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習慣化のプロが教える残業削減の継続的な仕組み作り
「仕事の高密度化習慣プログラム」

  • 古川 武士氏(習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役)
2015.12.24 掲載
習慣化コンサルティング株式会社講演写真

現在は長時間労働(残業)を放置しておくと、ブラック企業と言われる時代。しかし、退社時間だけを強制するだけでは、社員の不満が増える一方である。仮に強制力で一時的に削減できても、継続的な改善は見込めない。古川氏の提唱する「仕事の高密度化習慣プログラム」は、上からの強制力ではなく、社員が自律的に単位時間当たりの生産性を高め続けたくなる習慣化メソッド。今回は、残業削減のために不可欠な仕事の高密度化に関する原則・習慣・ツールなどを体験するワークショップが行われた。

プロフィール
古川 武士氏( 習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役)
古川 武士 プロフィール写真

(ふるかわ たけし)日立製作所などを経て独立。本質的な成果を出すには「継続しないこと」が最も大きな課題と痛感し、日本で唯一の「習慣化」をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を開発した。研修・コンサルティングは、120社、2万人に提供している。著書計30万部、海外3ヵ国で翻訳されている。


なぜ、「高密度化仕事術」が必要なのか?

習慣化コンサルティングは、日本で唯一の「習慣化」に特化したコンサルティング会社。何をするかより、「習慣化できないこと」が本質的な問題だとして、オリジナルの習慣化メソッドを開発。それを元に企業へのコンサルティングや研修を行なっている。まず古川氏は、残業削減をするためになぜ仕事の高密度化が必要なのかを説明した。「残業削減は、経営的にも緊急性の高いテーマです。単に時短を実現するだけなら仕事の量を減らせばいい。現に時短を理由に仕事を断る人が出てきたと人事の方は悩んでいます。しかし、本質的には単位時間当たりの生産性を高め、短い時間でより多くの成果を出せるようにならなければいけません」

「高密度化」とは、「単位時間当たりの生産性を極限まで高める仕事の習慣のこと」。古川氏は、高密度化が必要となる三つの要因を、以下のように説明した。「一つ目は、ホワイトカラーの時間が自己管理力に依存していることです。ブルーカラーは工場の中で時間管理や生産性向上のためのシステムが確立していますが、ホワイトカラーは成果を上げるために自分たちで時間を管理しなければなりません。個人の自己管理力を高める施策こそが、高密度化に向けての大前提となります。二つ目は、『残業を減らせ』の精神論では受け身になることです。例えば、19時に退社すると時間を決め、20時以降仕事をする場合は申請が必要、という対応を行う会社があります。タイムリミットを設けることには一定の効果がありますが、ただ『帰れ』というだけでは残業は減りません。むしろ、社員から不満が出たり、社員が自宅に仕事を持ち帰ったりすることになっていまいます。残業を減らし、生産性を高めていくのであれば、精神論だけでなく、具体的な方法論やノウハウを提供していかなければなりません。三つ目は、改善には終わりはなく、習慣化するしかないことです。時間管理は、50代、60代になっても、またどのような役職になっても、終わることはありません。だからこそ、習慣化していく必要があるのです」

「高密度仕事術の習慣」を実践するためのフレームワーク

古川氏は「高密度仕事術の習慣」を、「単位時間当たりの生産性を、極限まで高める仕事の習慣」という定義の下、「原則」「ツール」「改善」という形で体系化した。原則をきちんと行った上で、ツールを用いて改善に向けた方向へと実行に移すことが重要だと言う。

【「高密度仕事術の習慣」の全体系図】
定義 単位時間当たりの生産性を、極限まで高める仕事の習慣
原則
  1. 帰る時間は、絶対に何があっても死守する
  2. 厳しく集中できるエネルギーを充電する
  3. 完璧主義を止め、最善主義で考える
ツール 時間簿とKPT(振り返りのフレームワーク)を付ける
改善のための対策
  1. シングルモードで、徹底的に集中する
  2. 最重要の仕事を、朝一番に片付ける
  3. 先延ばしをなくす
  4. 突発をコントロールする
  5. 余計なことを減らす

(1)三つの原則

古川氏は、三つの原則を強調する。高密度仕事術は、三つの原則の部分が機能していないと、いくら対策を講じてもうまくいかないからだ。一つ目の原則は「帰る時間は、絶対に何があっても死守する」。会社が強制的に行うことは可能だが、会社の強制力に頼っているとやらされ感があって、本人に不満が残る。そのため、実質的な効果は期待するほど高くない。「そうではなく、自発的な行動として徹底していくことが大切なのです。自分自身にコミットメントを課すことによって、どうすれば仕事のやり方を変え、成果を出していくことができるかという発想に転換するからです。残業削減効果も大きく、20%から40%くらいまで達することもあります」

しかし、この点があやふやになると、いつものリズムに戻ってしまう。いつものリズムは心地が良いので、一向に改善されなくなってしまうのだ。「しかし、自分に対するコミットメントを守れるようになると、仕事に対する主導権を握れます。その結果、自分で規律を持って仕事を進めるようになり、成果に結び付き、生産性も向上します。これを継続し、当たり前にできるようになることで、習慣になっていくのです」

二つ目の原則は、「厳しく集中できるエネルギーを充電する」。高密度化するには集中力が必要であり、ただ漫然と仕事をするのではなく、何を行えば相手のニーズに沿えるのかを常に意識するため、プロセスを再編成していかなくてはならない。つまり、相当な思考力が必要なのだ。そのためには、一定以上(多くの場合6時間以上)の睡眠を取ることが必要だという。寝不足では、高密度の仕事を行うことが難しい。必要な睡眠時間を確保し、しっかりとエネルギーを充電した状態で、仕事に臨むことが不可欠なのである。

