第3回
[実験結果] AI導入で「働き方」は、より人間らしくなる
第3回「[実験結果] AI導入で「働き方」は、より人間らしくなる」では、「AIが雇用を奪うのか」という疑問に対して実証実験の結果を共有した。対象となった職種はデータサイエンティスト。データサイエンティストは、米マッキンゼーの調査によると、2018年までに100万人不足すると算出されている職種である。このため、AIの導入によって生産性が高められることを期待されている分野といえるであろう。
筆者も所属するリクルートホールディングス社では、2015年の11月に前述のDataRobot社へ出資を行い、その後、同ツールをリクルートグループ全社へ導入する実験を行った。実験は、13グループ会社の80組織で行われ、その結果、合計5,000個以上の予測モデルが作成された。作成されたモデルのうちの80%は、データサイエンティストではない職種の人材により作成されており、AI導入で以下の具体的な効果があることが分かった。
第4回
メンタルヘルス × AI 復職支援にAI活用
第4回「メンタルヘルス × AI 復職支援にAI活用 」では、メンタルヘルスへのAI活用について解説した。うつ病の人のための行動記録ツール「うつレコ」に入力されたデータをDataRobotで分析したところ、直近2週間のスマートフォンに入力された睡眠時間、気分、行動などのデータから、次の1週間の体調を80%程度の確率で予測することが可能となり始めている事例を紹介した。
うつ休職からの復職の際、復職面談の時間は平均して30分程度である。産業医の先生が初めて会った人に対して、その日の体調に引きずられながら、復職可能か判断することは、実はとても難しい意思決定である。 このような問題に対し、うつレコを活用することで、産業医の先生が事前にデータを予習し、かつ、人工知能が予測した結果も参考にしながら面談に臨むことが可能となる。