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特別講演[E-4]

会議から始まる問題解決
~短時間で新しい解決策がどんどん生まれる新手法 視覚会議®

矢吹 博和氏
株式会社ラーニングプロセス 代表取締役
矢吹 博和氏(やぶき・ひろかず)
プロフィール:視覚会議®マスタートレーナー
見える化を活用した会議改善のスペシャリスト。会議手法『視覚会議®』の開発者。
横浜市・倉敷市の町づくりから、日産自動車・富士通など大手企業向けの未来創造まで、短時間での合意形成や未来創造のためのワークショップを多数開催。大手企業を中心に導入・定着に成功させている。

未来志向で問題解決ができる「視覚会議®」

本日は、短時間で新しい解決策がどんどん生まれる新手法「視覚会議®」をご紹介します。単なる会議の効率化や、運営の方法の話ではありません。例えば、「5年先の価値を創造したい」「会社の肝である新規事業を創造したい」といった、未来志向で問題解決をしていくやり方ととらえていただければと思います。

皆さんは、ダーウィンの進化論をご存知でしょうか。この中では「強い存在ではなく、変化に対応できる存在だけが生き残る」と言われています。今年、フィルムメーカーのイーストマンコダックが経営破たんしました。それに対して、日本のフィルムメーカー、富士フィルムは変革を遂げ、すごい売り上げを記録しています。同じ業界なのに、この差は何なのでしょうか。これはまさに、変化に対応できたかどうかの違いなのです。

誰もが変化に対応しなければならないとわかっていても、どこに向かっていけばいいのかわからないというのが本音でしょう。今までの延長戦上に正解があるとは限りません。そもそも答えというものがないのです。企業にいまどんな悩みがあるかを聞くと、「成熟した市場で急成長が見込めないので、一石を投じる新たなサービスや価値創出が急務」という声もあれば、「ルーチン業務で手一杯。しかし、新たな次元での業務改革が求められている」という声もある。どちらも、答えがないものばかり。しかし、業務で忙しい中、時間もない中で考えていかなければならない。皆さんは、こんな状況にいるのです。

問題「エレベーターの待ち時間を解決せよ」

「答えがない状況」と言っても、皆さん、ピンとこないかもしれません。そこで、ミニワークを行いましょう。問題は「エレベーターの待ち時間を解決せよ」というものです。とある海外のオフィスビル、結構古い建物ですがテナントはたくさん入っています。朝はいつもエレベーター前に行列ができて、クレームになってしまう。その解決策として、業者は「エレベーターを増やしましょう」とか「新たにエレベーターの制御装置を付けましょう」「エレベーターの機種変更をしましょう」などと言ってきました。どれもコストがかかるので、オーナーは社員に意見を求めました。そしてある社員の提案を実行したところ、コストをかけずに問題解決できたそうです。さて、どうしたのでしょうか。皆さんで話し合ってみてください。……いかがでしょうか。答えは「エレベーター前に大きな鏡を置いた」です。

矢吹氏/講演 photo鏡を置いたことで、待ち時間に身なりを整えたり、顔が見えた社員とあいさつしたりして、待ち時間が気にならなくなったのです。エレベーターそのものではなく、待つ気持ちを解決したというわけです。いま私たちには、こんな視点が必要なのではないでしょうか。

このような答えのない問いに対し、これまでのやり方で対応するとどうなるでしょうか。トップダウン型で解決しようとすると、論理的な戦略や計画であっても変化のスピードに対応しきれなかったり、部下がやらされ感によってモチベーションが下がったりと、スムーズに解決できません。ボトムダウン型で解決しようとすると、自由なアイデアは出るが収束しない。アイデアが出ても実現可能性が低いなど、うまくいかないのです。

「あるべき姿」から「実行シナリオ」までを創る

では、どうすればいいのでしょうか。答えがないわけですから、創ってしまいましょう。自分たちで考えて動けば、その動きが答えになります。ただし、一人ではできません。現場の知恵を集めて、創っていくのです。しかし、今までの延長でやってもうまくいきません。まずは自分たちのあるべき姿、未来の姿から創っていきます。単なる売上目標といった数値ではなく、例えば、「顧客に何を提供するのか?」「顧客の心情は?」「従業員の感情は?」「プロセスや環境は?」など、どんな状態が理想なのかをみんなで考えます。そして、全体を通してあるべきシーンを思い描くのです。

答えを創るには、三つのフェーズが必要です。

  1. まず、未来を起点に、あるべき姿を創る。
  2. 既存の概念・経験にとらわれず、ゼロからアイデアを創る。
  3. 革新性と実現性を両立させた実行シナリオを創る。

