1日の新規会員数3000名超、採用マーケットで日本最大級に。
社員クチコミサイト「Vorkers」による
新たな採用支援サービス
株式会社ヴォーカーズ 代表取締役社長
増井慎二郎さん
良い会社、働きがいのある会社に人が集まる。そんなジョブマーケット・プラットフォームづくりを目指す、株式会社ヴォーカーズ。キャッチコピーの優劣や広告予算の規模によって採用が左右される中、540万件以上の社員クチコミと評価スコアというビッグデータをベースに、マーケットの革新を目指して立ち上げたサービスが「Vorkersリクルーティング」です。同社代表取締役社長の増井慎二郎さんに、ジョブマーケットを透明化させる必要性や「Vorkersリクルーティング」の開発の背景、サービスの特長、今後の展望をうかがいました。
従業員エンゲージメントが
企業の採用力に影響を及ぼす時代に
まずは、貴社の事業概要を教えてください。
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」には現在、国内最大級となる540万件以上もの社員クチコミと評価スコアが集まっています。クチコミはその企業に1年以上在籍された正社員または契約社員の方から、8項目の5段階評価と500字以上の回答を寄せてもらっています。500字以上という基準は、ハードルが相当高いですが、それを越えていただくことで、より信頼性の高い情報を集めています。
Vorkersの会員登録数は累計210万人を突破し、新規登録者は社会人、学生合わせて1日3000人を超えることもあります。2016年10月には、人事部門向けサービス「Vorkersリクルーティング」をリリースし、Vorkersの企業ページ内に、企業が会社情報や求人情報を編集・掲載できるようにしました。
現在の人・組織、特に採用の課題をどう捉えていますか。
日本企業は先進国の中で従業員エンゲージメントが最下位という調査結果もあります。組織全体にさまざまな問題があると思いますが、採用に起因しているものが多いように感じます。Vorkersに蓄積されたクチコミや企業評価データを集計してもわかるのですが、長期雇用を前提として個人が企業に依存する関係になっていると、仕事や成長に対しても受け身になり、従業員エンゲージメントが高くなりにくい傾向があります。個人は成長やキャリア開発のために企業の環境を利用する、という意識が持てるかどうかが重要です。企業が個人の成長意欲を尊重して職種別に採用することも、エンゲージメントを高めるためには重要だと思います。
実際にVorkersのデータを見ても、新卒から職種別採用を実施している企業はエンゲージメントスコアである総合評価が高い傾向にあります。
そのような問題意識が、貴社の「Vorkersリクルーティング」の開発につながっていったのですね。
組織課題を発見したり、採用状況を確認したりする際に、働いている人の声は大変有効です。それらが蓄積されることで、企業の内側や採用マーケットでの優劣の状況が可視化されていくからです。社員クチコミデータを蓄積し、そのデータから企業の特徴を抽出するなど、個人に対して説得力のある情報を伝えることで、より価値のある人材を企業に紹介することができる、我々が個人と企業をつなぐプラットフォームになれると考えたことが「Vorkersリクルーティング」を開発したきっかけでした。
もはや、良いキャッチコピーを考え、お金を多く払って求人情報が上位に表示されれば採用ができる、という時代ではありません。個人側には情報があふれ、それに対するリテラシーも高まっています。従業員エンゲージメントが採用力に大きく影響しているという状況を把握し、従業員エンゲージメントを向上させ、採用につなげる場として「Vorkersリクルーティング」を使ってほしい、と考えています。
企業に良い人材が集まるジョブマーケットをつくる
「Vorkersリクルーティング」の特長をお教えください。
特長は三つあります。一つ目は、求人管理機能です。採用に直結する機能で、新卒と中途の求人情報を両方掲載することができ、初期費用は0円です。新卒・中途ともに成功報酬制で、一律80万円です。Vorkersに登録する社会人は、求人サイトや人材紹介会社には登録せずに、じっくりとリサーチをしている大手企業の優秀な人材が多い、という特長があります。また、東大早慶などの上位校の8割以上の学生が登録しています。東京大学の授業で実施されたアンケート結果によると、利用している就活サービスでVorkersが第3位でした。
二つ目がブランディング機能です。クチコミに記載されている情報の補完として、企業の最新の人事制度や取り組み、社内環境や働きがいといったアピールポイントを画像や動画と併せて自由に掲載できます。クチコミという従業員の声に加え、企業からのメッセージを伝えることで、企業の姿がよりしっかりとユーザーに伝えられるようになります。
三つ目がクチコミ分析機能です。自社の課題発見のツールとして、男女別や職種別による評価の違いや残業時間、有休の取得状況などを比較したり、時系列で見たりすることができます。また、それらを特定の競合企業とも比較できる点がほかにはない強みです。
さらに、Vorkers内の自社ページに集まるユーザーの数や属性を週ごとに確認することや閲覧数の推移、採用マーケットにおける競合企業の確認もできます。実態を把握することで掲載求人や内容を、自社への興味が高いユーザーに合わせて作成することができます。
独自の機能を提供されていますね。反響も大きいのではないでしょうか。
自社の内定者や採用者に「どのような就職・転職サービスを利用したか」というアンケートを行い、その結果からVorkersの影響力を知り、利用を開始されるケースもあります。「求人掲載開始後に自社サイトからの応募者が増えた」など、ポジティブなコメントをいただきます。
「『Vorkersリクルーティング』は大企業向けのサービスですか」という質問を受けることもありますが、Vorkersに掲載されているさまざまな規模の6万社のクチコミデータを参考にできますので、中堅・中小、ベンチャー企業の皆さまも十分活用できるサービスです。
また、調査会社によるリサーチでは、Vorkersを利用して転職活動をした人は、利用しなかった人よりも「転職後の企業に対して満足している」と回答した割合が25%高いという結果が出ました。採用企業にとっても、Vorkersから採用した人材のエンゲージメントは高い、という成果につながっていると考えています。
今後の展望をお教えください。
当社では、良い企業に良い人材が集まるジョブマーケットをつくりたいと考えています。広告やPRに投資するのではなく、従業員や職場に投資することが採用力につながる環境をつくっていくことが我々のビジョンです。
本社所在地:東京都渋谷区渋谷3-6-3 渋谷363清水ビル 11F
問合せ先: cs_vrec@vorkers.com