三つ目の原則は、「完璧主義を止め、最善主義で考える」。効率化には、限界があるからだ。「どこが力の入れ所で、どこで力を抜くのか、メリハリを付けて行うことが大切です。完璧主義とは、結果に対する完璧さを目指すのではなく、プロセスに対する完璧さを目指すものです。限られた時間で結果を出すためには、求められる目的や相手のニーズ、その時の状況などを考え、完璧主義ではなく最善主義で行うことが重要です」

講演写真

(2)二つのツール~「時間簿」と「KPT」

次に、高密度仕事術を実践していくためのツールとして、「時間簿」と「KPT」(振り返りのフレームワーク)が紹介された。まず「時間簿」だが、これは1日の時間の記録である。何時何分に何をしたのか、自分の行動を書き出していく。お金の使い方を改善する時に家計簿が必要なように、「時間簿」は何にどれだけの時間を要しているのかを把握することで、行動を改善するのだ。「1日24時間を何に使っているのか、自分が思っているのと実態が違うことが多いからです。個人差はありますが、残業が多いことの原因の多くは、休憩時間が思った以上に長いこと。書かれた内容を客観的に分析することで、何を改善・修正すればいいのか、対策がはっきりとしてきます。重要なのは、時間簿を付けることを習慣化すること。時間が経てば、正しく思い出すことができません。時間簿に取り組むことは、高密度仕事術の習慣として不可欠です」

もう一つ重要なのが「振り返り」だ。PDCAにおいても振り返ることは重要だが、実際には行われないケースが多い。その理由は「振り返るタイミングが決まっていない」「振り返る項目が不明確である」「面倒で退屈なイメージがある」「習慣化出来ていない」「継続的な効果が腑に落ちていない」などである。

このような点からも、振り返りを行うためにはツールが必要になる。そこで古川氏は、振り返りのフレームワークである「KPT」を紹介した。Keep(良かったこと、続けること)、Problem(困ったこと、問題点)、そしてTry(今後の行動で試したいこと)という三つの項目について、箇条書きで内容を記していくものだ。「特に、時間改善、高密度化に関する事項は、毎日書くことです。習慣とは、脳がモチベーションによらず、自動的に行動を起こすこと。やったりやらなかったりすると、習慣とはなりません。毎日『KPT』を付けるためには、今日の『時間簿』を見て、何が良かったのか、何が問題だったのか、それを改善するにはどうすればいいのかを、3分程度でシンプルに書き記し、徐々に内容を細かく記していくことです」

(3)改善のための五つの対策

続いて、高密度仕事術を改善するための五つの対策を古川氏は紹介した。一つ目は、「シングルモードで、徹底的に集中する」。一つのタスクに集中すること、あるいはタスクをこなす時のモードが同じものを固めて行うことである。例えば、資料作成、打ち合わせ、メールの返信、細かい数字のチェックなどは固めて行う。二つ目は、「最重要の仕事を、朝一番に片付ける」。その日に絶対にやらなければならない重要な仕事を、率先してエネルギーが溜まっている朝一番に済ませること、手を付けることである。三つ目は、「先延ばしをなくす」。苦手な仕事、面倒な仕事などは先延ばしにしがちである。「先延ばしをしないためには、まず仕事の単位をチャンクダウン(小さく分解)することです。5分、10分単位レベルに落とし、簡単に終わることができるようにするのです。とりあえずのレベルで構わないので、少しでも手を付けることができれば、精神的にも楽になります」

四つ目は、「突発をコントロールする」。突発的な出来事が発生したために、事前に決めたことができなく、残業時間にしわ寄せ行ってしまうことがよくある。対策としては、突発事項まとめて処理するために、納期を調整すること。そして、今日やるべき仕事や集中するべき仕事をモジュール(小さい単位)にして、手を付けやすい状況とすることなどがある。五つ目は、「余計なことを減らす」。無駄な作業、非効率な時間を発見し、思い切って削減するのだ。そのためには、「時間簿」を見てなくす業務を考える、不必要に時間のかかっているものを短時間にする、無駄だと思うものは断る勇気を持つ、といった対応が必要である。

最後に古川氏は、高密度化を全社で実践していくときには、大きく三つの壁が立ちはだかると語った。「一つ目は、『分かる』と『できる』の壁です。例えば『時間簿』のことは分かったけれど、なかなか実行できないということがあります。その原因は、『何を実践するかが曖昧』『決めた行動を忘れる』など。これに対しては自らコミットメントを行うことです。自発的な行動として、高密度化をせざるを得ない状況に追い込んでいくことがポイントです。二つ目は、『実践知共有の壁』です。知的労働者の時間管理はブラックボックス化しているので、ノウハウは本人以外分からない、というケースがよくあります。実践知を共有することで、時間活用のあり方は大きく違ってきます。三つ目は、『できる』と『習慣化する』の壁です。習慣化するということは、行動がモチベーションに頼らず、無意識になるまで繰り返すこと。そのためには、規律と柔軟性を作る、自発性を最大限高める、習慣化の仕組みを作る、といった工夫が欠かせません」

講演写真
本講演企業

多くの社員教育の後、実践・習慣化しておらず教育投資が無駄になっていることに強い問題意識を持つ。独自の習慣化メソッドを開発し、「研修後の習慣化の仕組みづくり」、「残業時間を継続的に削減していく「高密度仕事術習慣」の体系をご提供している。行動変容型プログラム(ラーニング3.0型)を業界に先立って提唱し、実績を上げている。

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