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特別講演[D-2]

現場ですぐに使えるコクヨのプレゼン&会議ファシリテーション術

下地 寛也氏
コクヨファニチャー株式会社 【コクヨの研修】スキルパーク シニアトレーナー
下地 寛也(しもじ・かんや)
プロフィール:1992年コクヨ入社後「ワーカーの行動と環境」についての研究・分析を担当。2003年より顧客へ企業変革のコンサルティングや教育研修サービスを提供し現在に至る。コクヨ人財開発部にてグループ人材育成戦略も担当。著書『会議がうまくいく たった3つの方法』『コクヨの1分間プレゼンテーション』(共に中経出版)

20分で分かるプレゼンテーションのテクニックとは?

下地氏/講演 photo本日は、コクヨで実践している、基本的なプレゼンや会議ファシリテーションのスキルについて、お話しいたします。コクヨが提供するスキルアップ研修として、「創造3力研修」があります。思考力(ロジカルシンキング)、提案力(プレゼンテーション)、討議力(会議ファシリテーション)の三つですが、本日はその中でもすぐに現場で使えるテクニックとして、提案力(プレゼンテーション)と討議力(会議ファシリテーション)の二つをご紹介していきます。

まず、提案力(プレゼンテーション)を向上するための「プレゼンテーションテクニック」について、ご説明しましょう。例えば、ビデオを使ってさまざまなプレゼンテーションの様子を撮影してみると、ダメなプレゼンにはいくつかのパターンがあることが分かります。それは、「話し方に自信がない」「シナリオが場当たり的」「資料が見にくい」の三つです。では、これらをどのように改善していけばいいのでしょうか。順に見ていくことにしましょう。

(1)話し方に自信がない→自信ありげな話し方をするコツ

プレゼンの際、大きな声で話すのは当たり前のことですが、その他に大事な要素として「視線」「間」「動き」の三つがあります。まず「視線」ですが、ずっと正面ばかりを向いて話すのはプレゼンテーションとしてNGです。なぜなら、両サイドにいる人が阻害されたように感じるからです。ポイントは1センテンス一人ずつにして、視線を移しながら話すこと。そうすれば、多くの人に視線が行き届きます。次が「間」を取ること。ある程度の間を取らないと、聞く人の理解が追い付きません。そして最後が「動き」。体を動かさないで、手を動かすようにするのです。このような仕草を心がけると、聞く人には自信ありげに見えるようになり、プレゼンテーションの内容にも説得力が増します。

また、自信ありげな話し方を身につける方法としては、パーティーグッズの「かつら」を付けてプレゼンの練習をするのもいいでしょう。良い意味でタガが外れて、自分の殻を破ることになり、普段とは違う自分を出すことができるからです。これを何度か繰り返していけば、元気よくプレゼンを行うことができるようになります。

(2)シナリオが場当たり的→1分間で話せるシナリオの型を知っておこう

シナリオ(筋書き)がきちんとしていないプレゼンは、何を言いたいのかがよく分かりませんね。そこで、シナリオが場当たり的にならないように、1分程度で話せるシナリオの型を知っておくことが大切です。なぜ1分なのかというと、聞き手の集中が途切れない時間であると同時に、話し手のプレゼン上達に必要な「情報圧縮力」が身に付くからです。情報はたくさん与えればいいというものではありません。話を聞く相手の「理解のかご」は思ったよりも小さいものなので情報を取捨選択し、「言い忘れ」より「言いすぎ」に注意する必要があります。だからこそ、1分程度で短めに話すことが大切なんですね。

では、話したいことを1分間にまとめるには、どうすればいいのでしょうか。まずは、聞き手に対して疑問を投げかけ(15秒)、続いて簡潔に結論を述べます(10秒)。そして、最後にその理由を説明するのです(35秒)。

最初に疑問を投げかけるのは、「何だろう?」と相手に興味・関心を持ってもらうため。ここで、聞き手をひきつけます。次に結論を述べるのは、「へぇ~」という驚きの気持ちを持ってもらいたいから。その際、相手が意外に思う結論を述べるのがポイントです。そして、理由を説明する際には、少し時間をかけます。相手が頭(左脳:理屈)で理解し、心(右脳:心)が動き、背中を押される(行動・意思決定につなげる)といった流れを作るためです。理由を説明した後で「なるほど。そういうことだったのか」と納得してもらうという訳です。このような話の落とし方をするのが、1分間プレゼンテーションのコツといえます。

