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特別セミナー[B]

多様化する14シーズンを成功させる3つの秘訣
~採用担当者が今検討するべきこと~

西澤 亮一氏
株式会社ネオキャリア 代表取締役
西澤 亮一氏(にしざわ・りょういち)
プロフィール:1978年生まれ、北海道出身。大学在学中より起業を目的とした就職活動を行い、2000年4月に新卒として投資会社に入社。投資会社からの出資を受け、2000年11月に取締役としてネオキャリアの設立に携わる。2002年4月、代表取締役に就任。営業、コンサルティング、マネジメント、人事、 M&A、事業開発と自身も幅広い経験を経て、ネオキャリアグループを成長企業へと育て上げ、現在に至る。

採用の成否に明暗が分かれた13年度を踏まえ、14年度を考える

弊社では、年間約500社の採用支援を行っており、就職サイトへの集客から、採用サポート、教育・研修企画など、採用に関する入口から出口までを総合的にプロデュースしております。そうした経験と実績に基づき、本日は「多様化する14シーズンを成功させる3つの秘訣」についてお話していくわけですが、まずは簡単に、2013年度の採用を振り返ってみたいと思います。

2013年度は、新卒採用の広報活動開始が「10月1日以降」から「12月1日以降」に変更されました。そのため、ここ数年で最も市場に変化のあった年だったと言えるでしょう。2013年度採用の開始前には、この改変による影響として、「エントリー数の減少」や「学生の企業理解度の低下」が懸念されていましたが、予想通り、年内のエントリー数は激減。エントリーは一部の企業に集中しましたが、一方で、個別ではない一括エントリーが増加しました。また、年明けに選考が集中したため、企業間の競争が激化し、ブランド力のある人気企業とそうでない企業とで、採用の成否に明暗が分かれてしまいました。

それでは、2014年度はどうなっているのかと言うと、「年次を問わない採用」「外国人の積極採用」「facebookページ開設企業の増加」「採用窓口の多様化」など、新たなトレンドが生まれてきています。そこで、こうした変革期の中で2014年度採用を成功させるポイントについて、「インターンシップの活用」「採用手法の検討&手間かけ」「求める人物像の明確化」の3つの視点から、お話していきます。

学生からの需要が高いインターンシップを「認知度アップ」に活用する

まず「インターンシップの活用」ですが、ご存知の通りインターンシップとは、産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するために実施するものです。2012年度まではインターンシップが採用に大きく影響を及ぼしていましたが、2013年度からは期間や告知方法、プログラム内容、参加対象者などの規定が変わり、採用には直接関係がない、純粋な「就業体験の機会」の場として提供されることになりました。

その結果、2013年度にインターンシップを実施した企業は、採用活動を行った企業全体の約30%で、前年度比で約1000社減。参加した学生数は全体の28.4%で、前年度に比べ、20.3ポイント減となりました。

西澤氏/講演 photoただし、「就業体験のために参加したい」という学生数は、前年度に比べて27.9ポイント増の75.2%。2013年度のインターンシップについては、需要(参加したい学生)と供給(受け入れ人数)のバランスが崩れていたと言えるでしょう。

このような状況から、インターンシップは採用に直接的には結びつきませんが、特に2013年度の採用で苦戦した企業様には、余裕があれば「認知度」を上げるためにも、実施することをおすすめします。

ご参考までに、学生満足度の高いインターンシップの内容は、1位「学生へのフィードバックがある」、2位「社員との交流がある」、3位「学生同士の交流ができる」、4位「仕事の体験ができる」という調査結果が出ています。そもそもインターンシップの目的は就業体験ですから、カリキュラムを検討するに当たっては、1位〜3位の項目をいかにプログラムに組み込んでいくかが鍵となるでしょう。また、学生のエントリーが集中するのは6月〜7月なので、時期としては6月に実施するのが理想だと言えます。

ソーシャルメディア活用の成功例はわずか。取り組むなら覚悟が必要

次に、「採用手法の検討&手間かけ」について考えていきます。2013年度は「ソー活元年」と呼ばれたように、2014年度も、採用に当たってソーシャルメディアの活用は欠かせないように思われます。現在、ソーシャルメディアを活用している企業は約1300社、学生は約10万人。1学年の学生数は50万人と言われていますから、20%の学生が何らかのメディアを使っている計算になります。

