SNSならではの親近感あふれるコミュニケーションを採用に
管理部門の負担を激減しながら、質の高い採用を実現する
LINEを活用した採用管理サービス「next≫」
株式会社アローリンク 代表取締役副社長
安東由歩さん
「売り手市場」と言われる現在の新卒採用市場。学生に寄り添った採用活動を行うために、コミュニケーションアプリを活用する企業が増えています。その可能性にいち早く目を付け、母体企業での実践と成功事例を基に、「LINE」を活用した採用管理サービス「next≫」を提供しているのが株式会社アローリンクです。サービスを開始して2年経ち、大手企業をはじめ、250社以上で導入され、注目を集めています。母体が「携帯電話販売のキャリアショップ」という、新卒採用における不人気業界であったからこそ生まれた「next≫」の特長やメリット、今後のビジネス展望やビジョンについて、代表取締役副社長の安東由歩さんにお話をうかがいました。
新卒採用の「不人気業界」だからこそ気づいたLINE×採用管理ツールの可能性
「next≫」の開発経緯について教えてください。
「next≫」は、当社の母体となった株式会社テレックス関西、アロージャパン株式会社における採用活動の悩みから生まれました。両社は携帯電話販売のキャリアショップ運営という、不人気業界の企業。そのため、求職者有利の売り手市場になる前から、新卒採用で苦戦を続けていました。
採用率を上げるため、合同説明会のリマインドや候補者とのやり取り、内定者のフォローなどを、電話やメールで行っていました。しかし、電話ではすれ違い、メールでは見落しの可能性もあります。候補者や内定者と丁寧にコミュニケーションを図ろうとするほど工数が増え、採用現場のスタッフが疲弊していくこともありました。
そして、新卒採用が「売り手市場」へと移行し、採用活動のテコ入れが急務になる中、新しい採用手法の試みとして、若者を中心に急速に利用が広がっていた「LINE」に着目しました。当初は社内から採用ツールとしての使用に懸念の声がありましたが、ビジネス向けサービス「LINE@」で採用活動を実験的に行ったところ、合同説明会からセミナーへの参加率が大幅にアップ。内定辞退率も減少するなど、私たちの想定以上の成果を上げることができました。メールと比べて、メッセージの開封率が高く、自分のタイミングでメッセージを確認できる「LINE」の特性がマッチし、学生からも「親近感がある」「相談がしやすい」などと好評でした。また、電話やメールと異なり、コミュニケーション面でのすれ違いが起きにくいため、採用担当の工数が大きく減少する結果にもつながりました。
一方で、「対象者のセグメント分けができない」「個別のメッセージが送れない」など、採用ツールとして利用する場合の課題も見えてきました。そのため、採用現場や学生の意見を吸い上げながら、「LINE」のAPIを利用したオリジナルの採用管理ツールとして「next≫」を開発しました。
「next≫」が持つ機能と利用するにあたってのメリットを教えてください。
「next≫」は、「LINE」が持つ特性を生かしながら、候補者や内定者、応募経路、選考状況などによる細かなセグメント設定や抽出、データ分析といった業務がスムーズに行えます。電話やメールによる連絡、Excelを使ったデータ管理といった従来のスタイルと比べると、業務負担を大幅に減らすことが可能です。
また、候補者ごとのシナリオ配信、セミナー振り分け、選考ステージによるユーザー画面の切り替え、さらに親近感を醸成するフィードバック挿入機能など、学生一人ひとりに個別のメッセージを送り、効果的にフォローできる仕組みも用意しています。
加えて、ソフト面で当社ならではの大きな強みが、新卒採用市場での不人気業界にいながら、採用成果を積み上げてきたノウハウを提供できる点です。採用活動において、「学生に対して、何をどう伝えれば合同説明会の参加率が上がるのか」「内定後、何をすれば内定辞退率を減らせるのか」といった悩みに対しても、当社の経験を基にアドバイスします。
「next≫」に対する評価はいかがでしょうか。
リリースから2年ほどたちますが、口コミと紹介のみで250社以上にご利用いただいています。最初は採用活動期間中だけ導入されていた企業も、サービスのメリットを感じて、ほとんどが通年での利用に切り替えてくださっています。直近のトピックスとしては、慢性的に人材確保に苦労されていた福祉業界の企業が、「next≫」を導入したことによって、それまで20人程度だった合同説明会の参加人数が200人にまで増えた事例もあります。
企業も学生も「四月が待ち遠しい」
そんな理想の採用を当たり前にしたい
今後、新卒採用はどのように変わっていくと考えられますか。
以前に比べて学生の考え方が変わり、企業の皆さまは新卒採用が難しくなったと感じているかもしれません。しかし、私たちは学生が変わったとは思っていません。今の時代はインターネットで調べれば、企業の良い情報、悪い情報を簡単に入手できます。そのため、学生が以前よりも慎重に企業の情報を集め、精査し、選ぶ時代になってきているのではないでしょうか。
「LINE」などの新しいツールの登場によって、コミュニケーションのスタイルが変わってきています。これからの新卒採用は、企業の魅力や仕事のやりがい、先輩社員の姿、キャリア、企業としてのミッションなど、学生が欲しい情報を学生目線で、魅力的に、丁寧に伝えていくことが必要です。そうすることで、学生にとって魅力のある企業になると思います。
そこでポイントとなるのは、より「個」を意識した双方向のコミュニケーション。当社は「四月が待ち遠しい」をスローガンに掲げていますが、企業と学生にとっての理想の採用を実現するため、学生一人ひとりが持つ悩みや不安をフォローできる仕組み作りを行っていきます。それにより、「働いてみたら、何か違う」と退職する新入社員を減らすことにもつながります。「next≫」を通じて、これからの新卒採用の一つのソリューションを届けたいと考えています。
今後の取り組みや目標・展望をお聞かせください。
「応募があっても入社に至らない」「管理コストを削減したい」という悩みを持ち、今後の新卒採用に漠然とした不安を感じている企業に、現状を変える一手として「next≫」をお試しいただきたいと思います。
今後は、中途採用やアルバイト採用の管理ツールとしても「next≫」を横展開していく予定です。3年後、4年後の採用市場では、なくては困るようなサービスにしていきたいですね。
本社所在地:兵庫県神戸市中央区雲井通4-2-2 マークラー神戸ビル4階
問合せ先: tel.078-252-8860