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日立製作所の新卒採用における人財アナリティクス(後編)

中村 亮一さん(株式会社日立製作所 ICT事業統括本部 人事総務本部 人財企画部)

デジタルをあつかうために、アナログを磨く

株式会社日立製作所 中村 亮一さん

17卒の結果を踏まえ、今後の課題としていることはありますか

内定者のコンピテンシーにおいては良い変化が確認できましたので、次年度以降は母集団形成の強化も図りたいですね。母集団の時点で、人財像にマッチする方々がより多くいる状態を実現させたいと思います。新しい人財像に対しては、より効果的な採用広報・採用コミュニケーションがあるはずなので、これを挑戦すべきテーマの一つとして設定します。

また、弊社の新卒採用では多くの「リクルーター」に協力を仰いでいるので、彼らに対してお願いすることも変わってくると考えています。ここには、面談や面接における質問項目の見直しや、その際に伝えるべきメッセージも含まれるでしょう。

また、入社してくる社員の人財像が変わるということは、育成の見直しも同時に図らなければいけません。人財像を可視化したことで、改善すべき点がより明確になりましたので、挑戦すべき課題も増えました。もちろん、採用や育成だけでなく、人財評価やマネジメントにも今回のアナリティクス結果を応用していけるはずです。

さらには、自社の取り組み結果をケーススタディとして、「ハピネス度(組織の幸福度)」の研究や、人工知能「Hitachi AI Technology/H」を活用した関連サービスの開発など、弊社が進めている組織活性化に向けたさまざまな取り組みにも、貢献していければと考えています。

株式会社日立製作所 中村 亮一さん

最後に、本プロジェクトを通じて得られた学びについて教えていただけますか

定量化・デジタル化する過程においては、「感覚値や勘」といったものが非常に重要になるということです。データはあくまでもデータでしかなく、それらが何を表しているのかを読み解き、人事として解釈を加えていくことが、本プロジェクトにおける大きなチャレンジでした。やはり、数値から気づく「アナログ」の強さや、人事としての勘を磨いて活かしていくことの必要性を感じています。

テクノロジーがどれだけ進化しても、結局は人間がそれをどう活かしていけるかが、プロジェクトの成否を分けるポイントとなります。その際には、人事として問題の一つひとつに真摯に立ち向かい、思考錯誤したという得がたい経験こそがものをいうのではないでしょうか。

 


2016/10/25実践活用事例採用日立製作所アナリティクス中村亮一

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