デジタル・テクノロジーは、HRをどう変えていくか
~アクセンチュアのVR面接~(前編)
佐藤 優介さん(アクセンチュア株式会社 人事部 新卒採用チームリード)
ヘッドマウントディスプレイでVR空間に没入
「VR面接」体験とはどのようなものなのでしょうか?
まず、VRヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」を装着し、両手にコントローラーを持ってもらうと、SF映画のような異空間が目の前に映し出されます。周囲の視界は完全にシャットダウンされ、VR空間にまさに「没入」。異空間は上下左右すべて360度見渡すことができ、まるで本当にそこにいるような感覚になります。最初はVR空間の要領をつかんでもらうために、コントローラーを持った手を伸ばして画面内のオブジェクトをタッチしてみるといったチュートリアルが開始されます。
学生サイド : PCモニタと同じ映像がヘッドマウントディスプレイに映し出されている
チュートリアルをクリアすると、いよいよVR面接がスタート。「ドアをノックしてください」というメッセージが表示されますので、コントローラーを使ってノックします。VR空間はクオリティ高く作られていますので、ここでは実際と同じようにノックしている感覚が体感可能です。指示に従ってドアを開けると面接官のアバターが現れますが、実際には別室に同じくヘッドマウントディスプレイを装着した面接官が対応しています。
面接官サイド : 学生の挙動はリアルタイムにヘッドマウントディスプレイに投影
面接の序盤は、目の前の机にボールなどのオブジェクトが置かれており、コントローラーを使ってキャッチボールしたり、持ち上げてみたりすることで面接官とコミュニケーションをとります。面接の場であることを感じさせないリラックスできる演出に仕立ててあり、はじめての体験に興奮した学生さんからは歓声があがっていました。
面接は自己紹介のあと、「将来どんな仕事をしたいか」「あなたにとってのデジタルとは」、「リーダー、サブリーダー、チームメンバーのどれが自分に向いているか」、という三つの質問を投げかけます。面接官側はその答えを聞きながらそれぞれ点数をつけ、その結果がアクセンチュアでの適性職種とポイント数として表示されます。最後にお互いにVR空間内で握手して終わりとなります。
もちろん、あくまでも面接「体験」ですので、実際の選考ではありません。目的はジャッジをすることではなく、アトラクトとなります。入社前の未来の社員に対して、「デジタル時代のアクセンチュア」を感じていただく体験を提供できたと感じています。
後編では、テクノロジーはHRをどう変えていくか、佐藤さんよりさらにお話をうかがいます。