人事3.0へ向けたDataRobotの活用
本連載の第1回「人事3.0 - 人事の進化なくして第四次産業革命なし -」で解説した通り、人事の業務プロセスに対するDataRobotの導入が成功したあかつきには(= 人事2.0)、ぜひ、人事が率先して人事以外の業務への導入にトライしていただきたい(= 人事3.0)。DataRobot社の日本マーケットを担当しているシバタアキラ氏は期待を込めて以下のように語る。
「私が昨年より取り組んでいるのは、であると同時にです。中長期的な大きな価値創造を引き起こすためには現在すでに起こりつつある変革を的確に捉えることが重要です。実務者、経営者双方が今すでに起こっている人工知能事例に目を向けていく必要があります。具体的にDataRobotが活用されている応用事例を見ていきましょう。
歩留まり予測:特に製造している製品の歩留まりが悪い場合、製造工程の途中で完成後の不良が予測できれば、大きなコストカットにつながります。半導体のような歩留まりの悪い製品に限らず、1%以下の不良品率においても機械学習モフモデルが利用されています。一つひとつの製品における不良品確率を予測するだけでなく、モデルから得られるインサイトによって、製造工程の改善、さらには製品デザインの改善へと応用が広がりつつあります。
売上予測:出店前、出店後の店舗の売上予測、顧客単位の売上予測、商品単位の売上予測など、さまざまなレベルでの予測が可能です。商品単位の売上需要予測ができれば、そこから在庫管理、さらにはどのような商品が売れるのかをシミュレートして、商品開発にも応用が可能です。
予測メンテナンス:定常的に動作し続けている装置、例えば石油のパイプラインやビルのヒーターなどのインフラ設備において、故障や不具合を事前に予測し、発生する前にメンテナンス作業を行うことが可能になります。最近IoTと言われて普及しつつあるデータ収集の仕組みがこのようなユースケースを生み出しています。
ローンデフォルト:金融機関によるローンの貸し倒れ予測は予測モデルの応用分野としても長い歴史があります。初期申込みの与信審査、クレジットカード利用者への途上与信など、種類によって使われるデータは、顧客属性だけでなく買物履歴なども含まれます。