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サイエンスカンパニー 3Mにおける、テクノロジー人材の「創造性」と、組織の「効率性」の両立 (前編)

渋谷 和久さん(スリーエム ジャパン株式会社 人事本部 人事統轄部長)

2016/09/30実践活用事例スリーエム3Mテクノロジー人材

3Mの技術基盤 “テクノロジープラットフォーム”

スリーエム ジャパン株式会社

3Mの製品は、46のコア技術を組み合わせることにより生まれています。例えば、スコッチ® メンディングテープは「フィルム(Fi)」の技術と「接着剤(Ad)」の技術を組み合わせて作られています。サンドペーパーの場合、「フィルム(Fi)」「接着剤(Ad)」に、さらに「研磨材(Ab)」の技術が加わっています。

このように、技術の組み合わせを変えることで、製品を無限に生み出すことができます。また、生まれた製品を別の業種に応用することで、展開の幅はさらに広がります。

渋谷さんは、イノベーションを起こす手法として、大きく三つあるといいます。

「一つ目は、参入する業界の常識を変えること。例えば、骨折した際などに固定を行うギプスは、長年石膏で固めるものが一般的でした。これを3Mではテープの技術を応用することで、巻くだけで固定できる新たなギプスを開発しました。このように業界では通例となっている技術を見直すことで、新たな製品を生み出すことができます。

二つ目は、新たな事業機会を可能にすること。これはポスト・イット® ノートなどの製品に当てはまります。メモ用紙に粘着の技術を組み合わせることで、新たな使用方法を見つけ、それまでになかった事業を生み出しました。

そして最後に、顧客の仕事のしかたを変えること。これは、従来であればスポット溶接やボルト止めが行われていた部分を両面接着テープに置き換えたり、塗装を行っていたものを粘着フィルムに変えたり、といったものが当てはまります。かつては塗装が一般的だった自動車の広告も、今やその多くがフィルムによるラッピング着色に変わっています」

技術を組み合わせ、それをさまざまなマーケットへと広げていくことで常にイノベーションを起こしてきた3M。しかし、もちろんこのプラットフォームだけでは、イノベーションを生むことはできません。渋谷さんの講演は、エンジニアの創造を支える同社の企業文化と制度へ続きます。後編では、実際に同社の行う取り組みと、「創造性」と「効率性」を両立させるための工夫をお伝えします。

 


2016/09/30実践活用事例スリーエム3Mテクノロジー人材

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