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第1回では、現在の第三次ブームに至るまでの「AIのトレンド」を振り返ってみた。メインである第3回「HRとAI」についてお伝えする前に、第2回では「AIができること・苦手なこと」について、実際の活用事例を交えてお伝えしたい。

AIができること

AIは大量のデータを元に、機械学習・ディープラーニング技術を活用して、これらを認識、理解、分析、意味づけ、予測、推論、最適化していくことができる。

『日本の人事部 人事白書2016』 株式会社アイ・キュー)

代表的なクラウドAIの機能として、ここでは(1)画像・音声・自然言語解析の機能を備えたMicrosoftの「Azure Machine Learning」、(2)自然言語処理の機能が充実しているIBMの「Bluemix版Watson」、(3)予測分析に特化しているAmazonの「Amazon Machine Learning」の三つを例に挙げた。

(1) Azure Machine Learning
機能の概要 応用例
音声のテキスト化、テキストの音声化 コールセンター、エージェントサービスなど
画像データから顔を認識し、性別や年齢を抽出 店内カメラによる顧客分析など
画像の分類、サムネイル生成、文字読み取りなど 商品画像の分類など
感情分析、重要語抽出、トピックモデリングなど ソーシャルメディア分析など
購買履歴などに基づく商品のレコメンデーション ECサイト運営など
時系列データから異常な振る舞いを検出 クレジットカード履歴に基づく信用リスク分析など
データを2つのグループに分類 スパム解析など
データを複数のグループに分類 商品属性の判定など
教師なしデータを複数のグループに分類 レコメンデーションなど
過去データを元に将来の値を予測 需要予測など
(2) Bluemix版Watson
機能の概要 応用例
画像認識・自然言語処理 商品画像の分類 など
婉曲表現や口頭表現から、より一般的な用語を出力 専門分野での類語辞典の作成、ソーシャルメディア上の会話文の意味解析など
Wikipediaから生成した「概念のつながり」に基づくテキスト検索 論文検索、専門家の探索など
機械翻訳(日本語は、特許領域での日英翻訳にのみ対応) 国内特許の英訳など
深層学習に基づくテキストの分類 質問文のテーマ解析、スパム分析など
テキストデータから個人の性格を類推 パーソナライズサービスの提供など
質問に対して回答とその根拠を提示 医療相談、旅行計画の自動生成など
テキストの前後の文脈から、単語列が何を指しているか(人名、場所、日付など)を類推 テキストの意味解析の前処理など
音声の文字変換(日本語対応) コールセンター、議事録作成など
文字の音声変換 コールセンター、エージェントサービスなど
複数の条件下において最適な選択肢を特定する 意思決定支援ツールなど
画像や映像フレームの情報から、そのシーンで何が起きているかを認識 商品画像の分類、画像検索サービスなど
(3) Amazon Machine Learning
機能の概要 応用例
データを2つのグループに分類(二項分類) スパム判定(YES or NO)など
データを複数のグループに分類(多項分類) 商品の属性分類(本、クルマ、食品)など
過去データを基に将来の値を予測(回帰分析) 需要予測など

出所:1,2,3ともに、日経コンピュータ(2016)「まるわかり!人工知能最前線」を元に編集部作成

ご覧の通り、コールセンター、EC、金融、セキュリティ、需要予測など多くの分野での活用を想定した機能が実装されていることがわかる。


2016/10/20基礎人工知能(AI)

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