人材採用・育成、組織開発のナレッジコミュニティ『日本の人事部』が運営する、HRテクノロジー(HR Tech、HRテック)総合情報サイト

日本の人事部 HRテクノロジー ロゴ

エンジニアの自立自走を支援する
スキルチェックに留まらず、
その先の領域にもコミットしていきたい

株式会社ギブリー 執行役員

山根淳平さん

ギブリー採用育成・研修評価・組織サーベイ・従業員満足度・エンゲージメント向上実践

  • facebook
  • X
  • note
  • LINE
  • メール
  • 印刷
株式会社ギブリー 執行役員 山根淳平さん

「自立自走できるエンジニアを世の中に輩出する」ことをビジョンに掲げる株式会社ギブリーのHRTech事業。HRテクノロジーの分野においても、エンジニアに特化した採用・育成・評価基盤の構築を目指しています。その中核となっているのが、プログラミング “スキルチェック” ツール「track」です。「track」がどのような課題認識のもとに開発されたのか、どんな特長があるのか、また、今後どういった方向性を目指しているのかを同社執行役員の山根淳平さんに聞きました。

スキルを可視化し、エンジニア採用の定量的な基準を構築

近年の「人・組織」の課題をどのように捉えていますか。

採用・育成・評価を司る企業のHRで、エンジニア向けに体制が整備できている企業は、まだまだ少ないと認識しています。ビジネス職出身の方がHR部門に在籍していることも多く、どちらかというとビジネス職向けの制度設計が中心です。

しかし近年は、ビジネス職とエンジニア職では、求められるスキルや成果の出し方、働き方などが異なっており、採用・育成・評価の手法も考え直す必要に迫られています。また、エンジニアの働き方は多様化しており、スキルがあれば組織に依存せず働ける環境が整備されてきていることも後押しし、エンジニア向けに適切なHRの体制を整備できない企業にエンジニアが定着しなくなってきているのも事実です。

そこで我々は、現場のエンジニアとHRの部署の架け橋となり、両者がエンジニア採用・育成・評価を一緒に考え、並走できるサービスを作りたいと考えました。最初に取り組んだのが、「採用領域」で活用できるプログラミング “スキルチェック” ツール「track」です。現場のエンジニアの方でも、限られた面接時間の中で応募者を見極め、決断するのは非常に難しい。そのため、自信を持って意思決定ができる統一的な基準が必要だと感じていました。エンジニアのスキルを可視化すれば、現場のエンジニアと人事の方でその基準を共有し、採用活動で並走していくことができます。我々のサービスをご利用いただければ、エンジニア採用に貢献できるのでないかと考えました。

採用時のスキル評価が、業界の中でも注目を集め、導入社数が一気に伸びたタイミングで、「社内評価」でも活用したいという声をお客さまからいただき、機能の改良を繰り返したところ、現在では100社を超える企業に導入していただいています。

エンジニアのオンボードプラットフォームを目指す

「track」の特長をお教えください。

現在は、選考時や入社後の育成、社内の人材配置に活用できるエンジニアのスキルチェックツールとして展開しており、100社以上の導入企業の5万人もの受験データが蓄積されています。

試験では、問題を受験者に配信し、実際にオンライン上でプログラムを書いてもらいます。その結果が自動でスコアリングされ、本人がどれぐらいのスキルを持っているのか、会社やチームの中でどの位置付けにいるのかがエンジニアだけでなく、人事の方でもわかるようになっています。テスト問題の作成にあたって重視しているのは、コンテンツの鮮度と専門性です。技術はどんどん進化しており、しっかりトレンドにフィットした内容を提供すべく、東京大学名誉教授でIPA「未踏」統括プロジェクトマネージャー(PM)の竹内郁雄先生に技術顧問としてご参画いただいています。

trackサービスサイト(https://tracks.run/enable/about-track/)より

「 track」という名前への思いも聞かせていただけますか。

プログラムしたコードを実行して動かすことは、英語でRun the code(コードを走らせる)といいます。また、アジャイル開発用語では、ソフトウエアの一つの開発期間のことをSprint (スプリント)(短距離走)と呼称します。さらには、短い期間でアイデアをプロトタイピングする開発イベントのことを俗にHackathon(ハッカソン)と呼びます。 ハッカソンは、Hack(開発)とMarathon(マラソン)を掛け合わせた言葉です。

このように、エンジニアがものづくりをすることを、「陸上競技」になぞらえることがよくあります。これは、プロのエンジニアが己の技術を進化させて走り続けることを「アスリート」として賞賛しているための表現なのかもしれません。エンジニアとしてさまざまなプログラムを書いて実行すること、技術を常に学び、進化させながら、良いソフトウエアを創り続けることは、まさに陸上競技場を走り続けることと同義ではないでしょうか。

我々が提供するtrackは、エンジニアの生涯学習、技術を磨いて書いたコードを走らせ続けることによって時代にあったソフトウエアを創造するアスリートの成長を支援する、エンジニアにとっての陸上競技場のような存在を目指しています。

株式会社ギブリー 執行役員 山根淳平さん

今後の目標・展望をお教えください。

当初はスキルチェックツールから始まった「track」ですが、先日、オンラインで教育研修と学習管理を可能とした「track Learning」(トラックラーニング)をローンチしました。スキルチェックと学習管理の二つが揃うことで、単にスキルの定点観測をするだけではなく、どのように「足りないスキル、伸ばすべきスキルを向上させるか」という課題解決までを担います。さらに、総合的なエンジニアの自立自走を支援する “エンジニアオンボーディングプラットフォーム” へと進化させ、リブランディングをしていく予定です。プラットフォームのポイントは、自分たちで新しい技術をインプットしながら、その成果をアウトプットする教育をオンライン上で常に回転させていくことができるようになることです。

そのために、我々がコアとしていくのは、さまざまな企業が持っているエンジニア選考のための課題や社内研修などでのコンテンツを、我々のプラットフォームにインポートしてオンラインで管理し、活用できるようにすることです。社内的には、「コンテンツ・ハブ」という表現を使っています。これによって、良いコンテンツが多くの企業で取り入れられ、IT業界全体の技術力を向上させることができます。そんなオープンソースのコミュニティーを設計していきたいと思っています。まだ構想段階ですが、オンラインだけでなくオフラインのオンボーディング環境も展開していく案もあります。これからもよりいっそう、エンジニアの自立自走を支援していきたいと考えています。

企業概要
株式会社ギブリー(Givery, Inc.)

本社所在地:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル8F
問合せ先:press@givery.co.jp

企業概要

ギブリー採用育成・研修評価・組織サーベイ・従業員満足度・エンゲージメント向上実践

  • facebook
  • X
  • note
  • LINE
  • メール
  • 印刷

あわせて読みたい