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特別講演[B-3]

ありふれた採用活動の枠から抜け出す3つの視点

中川 智尚氏
株式会社カケハシ スカイソリューションズ 代表取締役
中川 智尚氏(なかがわ・ともひさ)
プロフィール:1965年島根県生まれ、京都大学経済学部卒。リクルートを経て95年にワイキューブへ入社。03年よりワイキューブ副社長として中小企業の人材採用コンサルティングを現場で指揮し、手がけた会社はのべ1000社を超える。経営者向けセミナー講師経験も多数。2011年6月に同社を設立し、現職に就任。

学生の見極めを若手社員に任せて大成功

カケハシスカイソリューションズは2011年の設立で、採用、研修、プロモーションなどの事業を行っています。本日は、新たな試みで人を採用し、良い成果が出ている事例について、お話します。

最近は、「学生の質が下がってきた」「優秀な学生に会えない」「学生が何を考えているのかわからない」などとよく言われます。また、「そこそこの学歴の学生が来るようになったが、選考には残らない」という声も多い。そうなると、学歴だけでは採用できません。何かプラスアルファの能力を持っていなければならない。では、どうすれば優秀な学生を採用することができるのでしょうか。

最近は「ゆとり世代が使えない」といった声もよく聞かれます。しかし、私はそれほど批判的には見ていません。どの世代にも、善し悪しは必ずあります。私は今47歳ですが、「最近の若者は……」とぼやいていても仕方がありません。だから最近は、見方を変えるようにしました。「もしかすると、この子たちには自分の世代にはない何かがあるのかもしれないな」と考えるようになったのです。

実は、私も面接をしていて、「学生から入社への意欲が伝わってこない」と感じていました。「会社の知名度がないからではないか」「自分の話がよくないのではないか」などと考えたりもしましたが、やはり、学生側に意欲がない。弊社も今年4月に4名の新人が入社しましたが、選考中は「この子たちは本当に入社してくれるのかな」と心配でした。最近の学生は、入社意欲の見極めがしづらくなっているのです。

そこで私は、「そういう世代なのだから」と考えるようにしました。そして、学生の見極めは、若い社員に任せることにしたのです。しかも、学生と同じ性別の社員に見極めてもらいました。結果はどうだったかというと、大変高い確率で的中しました。これを受けて、私は若い人の感覚を、採用活動でもっと使うべきだと思うようになりました。

目新しい学生がほしいなら「採用に創造力を」

さて、ここからは、優秀な人材をどのように採用していくのかについて、具体的に考えていきましょう。まず、定義を一致させておきたいのですが、優秀な人材の条件とは一体何でしょうか。「明るい人」「いい学校を出ている」「アタマがいい」など、いろいろな考え方がありますが、私は「利益を生み出す人材、利益に貢献する人材」だと思っています。

中川氏/講演 photo時代ごとに、優秀な人材、活躍できる人材の条件は変わっていきます。それは時代背景が異なるからです。近年も、大きく三つに分かれます。一つ目は、1980年代前半までの「工業社会」。当時はモノがない時代でしたから、市場はメーカーが主導していました。何でも、作れば売れた時代です。当時の経営テーマは効率化であり、人事面では終身雇用、年功序列、トップダウンの時代です。

二つ目は、1980年代後半から2000年初頭までの「情報社会」です。モノはあるが情報は少ない時代であり、流通主導の時代でした。経営テーマは販売戦略です。そして、三つ目は「知識社会」です。モノも情報もあふれていて、ユーザーが主導している現在のことです。今は営業マンにクロージング力があるからといって、それだけでモノは売れません。経営のテーマはブランディング、マーケティング。ユーザー自らが情報を検索する時代ですから、ウソもつけなくなっています。

では、この知識社会に求められているのは、どのような人材でしょうか。私は、「独自の価値観を持ち、顧客特性を把握できる人材」「顧客洞察力に優れ、潜在ニーズをキャッチできる人材」「自らの仮説を持ち、その仮説を実行に移せる人材」の三つを上げます。また、現代は高度なコミュニケーション力がすごく重要です。それに、論理的思考も大切です。自分で考えて行動できる、そしてトップダウンではなくボトムアップ。現場で判断できる人、ITリテラシーの高い人材が必要なのです。