頭で理解させることに加えて、気持ちにも訴える。理屈で攻めるだけでなく、感情にも訴える。左脳と右脳の両面で攻めていって、背中を押すような言葉を最後に加える――。効果的なプレゼンを実現するためのシナリオを作るには、これらのポイントに留意する必要があります。

(3)資料が見にくい→見にくい3大ダメ資料とは

プレゼンの際に使用する資料が見にくければ、その内容が聞き手にきちんと伝わりません。問題がある資料には、以下の三つのパターンがあります。

1.目線が泳ぐ資料

こうした資料ができるのは、作り手側が説明の順番を考えずに資料を先に作ってしまい、後で話し方を考えるからです。すると、内容があちこちに飛んでしまい、目線が泳ぐ資料となってしまう。聞き手としても話がいろいろと飛んでいくので、どこに集中すればいいのかよく分からなくなってしまいます。

2.盛り込みすぎ資料

よくあるのが、何でもかんでも取り入れてしまっている資料。「何か聞かれたら困る」「とりあえず説明する項目を入れておこう」などと考えるから、このような資料ができてしまうのです。しかし、これでは話の本筋が見えてきませんね。

3.驚かせすぎの資料

意味もなくアニメーションやいろいろな書体を使ったり、ビックリマークがたくさん出てきたりする資料もよく見かけます。しかし、こういう資料ほど逆に内容が乏しい、ということが少なくありません。聞き手を驚かせることに尽力するよりも、内容をじっくりと絞り込んでいくことのほうが大切です。

このように見ていきますと、プレゼンテーションは映画作りとよく似ていることが分かりますね。映画を作る際には、「シナリオ」を作る脚本家、「話し方」としての役者、そして「資料作り」としての演出家という、三つの立場(スキル)があります。この三つはそれぞれ独立していて、求められる役割は異なります。良いプレゼンを行うには、自分にどの部分が欠けているのかをしっかりと見極め、スキルアップすることが重要だといえるでしょう。

20分で分かる会議ファシリテーションのテクニックとは?

下地氏/講演 photo次は、「会議のファシリテーション」について考えていきましょう。私は、10年以上前からいろいろな会議をウォッチしてきましたが、「時間通りに始まらない」「資料ばかり見ている人がいる」「建設的な意見が全く出てこない」「途中で退席する人が出る」など、問題が山積している会議が非常に多いことが印象に残っています。ではなぜ、こうしたダメな会議になってしまうのでしょうか。それは、進行役の立場にある人(司会者、ファシリテーター)が「会議の進め方の基本」を知らない上、そのことを自覚できていないからに他なりません。

ダメな会議には「アイデア・意見が出ない」「時間通り結論が出ない」「会議の空気が重苦しい」という三つのパターンがありますが、それぞれ対処するためのアプローチは異なります。ここでは、その対処法について考えていきましょう。

(1)アイデア・意見が出ない(アイデアマネジメント)材

誰からも発言がなくて場がシーンとしてしまい、当事者意識の感じられない会議というのはよくあります。この場合の責任は進行役にありますが、そもそも質問の仕方が悪いことが問題です。例えば、「残業をどう思う?」といったような漠然とした質問の仕方では、一般論しか出てきませんよね。「A営業部門の一人当たり残業時間は月40時間。一方、B営業部門は10時間です。このような差が出るのは、どこに原因があると思いますか?」などと、具体的な問いかけをしなければ発言は出てきません。

発言には、「事実を述べる」「アイデアを述べる」の2種類がありますが、事実を述べることは簡単ですね。ありのままのことを言えばいいんですから。しかし、アイデアは誰もが簡単に言えることではありません。ここで知っておいてほしいのは、アイデアとは「ひらめき」ではなく、「既存の知識の新しい組み合わせ」ということ。ですから、進行役はアイデアを引き出すために、「これまでの経験から、この点について言えることはありませんか?」といった聞き方をしなくてはなりません。

