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組織心理学×AIでビジネスヒューマンスキルを可視化
人材採用・育成・活用に根拠ある「答え」を提示する「SUZAKU」

株式会社エスユーエス HAIQ事業部 HRコンサルティング課 マネージャー

坂上紘子さん

エスユーエス採用評価・組織サーベイ・従業員満足度・エンゲージメント向上実践

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労働力人口が減少傾向にある日本社会において、従業員一人ひとりが持つ能力を最大限に引き出し、生かすための人材採用や育成、組織開発がより重要になってきています。そんな中、17年間で3,000社という運用実績で積み重ねた人材領域の膨大なデータベースと、独自開発のAIを組み合わせた人材アセスメント&マッチングソリューション「SUZAKU」を提供しているのが株式会社エスユーエスです。「組織心理学」をベースに、人事部門の課題を可視化・数値化して行動する戦略人事の重要性と、「SUZAKU」の特長や今後の展望などについて、HAIQ事業部 HRコンサルティング課 マネージャーの坂上紘子さんにうかがいました。

「HQ Profile」のデータをAIが解析して根拠ある採用・配置・選抜を提案

「SUZAKU」はどのような経緯で開発されたのでしょうか。

当社は創業以来、技術者派遣事業を中核にビジネスを展開してきました。大手メーカーへ高いスキルを持った人材を提供する技術者派遣をはじめ、自社での請負や受託開発など幅広く事業を展開しています。技術者派遣では、企業が求めるスキルと、技術者が持つ技術や知識のマッチングが特に重要です。企業から求められるスキルが明確だからこそ、人材によるパフォーマンスの差が顕著に現れてきます。

職務経歴書上では技術や知識が同じレベルの人材でも、人によって能力がうまく発揮できないケースがあります。また、能力をうまく発揮できていた場合でも、職場や上司が変わると急激に生産性が落ちるケースも起こります。技術や知識以上に、技術者のヒューマンスキル領域がパフォーマンスに大きな影響を与えているのです。

こうした技術者派遣における当社の経験から、2003年に、産学連携による組織心理学の基礎研究に基づき、把握しにくいヒューマンスキルを「見える化」して、診断できるアセスメントツール「HQ Profile」を開発しました。「HQ Profile」では、知識やスキル、経験といった顕在的要素では測ることのできない、仕事に臨む姿勢や価値観、態度、性格、動機付け要因といった潜在的要素を、360度測定してさまざまな角度から思考プロセスや行動特性を可視化できます。当社での採用時のアセスメントや社内教育などで活用しながら、クライアントにもサービスを提供して17年で3,000社という導入実績を積み重ねてきました。

その結果、「HQ Profile」にはヒューマンスキルに関する膨大なデータベースが蓄積されました。近年は人材不足が加速しており、今まで以上に一人ひとりが持つスキルを最大限に引き出し、生かすことが企業に求められています。そこで、より高い精度と企業ごとにフィットした戦略的な人事施策が実現できるサービスを目指し、「HQ Profile」にAIを搭載してできたのが、2018年に提供を開始した「SUZAKU」です。

「HQ Profi le」の個人分析シート例

「HQ Profi le」の個人分析シート例

「SUZAKU」の特長について教えてください。

「SUZAKU」は、組織心理学という科学的な研究を基に開発した「HQ Profile」が軸になっています。今でも、研究者の方々と連携しながら、最新の知見を取り入れ、時代に合わせたバージョンアップを続けています。

企業ごとのデータを入力することで、「HQ Profile」で蓄積した膨大なデータとAIが連携し、リアルな実態に合わせた戦略的な人事ソリューションを導き出せます。例えば、人材採用の場面では、既存社員のデータを登録しておくと、新たな人材を採用する際にAIが分析・検証を行い、「自社の風土に合っているか」「募集職種との一致度」などのデータを可視化できます。さらに、部署ごとのハイパフォーマー人材の傾向なども抽出できるので、例えば、異なる部門への配置転換が必要なケースで、「SUZAKU」が最適な人材を提案することも可能です。また、サービスを使い続けるほど、AIが理解を深め、より精度の高いアウトプットができるよう進化していくのも特長です。

導入企業では、どのように「SUZAKU」を活用しているのでしょうか。

ある大手化粧品メーカーでは、採用領域で「SUZAKU」を活用されています。在籍する全社員の情報に加え、ハイパフォーマー人材をモデルケースとして、人材データを登録されました。

化粧品メーカーは、一般消費者向け商品の販売がビジネスモデルの軸であり、店舗スタッフの接客力や販売力が重要です。しかし、社会人経験の少ない新卒社員は採用時の判断基準が曖昧でした。そこで「SUZAKU」で分析したデータを活用して、ハイパフォーマー人材と属性が近く、ポテンシャルが高い候補者を可視化・数値化。多くの候補者の中から面接に進めるべき人材の基準が根拠を持って瞬時に「見える化」できるようになりました。

大手技術系企業では、新入社員の「育成」に活用されています。「SUZAKU」に、現役社員に加えて過去に離職した社員のデータも登録して、AIに分析・学習させました。新入社員には、入社後のアセスメント受診を年2回実施して、定期的に結果を検証。思考プロセスや自己効力感、メンタルヘルス面の変化などを数値化して、特定項目の数値変化が大きく、離職やメンタル面のリスクがある社員に対して、早期のフォローアップや配置転換などを行い、さらなる生産性低下や離職を防ぐ仕組みを整えました。

求める人物像に近い候補者をAIが分析・提示する

求める人物像に近い候補者をAIが分析・提示する

より人間的な領域のソリューションを提供
「アセスメントのプラットフォーム」へ

「SUZAKU」が目指す今後の展望について教えてください。

現在、多くの企業から「上司と部下のマッチング」に関する問い合わせをいただいています。上司と部下の相性が悪いと、社員が本来持っている高いパフォーマンスを発揮できないケースが組織では起こりがちです。

また、社員は上司と部下の関係以外にも、業務内容や業務における裁量、身体的負担、給与など、さまざまな点に不満を抱きがちです。こうした「モチベーションを阻害するストレス要因」の特定と可視化を行い、「SUZAKU」を通じて課題を解決していきたいと考えています。組織心理学の最新研究において、学問的な理論はすでにありますので、今後はより人間的・体感的で、組織としては避けては通れないこの領域にも注力していきます。

当社が目指しているのは「SUZAKU」が、AIを搭載した「アセスメントのプラットフォーム」になること。人・組織における、あらゆる情報をデータベース化して、人事領域の課題全てを解決できるプラットフォームにしていきたいですね。

企業概要
株式会社エスユーエス

本社所在地:京都府京都市下京区四条通烏丸東入ル長刀鉾町8 京都三井ビルディング5階
問合せ先: suzaku@sus-g.co.jp

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