ゆとり世代から「骨太人材」を採用する方法

それでは、現在、学生は何を考えているのでしょうか。新卒市場で何が起きているのでしょうか。「2013年卒マイナビ大学生就職意識調査」によれば、学生が仕事に求めるものは「楽しく働きたい」「仕事だけでなく、プライベートも充実させたい」「人のためになる仕事をしたい」「誇りを持てるような仕事をしたい」の4点。「お金を稼ぎたい」という人は、減ってきています。

では、学生は実際にどのようにして自分の働きたい会社を探すのでしょうか。当然ながら、学生はほぼ全員が就職サイトを使っています。これはもちろん有効ですが、一方で弱点もあります。実は、本当に自分が探したい条件で企業を探せないのです。その結果、行きたくない業種・職種を選択肢から外し、説明会を見て行きたくない会社を外し、なんとか内定が出た会社から一番自分に合いそうな会社を選ぶ……。要するに「やりたいことを選ぶのではなく、やりたくないことを外す」「行きたい会社を探すよりも行きたくない会社を外す」という消極的な選択しかできなくなっているのです。

これを採用のパラダイムで見ると、「仕事→価値観→内定」の順になります。しかし、これからは「価値観→仕事→内定」と、自分の価値観を優先すべきだと思います。順序が変わるだけで、企業は今までには出会えなかった学生と出会えるようになります。まさにゆとり世代の中から、皆さんがほしいと思えるような「骨太の人材」に出会うことができるのです。では、骨太の人材を採用する具体策とは何でしょうか。それは、採用したい人物に、自社への興味を抱かせることです。そのためには、求める人材像をスペックだけでなく、価値観・志向性まで含めて設定することが重要です。

採用には“独創的”な取り組みも必要

ここで、当社が2年前に行った採用の取り組み事例をご紹介しましょう。私たちの人材ターゲットは「新しいもの好きという価値観」のある人材であり、具体的にはITリテラシーの高い学生です。まずは、そういう学生が普段何をしているのかについて、考えることから始めました。話し合った結果、決定したのは「終わらない会社説明会からの脱出」という「リアル脱出ゲーム」を開催することでした。皆さんは、リアル脱出ゲームをご存じですか。大学生に聞けば、半数は手を上げるはずです。出された謎を解きながら、実際に閉じ込められた場所を脱出していくゲームで、若い人の間で大変なブームになっています。

特別講演[B-3] photoどのように進めたのかというと、まずは自社のホームページに謎だけを掲載。説明会をいつどこで開催するといった情報は、全く掲載しませんでした。学生が謎を解くと、ある単語が出てきますが、次はその言葉で見つかるツイッターのアカウントをフォローします。するとようやく、「ネットプリントで招待状を印刷してください」と出てきて、ここで詳細がわかります。招待状にはURLが掲載されており、アクセスすると説明会への参加を予約することができます。

当時、ツイッターは今ほど有名ではありませんでしたが、ITリテラシーの高い学生が初日だけで40名ほどもアクセスしてくれました。なかには旧帝大の理系の学生も何人かいて、これがそれまでには応募のなかった層との出会いでした。

他にも、独創的な取り組みを行っている企業は、たくさんあります。ソニーは採用ホームページで「ソフトウェアスペシャリスト認知コンテスト」を開催。高レベルな理系学生を集めています。また、文系向けには国際レベルのインターンシップを企画しています。ウェブ関連のサービスを行う面白法人カヤックでは、「旅する会社説明会」と題し、日本中をバスで走り回ってバスの中で説明会を開催しました。また、「ワンクリック採用」では、フェイスブックの登録者であれば、クリック1回でエントリーが可能。人事は個人ページを見て、興味のある人といきなり面接を行います。

私たちもリクルーティングサイト「ミートボウル」を運営しており、「得意なことで勝負する」をコンセプトに一芸エントリーを実施しています。学生は、いきなり面接という形で企業と接触できるのです。エントリー内容は、例えば、ジャンルを問わず世界大会に出た人ならエントリーできる「世界大会出場経験者採用」。出身大学は不問ですが、高校は一流進学校という「元・神童採用」。強豪体育系クラブの補欠経験者を対象とした「強豪チームの万年補欠採用」など、型破りな応募条件での募集企画が目白押しです。

本日お話しました内容を参考に、ぜひ皆さまの企業でも、新たな採用にトライしてみてください。本日はどうもありがとうございました。

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