アイデアを出す力は、トレーニングで身に付けることができます。先ほど申し上げたように、アイデアとは既存の知識の組み合わせですから、その組み合わせのプロセスやパターンをいろいろと試していくことで、アイデアを出す力はついてくるのです。これはスポーツと同じで、適切なトレーニングを日々積んでいけば、力は付いていきます。それができれば、必ず自分の過去の蓄積からアイデアを出すことができるようになります。

アイデアを出すためのヒントとしては、「何かムダになっていることはないか?(削る、無くす)」「何かまったく方向性を変えられることはないか?(逆にする)」「何か極端に短く(長く)することはできないか?(誇張する、配分を変える)」「何か他の業界でヒントになることはないか?(関連付ける)」といった視点を持ち、常識や当たり前になっていることに対して、問いかけや疑問を投げかけてみることです。そこから、新しいアイデアや発想は生まれてくるのです。

会議を進める際は、進行役となる人が質問内容を細かく具体的にして、その中でいろいろな視点から問いかけを行い、皆の考えや思いを引き出していくことです。そうしたアプローチを意識的に行えば、アイデアや意見が出ないということは少なくなるでしょう。

(2)時間通り結論が出ない(タイムマネジメント)

意見は出るがなかなか話がまとまらず、時間だけがどんどん過ぎていき、結論にまで至らない会議というのも、起こりがちです。ここで結論が出ないのは、何よりも決め方自体を決めていないからです。

そもそも会議の決め方は、4種類しかありません。「参加者の多数決で決める」「責任者の直感(判断)で決める」「評価項目で評価して決める」そして「(時間はかかるが)議論で全員が合意して決める」の四つです。ダラダラと会議が続いて時間内に結論が出ないのは、4種類のうちどれにするのかを決めていないからです。定刻が来ても結論が出ない時や徹底的に議論をしても決まらないような時は、進行役に「今日の会議の結論はどうやって出すのでしょうか?責任者に一任しますか?それとも多数決で決めますか?」と問いかければいいのです。このような決め方を知っておくことで、時間通りに結論がでないという事態は、大幅に回避することができるはずです。

(3)会議の空気が重苦しい(チームワークマネジメント)

意見は出るし、論理的な会話も行われますが、参加者同士が対立して険悪なムードになり、重苦しい雰囲気となってしまう会議もありますね。言うまでもなく、こういう会議の空気を作っているのは、その場にいる人たちの中で、立場の一番高い人です。こういう状況では、どうすれば空気が重苦しくなくなり、議論をスムーズに進めることができるでしょうか。それには、進行役となる人が、会議の空気をコントロールしようという意識を持つことが大切です。

会議の際に進行役がやるべきなのは、「笑顔を作る」「傾聴する」そして「発言をほめる」こと。「笑顔」は、意識して作るべきです。無表情な顔では人は意見を言いにくいので、特に進行役の立場にある人は、日頃から意識して口角をあげるよう、心がけてください。同様に、「傾聴」(しっかり相手の話を聴くこと)も自ら実践していくことが重要です。そして、発言に対しては積極的に「ほめる」こと。参加者は発言するのに勇気が必要ですが、「いいですね」の一言で参加者のモチベーションは高まります。このような工夫を行うことで、ポジティブで自由な意見が出る空気を作っていきましょう。

下地氏/講演 photoなお、会議の空気を作るには、最初の5分間が重要です。進行役がするべきことは、「板書の引き受け」「時間割を作る」「批判後回し宣言」「自分が引っ張る」の四つ。その後、進行役は三つのマネジメントに集中します。それは、「例えば、どんなことですか?」と問いかけを行う「アイデアマネジメント」、「あと20分、頑張りましょう」と皆に時間を意識させる「タイムマネジメント」、そして参加者の発言に対して「いいですね」と相づちを打つ「チームワークマネジメント」の三つ。このような会議のファシリテーションテクニックを身に付けられれば、活発な意見・アイデアが出て会議が進行し、時間通りに結論が出るようになるでしょう。

以上、コクヨで実践している具体的なテクニックについてご紹介して参りました。本日お話したことを参考に、会議の際には、ぜひ効果的なプレゼンやファシリテーションを行ってください。ご清聴ありがとうございました。

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