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自立自走できるエンジニア輩出を目指し、
新たに生まれ変わったプログラミングスキルチェックサービス
「track」

株式会社ギブリー 執行役員
エンジニアタレントマネジメント事業部長

山根淳平さん

ギブリー採用実践

株式会社ギブリー 執行役員 エンジニアタレントマネジメント事業部長 山根淳平さん

深刻なエンジニア不足で、どの企業も採用に苦労しています。「量」を重視し、採用の裾野を広げた企業も望むような結果を得られていません。こうしたなか、人材の採用だけでなく、育成・評価や働きやすい職場環境づくりも含めた、受け入れ体制などの「質」の改善を企業に提案しているのが、株式会社ギブリーです。2018年3月には、これまで別々に提供してきた、プログラミング試験サービス「codecheck」(コードチェック)に、プログラミング学習サービス「CODEPREP」(コードプレップ)を統合。新プラットフォーム「track」(トラック)として生まれ変わらせました。同社執行役員の山根淳平さんに、「track」の開発背景、サービスの特長、リニューアルへの想いをうかがいました。

「スキルの可視化」がエンジニア組織を強くする

まずは、貴社の事業概要、ご自身の担当領域について教えてください。

当社は、「すべての人に成長を」という理念のもと、大きく三つの事業を展開しています。テーマとしているのが、HR Techやデジタルマーケティング、ライフスタイルです。会社全体がインキュベーション施設のような存在で、そのなかで各事業領域に強い想いを持った人々が新たな事業を立ち上げていく体制になっています。その中で私が管掌しているのが、エンジニアに特化したHR Tech事業です。

現在のエンジニアが関わる市場をどのように捉えていらっしゃいますか。

これからは、日本国内で慢性的にエンジニアが不足します。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によれば、2015年時点で17万人、2030年には最大80万人のIT人材が不足するそうです。

このようなデータでは、エンジニアの「数」を取り上げることが多いのですが、本来エンジニアは、「質」の視点でも追い求めていく必要があります。

ソフトウェア開発における工数見積がいかに難しいかを説いた書籍『人月の神話』でも語られている通り、ソフトウェア開発の“単位”である「人月」という概念は意味をなさないのです。「100人月の仕事=1人で100ヵ月かかる仕事」は、「人月という単位が絶対であれば“100人で1ヵ月”でできるはず」だが、そんなことは起こりえない、という話です。

近年採用では、「エンジニア●●人を採用しよう!」という目標数値の達成だけが人事部のミッションになっていることがありますが、採用とは本来、人数を揃えるだけでなく、組織の開発力を高めるためのものでもあるべきです。

その中で、貴社が「エンジニアスキルチェック」を製品化する意義とは何でしょうか。

近年、社会において必要とされ、学ぶべき技術は多様化・進化してきています。この10年間で、スマートフォンの利用が拡大(iOSやAndroidなどのプラットフォームの変化)したほか、さまざまなOS環境に対応すべき言語も求められるようになりました。「働くエンジニア」として必要な技術とは、技術進化に対応しながらソフトウェアなどの製品を構築、改善していくこと。そのため、ただ特定の技術を学び、プロトタイピングをしてみるだけでは、社会で必要な技術を身につけたとは言えません。

そこで、エンジニア自身や組織が「エンジニアの質」にも目を向けることができるプロダクトを作れないかと考え、エンジニアのスキルチェックツールを開発しました。

具体的には、どういった課題を解決できるのでしょうか。

対象となるのは、スキル評価ができず、現場依存になりすぎて工数がかかりすぎてしまっている人事の方や、エンジニアの社員数が増えてなかなか若手の評価・育成ができずにいるエンジニアマネジャーなどです。プログラミングテストの作成・配信・受験・採点・評価をクラウドサービスでご提供することで、素質のあるエンジニアを採用し、個々のスキルに合わせて育成・評価ができるHR基盤を作る支援ができるのではないかという観点から、「track」というサービスを作りました。

自立自走を志すエンジニアを支援する土壌を
構築したい

「track」の特長をお教えください。

「track」は、エンジニアのプログラミングスキルの可視化や採用・評価工数の削減を実現する、純国産のクラウドツールで、すでに60社が導入し、IT・通信だけでなく、製造業やメーカー、保険、金融などの業界でも活用が進んでいます。

エンジニアのプログラミングスキル評価に必要な50以上の問題が用意されており、ジャンルも、アルゴリズム、Webアプリケーション、インフラ、セキュリティ、AI、ブロックチェーン、IoT系などと多岐にわたっています。それらのなかから、自社の技術レベルに合わせて問題を選択すれば、テストの配信・受験・自動採点・評価をすべてオンライン上で行うことができます。自動採点機能によりコードを点数化するため、開発経験のない人事の方でも、エンジニアのスキルを把握しやすいのが特徴です。また、受験データを資産とし、自社に必要なエンジニアスキルの標準点を明確化することで、技術的なミスマッチも減少することができます。

trackサービスサイトより

trackサービスサイト(https://tracks.run/enable/about-track/)より

「 track」に関する今後の取り組みや目標・展望をお教えください。

我々は、「Empowering Engineers」というビジョンを掲げています。目指しているのは、自立自走できるエンジニア人材を世の中に輩出することです。それも日本だけでなく、アジアや世界で展開していきたいと思っています。

そうした想いを実現するために必要なのは、自立自走を志すエンジニアをオンボーディング(自立支援)するための土壌を、企業や学校のなかに構築していくことです。

現在は、選考や若手育成におけるスキルチェックツールとして展開していますが、今後はエンジニアに関するすべての領域に関わり、基盤となるようなサービスに育てていきたいですね。例えば学校で必要な技術やスキルを学び、可視化し、自分の強みや弱みが何かをわかった上で、やりたいことをやれるようにする。そして、企業の中に入ってパフォーマンスを発揮する、という流れを一気通貫で作り上げたいと考えています。

株式会社ギブリー 執行役員 エンジニアタレントマネジメント事業部長 山根淳平さん
企業概要
株式会社ギブリー(Givery, Inc.)

本社所在地:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8F
問合せ先: press@givery.co.jp

企業概要

ギブリー採用実践

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