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【ヨミ】マダラテレワーク まだらテレワーク

「まだらテレワーク」とは、職場でテレワーカーと出社者が混在している状態をいいます。2020年5月に新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が解除された後、職場によってはテレワークを続ける人と職場に戻る人とが混在するようになりました。個人の価値観を尊重しての戦略的な「まだら」であればまだしも、会社からの具体的な方針が示されないために「まだら」な状態が続いているケースもあり、テレワーカーの不安や孤独感を強める一因になっています。

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まだらテレワークのケーススタディ

まだらテレワークによる情報格差が
従業員の不安を引き起こす

新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの企業がテレワークを導入しました。株式会社学情が20代を対象に行った仕事観・転職意識に関するアンケート調査によると、全体の約7割の人がテレワークを希望。若い世代は、場所を選ばない働き方への関心が高いことがうかがえます。しかし、調査結果をさらに見ていくと、テレワークを希望する人のうち75.4%は「週1回以上の出社」を希望しており、出社とテレワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方を求めていることがわかりました。

「まだらテレワーク」が進んでいる現在、意図的にそうなっているのか、なし崩し的にそうなっているかによって、企業の明暗は分かれるかもしれません。企業には「リモート」と「出社」をどのように使い分けていくのかを、戦略的に考えることが求められています。

パーソル総合研究所が行った「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」によると、テレワーク比率が2~3割のときに、テレワーカーが最も不安や孤独感を感じることがわかりました。一方、テレワーク比率が4割を超えている場合や1割程度の場合は、不安感が高まらない傾向にあるようです。同調査によると、不安感として挙げられるのは、上司からの公平・公正な評価、昇進や昇格への不安など、マネジメントやキャリアに関わる点です。

出社とテレワークでは、得られる情報の量も質も異なります。戦略的にテレワークと出社を組み合わせている企業は、両者に情報量の差が出ないよう、透明性に配慮したコミュニケーションを行っていることでしょう。一方、なし崩し的にテレワークと出社を組み合わせている状態では、あらゆることが言語化されず、少数派となったテレワーカーは不安を募らせていきます。今後もテレワークが必要な状況は続くと考えられるため、企業は従業員が働く場所にかかわらず情報に等しくアクセスできるよう、コミュニケーション環境を整備することが求められています。

・関連記事
テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査(パーソル総合研究所)

・参考
20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(テレワークについて2) 2020年6月版(学情)

企画・編集:『日本の人事部』編集部