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ウェアラブルデバイスが“働く”を変える
― 集中を可視化するメガネから見える未来 ―(後編)

井上 一鷹さん(株式会社ジェイアイエヌ JINS MEMEグループ 事業開発担当)

2016/10/18実践ジェイアイエヌJINS MEME井上一鷹ウェアラブルデバイス

株式会社ジェイアイエヌ 井上 一鷹さん

(2)育成・研修

育成や研修における大きな問題として、「効果検証の難しさ」があります。「研修を実施したのはいいけれど、果たしてその研修に効果があったかわからない」という悩みも、研修前後のログ測定で解決する可能性があります。

その一例として、「集中力強化」をテーマにした講義を行い、その前後で受講者の集中力を測定することで、講義を通じた変化を見る取り組みも行われています。

ここでは、単純に効果検証が可能になっただけでなく、受講者自身も「効果が上がるように真剣に講義を受けなければならない」と、講義に臨む意識が高まるという副次的な効果もあったようです。

さらに、日常業務にも集中力の測定を楽しく取り入れてもらうことで、研修後の継続性も保持できる、と人事担当者からお声をいただくこともあったそうです。

(3)日常業務

チームメンバーの集中度を可視化することで、日々のマネジメントに役立てることも可能です。メンバーがタスクにどれだけ集中していたのか、いつ集中度が高まっていたのか、午前と午後ではどちらが集中できるタイプなのか、といった情報は、いつどのように仕事を任せればいいかを考える手助けになるでしょう。

また、ミーティングごとのメンバーの集中度を可視化し、慣例的に行われているにもかかわらず参加者が集中していないものをなくせば、業務効率化を図ることも可能になります。集中できていない社員には、個別にフォローを行うこともできます。

(4)リテンション/メンタルケア

アンケートで得たデータと、まばたきなどのデータを照らし合わせることで、ストレスやモチベーションの状態を測ることもできます。回答者の意図やバイアスが入りやすいアンケート調査とは異なり、コンディションを数値で測定できれば、今後、悪化する前にケアを行うことが可能になり、退職の予防にもつながるように進化していくことでしょう。


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組織への応用可能性

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