これを創るのが視覚会議®です。参加者全員で自由かつ創造的に、短時間で実現可能性の高い解決策を創りあげる、未来志向の会議です。みんなの知恵を見える化し、つなぎ合わせ全員が納得するシナリオを創り上げます。

ファシリテーター

進行管理や議論の見える化を担います。中立的な立場で進行し、結論や議論の方向性には関与しません。

会議参加者

事前準備は不要で全員参加・発言が可能。人数は3名から12名程度まで対応可能です。

ガイドツール

視覚会議のプロセスや創造的に解決策やアイデアを創りだすためのやり方、会議ルールが記載されたカードマニュアルです。

テンプレート

意見やアイデア、解決策を書き出すことを目的に、認知心理学、創造工学などの手法を組み入れてデザインされています。

発想トリガーツール

創造的に解決策やアイデアを創り出すためのアイデア発想ツールです。

「実現可能性は一切無視」だから名案が出る

では、具体的に会議の流れを見ていきましょう。全体は以下のようになります。

  1. 議論の起点となる未来やゴールを創る(50分)
  2. チームの知恵を活用し、戦略や解決策を創る(60分)
  3. ブラッシュアップで皆が納得するシナリオを創る(120分)

(1)「未来やゴールを創る」には、「発散→関連付け→選択(収束)」という流れがあります。発散では参加者は事前にテンプレートに単語を出しておき、それをファシリテーターがホワイトボードにまとめていきます。関連付けでは全体を俯瞰し、関連する意見をつないでいきます。選択(収束)ではその中から意見を選び、ストーリーを組み立て、作文をつくります。

(2)「戦略や解決策を創る」では、(1)のストーリーを実現するHOWについて考えます。ここではこれまでにないアイデアや解決策を創るために発想カードを使います。「6観点カード」は視点や観点を拡げるためのカードです。ヒト、モノ、プロセス、環境や意味・価値、五感などを考慮し、あらゆる視点から考えを引き出しやすくします。「智慧カード」は具体的な解決策を生み出す発想のヒントとなるカードです。もともと特許を調べ上げて、特許を取得する発想の40パターンから作られたものです。例えば、「二つをあわせよ」「他にもつかえるようにせよ」といった具合に、考えるヒントが書かれています。

矢吹氏/講演 photo解決策を選択する上で注意しないといけないのは、アイデアを選ぶ場合、実現可能性を一切無視することです。実現可能性を無視しないと、つまらないものやモチベーションが下がるアイデアが選ばれる可能性もあります。あくまでも「これまでにない」「これをやってみたい」と思えるものを基準に選びます。

ここで智慧カードを使ったミニワークをやってみましょう。テーマは「会議室のホワイトボードマーカーのインク切れをなくしたい」です。30秒ごとに画面にカードが出るので、それに従って発想してみてください。それではいきます、最初は「二つをあわせよ」です。例えば2本のペンを常に輪ゴムでまとめておくというのはどうでしょうか。次は「色を変えよ」→「出なくさせるか、出たものを戻させよ」→「大雑把に解決せよ」→「ほかにも使えるようにせよ」……慣れるとたくさん出せるようになります。

最後は(3)「ブラッシュアップでシナリオを創る」です。ここで使うのは、PPCOという手法です。PPCOはアイデアを強化し、ブラッシュアップするための創造工学の手法です。

PP(Plus Potential)メリットの列挙

そのアイデアにはどんなよい点があるかを考えます。時間は30分程度、ほめまくるわけです。ほめブレストです。これによりチーム全体の雰囲気も盛り上がっていきます。

C(Concern)懸念点の列挙

そのアイデアに冷や水をかけます。全員で徹底的につぶしにいくわけです。批判ブレスです。リスクや懸念点をとことん洗い出します。

O(Overcome)懸念点の打破

いくつかの問題の中から一番重い問題を取り上げ、チーム全体で解決します。ここでは必ずと言っていいほど解決策は見つかります。なおかつ一番重い問題の解決策には二つ目や三つ目に重い問題点の解決まで含まれることが多いのです。

このようにPPCOでは、ほめて、けなして、また持ち上げると乱高下が激しい分、チーム全体が気持ち的にのってくる点にメリットがあります。一度ダメだと思ったところから復活するのでドラマチックなのです。

このように、現状分析も原因分析もせずに視覚会議®は行いますが、それでも短時間で全員が納得する解決策が創れるのです。これまでに日産自動車、大建工業、オリエントコーポレーション労働組合、富士通といった大手企業にも導入されています。ぜひ一度、皆さまも体験してみてください。本日はどうもありがとうございました。

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