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日立製作所の新卒採用における人財アナリティクス (前編)

中村 亮一さん(株式会社日立製作所 ICT事業統括本部 人事総務本部 人財企画部)

株式会社日立製作所  中村 亮一さん

従業員数33万人、売上高10兆円(※)を超えるグローバル企業「日立製作所」。1910年の5馬力誘導電動機に始まった同社は大きく発展を遂げ、いまや電力・エネルギーや、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ヘルスケアなど幅広い事業領域において、インフラ技術と最先端のITを組み合わせ、さまざまな社会課題を解決する社会イノベーション事業を推進しています。 ※2016年3月度/連結
人事業務においてもイノベーションを追求する日立製作所では、どのようにテクノロジーを駆使し、業務を進化させているのか。人財企画部 タレントマネジメントグループの中村亮一さんに、採用におけるアナリティクス活用についてうかがいました。

株式会社日立製作所 中村 亮一さん
中村 亮一さん(ナカムラ リョウイチ)
株式会社日立製作所 ICT事業統括本部 人事総務本部 人財企画部 タレントマネジメントグループ 主任

2004年人事総務への仕事を希望し、日立製作所へ入社。同年、関西支社総務部へ配属され、労務・福利・人事・教育と幅広く人事総務業務へ従事した後、2010年から東京本社へ異動、約4年半技術系の採用業務に携わる。

2015年2月より、現在のIT部門の人事担当として採用・ダイバーシティ・人員管理などの業務をメインに担当するほか、同部門のデータアナリティクスマイスタ―、リクルートキャリア社、日本エス・エイチ・エル社と連携し「HR Tech」領域のプロジェクトを立ち上げ、現在に至る。

「とがった人財」「優秀な人財」の再定義から始まった、アナリティクスへの挑戦

株式会社日立製作所 中村 亮一さん

人財アナリティクスに取り組むことになった背景について教えてください

私が採用を担当しているICT事業統括本部では、理系学部出身のエンジニア(SE・設計開発)をおよそ年間250名ほど新卒採用しています。

採用すべき人財要件を議論するなかで、「優秀な人財」「とがった人財」がキーワードとして毎年よく挙がります。日立では全社共通のグローバル人財要件としてコンピテンシーとして共通言語に落とし込んでいましたが、それらはどうしても定性的なものによりがちであることに以前から問題意識がありました。

日立に限らずだと思いますが、「優秀な人財」「とがった人財」というのは個々人の主観によって大きく異なり、しかも日立は電力・交通といった重電分野からITまで多くの事業を擁しているため、これらをひとくくりにして捉えることは容易ではありません。職種についても研究~営業まで多くのバリエーションが存在します。そのため、「優秀」「とがっている」のパターンやタイプを抽出し、定量化・可視化できないだろうかという意識が根底にあったわけです。

そこで、まずは自身の担当領域であるICT事業において、人財要件の再定義にトライすることにしました。多くのデータを取得して、それらを分析していくことで、曖昧な「人財像」を数値化できるのではないかと仮説をたて、そして、その分析結果をもとに、採用活動を行うことで、成果の向上と見える化が図れるのではないかと。さらに、一つの事業でその有用性を証明できれば、他の事業部の採用にも横展開もしていけると考えました。


2016/10/20実践活用事例採用日立製作所アナリティクス中村亮一

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