脳波を測定し、“感じていること”を可視化する
感性把握技術から探る今後のHRの可能性とは(後編)
森下 さおりさん(株式会社電通サイエンスジャム プロデューサー)
2016/09/30実践、電通サイエンスジャム、感性アナライザ、森下さおり、脳波
人事に必要なのは、テクノロジーを自分ごと化する「想像力」と「行動力」
今後さらにデータ収集が進むことで、どのようなことに応用ができるのか、人事の皆さんにも想像を膨らませてほしい、と森下さんは語ります。
「私が人事の方にお伝えしたいのは、新しい技術を自社でどう活かすことができるのか、どんどん想像し、それを私たちに伝えてほしいということです。実際、企業からいただいた仮説が、感性把握技術の活用に関する好事例となったことが何度もあります。さまざまな方が想像されることで、新たな活用の方法が生まれ、技術はさらに進歩するはずです。もし具体的な活用法が思い浮かばなかったとしても、ぜひ気になったものを手に取り、新しい技術を体感していただきたいと思います」
森下さんは新技術の応用を進める中で、製品をより気軽に手に取り、触ってもらうことの重要性をあらためて感じたと言います。「なんとなくすごそうな雲の上の存在」である限り、技術は世の中に浸透していきません。自分自身が、よりわかりやすく伝えることを意識しているという森下さんから、最後に人事の皆さんに向けてメッセージをいただきました。
「感性把握技術に限らず、新たなテクノロジーを前に“私には分からないし、まだ無理だ”“うちの会社にはそんな余裕はない”と考えてしまう方は多いでしょう。しかし私は人事の皆さんに、あえて新しい技術に手を触れる挑戦心を持ってほしいのです。さまざまな国際情勢や取り巻く環境の変化の激しい現代、暮らし方や生き方もまた、大きく変化しています。そんな中で人事の皆さんのお仕事は、経営戦略の要となるものです。テクノロジーの中には、皆さんの手助けとなるものも多いのではないでしょうか。新たな技術が、荒波をともに乗り越えていく皆さんの手助けとなることを願っています」