ソーシャルメディアには、さまざまな種類がありますが、採用活動で特によく利用されているのは、実名の使用が規定されているfacebookです。ところが、企業のfacebookを活用した情報発信が活発になってきている一方で、ファンページに「いいね!」が付かなくてページが全く活かされていない、あるいは「いいね!」が付いても話題にしている人が少ないという企業は多く、双方向コミュニケーションがほとんど生まれていないのが実情です。その結果、継続的に情報を発信する企業は減少。ソーシャルメディアが直接的な採用につながっていない企業は多いようです。理由としては、ソーシャルメディアを「最終的な採用にどのようにつなげるか」をしっかりとイメージできていないことが挙げられます。中途半端に手を出すくらいであれば、むしろ利用しないほうがよいでしょう。

とはいえ、やはり今のご時世、「ソーシャルメディアをぜひ活用したい」とお考えの企業様も多いことと思います。そこで、ソーシャルメディアを活用した採用を成功させるコツとして、次にお話しする3つを覚えておいていただきたいと思います。それは、「ソーシャルメディアの活用目的を明確に設定する」「短期的での効果を期待し過ぎない」「手間(時間)がかかることを理解しておく」ということです。また、活用方法でいうと、例えば弊社では、3次選考でfacebookのファンページを使用したグループワークを課題にするなど、選考の中にソーシャルメディアを取り込む工夫をしています。ほかにも、リクルートやニトリなど、一部の企業ではソーシャルメディアをうまく活用しているので、成功事例を研究してみるとよいでしょう。

ただし、内定承諾率を上げるためには、採用したい学生に対し、繰り返しメールや電話で連絡を取ったり、座談会や食事会を開催したりすることのほうが効果的な場合もあります。ですから、「ソー活」という言葉に踊らされることなく、自社がどこに手間をかけるべきなのかについて、しっかりと検討する必要があるでしょう。

求める人物像を明確にすれば、学生を惹き付ける応募要件が決まる

最後の3つ目は「求める人物像の明確化」です。採用において求める人物像を明確にすることは極めて重要で、ここが曖昧では良い人材採用につながりません。

先日、岩波書店が「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」という応募基準を打ち出し、「コネ採用」ではないかと物議を醸しました。しかし、本当に就職したいと思っている学生であれば、コネはなくても、著者や社員にアポイントを取り、紹介状を取る、あるいは紹介してもらえるように依頼するという行動を起こすのではないでしょうか。この応募要件を「コネ採用」と感じてしまうところに、昨今の学生に足りない要素――コミュニケーション力、主体性、積極性の欠如が見て取れます。

岩波書店のほかに、ユニークな応募要件や方法を打ち出している企業としては、応募時点で「重い課題」の提出義務を科すライフネット生命、「節就」と銘打ち、職種によって採用窓口を分けているカヤックなど、さまざまな例があります。

西澤氏/講演 photoですから、「応募者は集まるけれども、学生の質が落ちている」と感じていらっしゃるとしても、これらの企業のように応募要件や採用方法に工夫を施すことで、本当に意欲的で、志望度が高く、行動力のある人材を集めることができるかもしれません。

ただし、繰り返しになりますが、これらの例は「求める人物像」が明確になっているからできることです。「求める人物像」のイメージを、具体的に因数分解していくことが必要です。例えば、「コミュニケーション力の高い人材」を求めるならば、「自社にとってコミュニケーション能力とは何か」を具体化していく必要があります。ほかにも、「笑顔」「元気」「傾聴力」「主張力」など、いろいろなキーワードが出てくることでしょう。それらの言葉一つ一つを分解、具体化して定義づけることで、「求める人物像」は明確になっていきます。

以上、「多様化する14シーズンを成功させる3つの秘訣」を見てきましたが、それ以前に重要な人事の仕事として「新卒採用で考えるべき3つのポイント」があります。それは、「誰に」(=求める人物像)「何を」「どのように」アピールするのかを、明確にするということです。このことを最後に強調しておきます。皆さんにはぜひ、2014年度の採用を成功に導いていただきたいと思います。本日は、ありがとうございました。

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