シフオプ』といった業務支援サービスにも注力している。

まず安藤氏が登壇し、これから人々が働き方を変えざるを得ない二つの要因を挙げた。

「一つ目は少子高齢化による人口減少です。15~64歳の生産年齢人口は今から10年間で、1000万人減ります。また、その次の10年間でさらに1000万人と、大変な勢いで減っていきます。その中で65歳以上の老年人口は、ほぼ横ばいです。将来は人口にも地域差が生まれ、20%の土地には人が住まなくなるとも言われています。二つ目の要因は技術進歩による機械との競争です。技術の進歩によって労働が機械に置き換えられてしまう、技術的失業が増加していきます」

そのような中で政府は現在、働き方改革を推進している。その背景にあるのは、不安定な非正規社員の増加だ。

「今は働く人の約4割が非正規です。その中でも、本当は正規の仕事を得たいのに見つからないから非正規で働いているという不本意型が非正規全体の2割弱いて、問題となっています。そこで、非正規の処遇改善が必要となっているわけです。これからは世の中全体においては人手不足が、そして機械化が進む一部の業界では人余りが起こる事態となっていきます」

講演写真

今、企業経営者や人事担当者が考えるべき課題は、人手不足の時代をどう生き抜くかにある。この問題を考える上では、さまざまな立場の労働者の視点を理解することが不可欠だ。

「人手不足によるチャンスと、技術的失業のピンチに直面する労働者は、いかにして適職を探すのかを想像する。そしてまた、子育てや介護に直面する労働者の離職をどう防ぐかを考える。同時に、同業他社や異業種の動向も知っておく必要があります」

この先に採用難になるとしても、企業には採用コストを増やす余裕はない。どうやって効果的、効率的に採用予算を使うべきか。今からやるべき人手不足対策は何か。安藤氏は今、3年先を見据えた人手不足対策が必要だと語る。

「これからは、パートタイム・アルバイト・女性・高齢者などの活用が不可欠です。そして企業は短時間勤務、隔日勤務など、多様な勤務形態にも対応しなければならない。しかし、そうすると人事労務管理(採用、教育訓練、リテンション、シフト管理)の手間は大きく増えます。本業に使うべき時間が人事労務管理で削られてしまう。だからこそ業務には工夫が必要となります。考えるべきは『分業と交換』です。切り分けられる部分はどこか、人に任せるべき部分はどこかと考えてみる。必要なら効率を考えて業務を外部の専門家に委託することも考えるべきです」

高槻氏によるプレゼンテーション:
「労働力人口減少の時代における採用管理業務の効率化」

次に高槻氏が登壇した。高槻氏は企業が先々の労働力減少に対応するには、若年層の確保に加えて、これまで以上に主婦・シニア・留学生を積極的に活用しなければならないと語る。

「最近は時間制約のある主婦やシニアだけでなく、学業が忙しい学生など、働く人の希望する勤務時間が短くなっており、勤務できる時間帯もピンポイントになっていく傾向があります。そのため、採用段階からシフトをより明確にして、より細分化することが求められます。ただし就業時間が短くなると、業務の習熟度も上がりにくくなるので、仕事内容を組み替えシンプルにするなどして労働生産性を上げる工夫も必要になるでしょう」

今後も持続的に採用難は続き、更に仕事の短時間化が進めば、人材確保に向け複数のメディアを利用する機会が増えていくため、採用コストの使い方や採用担当者の業務負荷に着目していく必要がある。だからこそ、採用管理業務の効率化が求められているのだ。そこでリクルートジョブズでは『ジョブオプ』という採用管理システムを提供している。これは応募数の増加、歩留まりの改善、採用業務の工数削減、採用コストダウンなど、求人・採用業務に関する課題をオールインワンで解決するソリューションだ。

「『ジョブオプ』の機能には、面接の自動設定、効果的な採用HPの構築、費用対効果の分析などもあります。今、採用業務の一元管理化は重要なテーマとなっていますが、『ジョブオプ』ではそれを容易に実現することができます」

ここで高槻氏は『ジョブオプ』の導入事例を紹介した。公衆浴場施設を運営するA社の課題は、媒体に掲載するだけでは必要な応募数が集まらない状況にあった。『ジョブオプ』の導入で、独自の採用HPを作成してSEO対策も行い、結果、応募数が月平均100件と大きく数字を伸ばしたという。

