デジタル・テクノロジーは、HRをどう変えていくか
~アクセンチュアのVR面接~(後編)
佐藤 優介さん(アクセンチュア株式会社 人事部 新卒採用チームリード)
VR(Virtual Reality/バーチャルリアリティ)コンテンツを活用した面接体験ができるイベントを開催するなど、デジタルとビジネスを融合させる強みを活かした採用広報を、積極的に行っているアクセンチュア。テクノロジーはHRをどう変えていくのか。VR面接を行った背景や概要を紹介した前編に引き続き、アクセンチュア株式会社 人事部の佐藤さんにうかがいます。
- 佐藤 優介さん(サトウ ユウスケ)
- アクセンチュア株式会社 人事部 新卒採用チームリード
早稲田大学政治経済学部卒業。大学時代にベンチャー企業での新規事業立ち上げ、起業を経て、アクセンチュアに戦略コンサルタントとして入社。主に金融機関向けのコンサルティングプロジェクトに従事する。その後コンサルタントの仕事の傍ら、高校生・大学生向けのキャリア教育支援団体である「NPO法人JUKE」を創業し、ジョブシャドウイングの普及に努める。2012年の娘の誕生にともなってNPOの代表を後進に譲り、その後1年間の育児休暇を取得。子育てをしている中で「人材育成に関わりたい」という思いが強くなり、職場復帰の際に人事部に異動。人事部では中途採用・第二新卒採用の担当を経て、現在は新卒採用チームリード(新卒採用責任者)として、仕事に邁進している。
VRやAIを、もっとHRに活用できないか
佐藤さんが考える「HRに活かせるテクノロジー」にはどのようなものがありますでしょうか。
個人的に注目しているテクノロジーは、「VR」と「AI」です。VRは遠隔地との採用面接に活用したいですね。例えば海外との採用面接は音声だけになってしまうことが多く、信頼関係を築くには工夫が必要です。また中途採用では昼間帯に仕事をしている忙しい方の場合は、面接が夜遅い時間になってしまうことがあります。そのような遠隔地であっても、VRならお互いの距離を感じさせない面接シーンがつくれるのではないかと期待しています。
実は最近、シカゴで開催された「HR Technology Conference」に参加してきたのですが、会社のサービスやオフィスの紹介をVRで行っているブースを見かけました。これらを利用すれば、コンサルティングのようなB to Bで一見わかりにくい職種やサービスも、VRで説明することで非常に伝わりやすくなるのではないかと思っています。バーチャル空間で実際の仕事シーンを見てもらう、リアルな疑似体験をしてもらうなど、会社理解のためのコンテンツに役立てるなど、工夫はいろいろできると思います。
また、離れていてもそこにいるような感覚で打ち合わせもできるので、在宅勤務や遠隔地とのリモート会議などにも活かせるのではないでしょうか。実際に弊社ではホログラムを使い、遠隔地との対談や講演を行う取り組みも始めました。グローバルレベルのミーティングとなると、各国からエグゼクティブクラスが集まりますので、工数・予算的は莫大なものとなります。こちらの動画では離れた拠点と中継をつなぎ、CEOたちがホログラムで登場しました。