「『ジョブオプ』は、工程ごとにプロセス管理を行い、すべての応募者に対してデータ分析ができます。そのため、どの媒体に費用をどう振り分ければもっとも効率的な採用ができるかを分析することも可能です。採用を科学することができます」

講演写真

高槻氏によるプレゼンテーション:
「労働力人口減少の時代におけるシフト管理業務の効率化」

次に高槻氏はもう一つの重要な課題として、シフト管理を挙げる。現状、シフトが細かくなりつつあり、そのために在席者数は増え、それらを管理する業務が担当者の大きな負担となっている。

「私たちが500社に聞いたアンケートでは、シフト調整のために割く時間は月平均で15時間もありました。業務の合間で管理業務が発生するために担当者の仕事の効率は落ち、それが心的ストレスにもなります。その上、働き手からすれば希望シフトを出したのになかなか決まらず、自分の予定も決められない。すると他のバイトに移る、ということも起きます。これは非常に重要な問題です」

同社の調査では、働き手が出した希望シフトのうち、2割程度はその通りになっていないという結果が出ている。貴重な労働力が浮いてしまっているわけだ。そこで同社はシフト管理のシステム化を推進している。

「私たちが提供するシフト管理システム『シフオプ』は、店舗スタッフのシフト作成・管理をオンライン上でできるサービスです。希望シフトの収集を自動で行い、欠員の時間帯を可視化できます。これらの情報は店舗間で共有できるため、互いに店員の応援を段取ることができます」

高槻氏はここで二つの導入事例を紹介した。一つ目は、映画館を運営するB社。
「同社は多い所では1店舗で150人ものスタッフを抱えています。そのためシフト調整に複数人でのべ85時間もかかっていました。しかし、システム化によって41時間の削減に成功。システム化によって1時間枠のヘルプ募集も可能となり、人員不足が解消できています」

二つ目の事例は、複数の飲食店ブランドを運営するC社。これまでなかなかシフトが埋められなかったが、店舗間の連携を強化して埋めることに成功した。現在は比率にして店員10人のうち一人は他店舗からの応援スタッフでまかなっている。システム化で時間やコストが大幅に削減できている。

「店舗運営では、既存のスタッフの稼働率をいかに上げるかは重要な問題です。システム化によって人材のムダをなくすことで、より効率的な運営が可能となります」

トークセッション:「細かな工夫で成果は変わる」

安藤:A社について、なぜそれだけの効果が出せたのか、もう少し詳しく教えていただけますか。
自社で作る場合と、ジョブオプで作成するのでは、どこに違いがあるのでしょうか。

講演写真

高槻:採用HPはただ作ってもダメで、そこにいかに流入を増やすかが肝となります。私たちにはこれまで『タウンワーク』や『フロム・エー ナビ』等の求人メディアで培ってきたSEO対策や、応募者がサイトに来てからの動線設計にノウハウがあり、それらを活かすことで流入者を増やしています。

安藤:C社では、いろいろな種類の居酒屋を経営されています。その店員には仕事内容に違いもあると思いますが、どのような条件であれば他店舗への応援はうまくいくのでしょうか。

高槻:C社の場合は、メニューや多少のオペレーションに違いがあるだけで、店員の仕事内容には大きな違いはありませんでした。そのため、数ヵ月の勤務経験があれば応援に行くことが可能となっていました。ただし店舗間の応援には工夫もあって、以前は各店舗でシフトを決めるタイミングがバラバラだったのですが、それを改めてタイミングを合わせることで、店舗ごとの過不足に応じて応援調整がしやすくなりました。また他には、これは他社の例ですが、応援スタッフにその分の交通費を支払ったり、ヘルプ時給を高めに設定したりするなど、応援が生まれやすくなる仕掛けも個々で行われています。

最後に高槻氏が次のように語りかけて、講演は終了となった。「人材確保では、ぼんやりした方策ではなく、地に足のついた戦略を考えることがポイントとなります。そして工程をしっかりシステム化し、データ化して状況を可視化していく。その上でコミュニケーションスピードを上げなければ、この先の人手不足の解消は難しくなるかもしれません」

講演写真
本講演企業

リクルートジョブズは、『タウンワーク』をはじめとする 様々なメディアや業務支援サービスを通じて新しい価値を創造することで、 カスタマー、クライアントのベストマッチングを目指しています。 また、私たちは未来の労働市場を見据え、より多種多様な働き方の実現に貢献す るために、採用コンサルティング事業や新たなテクノロジーを駆使したサービス の提供にも取り組んでいます。

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