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HRtech基礎講座 第1回 「人事がおさえておくべきAI」

第四次産業革命において、IoTやロボットと並び、戦略の中心に据えられている「AI」。雇用や生産性にダイレクトに影響およぼすことが予想されるこれらのテクノロジーに対し、人事として「よくわからない」「まずは様子見」というスタンスでは、もはや取り残されてしまう可能性すらある。そこで、本コンテンツでは、AIの基本とHRへの応用について伝えることで、人事におけるAI活用の端緒を開きたい。

人間を凌駕しつつある「AI」

近年、AI(Artificial Intelligence/人工知能)関連のニュースが増えてきている。1997年にIBMの「Deep Blue」がチェスの世界チャンピオンに勝利したのを皮切りに、2011年には同じくIBMの「Watson」が米国のクイズ番組にて人間のクイズ王に勝利。将棋では2012年に富士通研究所が開発した「ボンクラーズ」が、トップクラスの棋士と対局し勝利をおさめた。

また、世界トップレベルの棋士に囲碁で勝利したGoogleの「AlphaGO(アルファ碁)」は記憶に新しい。国内ではAIに東京大学を合格させることを目指す、国立情報学研究所の「ロボットは東大に入れるか(略称:東ロボ)」といったプロジェクトも進み、2016年7月時点で偏差値は57.8まで向上している。

ほか、Facebook、中国の検索サービス最大手である百度(バイドゥ)などインターネット産業の大手企業は自社で研究所を設立するなど、AIを競争上の武器として活用しようとする動きが盛んだ。日本国内の例としては、膨大な行動データ・消費者データを持つリクルートグループ(Recruit Institute of Technology)や、ヤフー、楽天、ドワンゴも人工知能研究所を設立するなど、自社のビジネスに大きく活用しようとしている。

この動きはインターネット業界や情報サービス業界に限らない。トヨタ自動車は「人工知能技術」の研究・開発強化に向け、2016年1月に新会社を米国シリコンバレーに設立。トヨタの技術イノベーションの拠点として、5年で10億ドルを投入する計画がある。ほか、「スマートシティ構想」「AIを使った株価予測」など、AIは既存の産業の在り方を大きく変えていくポテンシャルを感じさせる。

このようなAI技術の向上に対し、HRも無縁ではない。むしろ、デジタル化が難しく、良くも悪くも「勘と経験」に頼る部分が多かったHRの領域こそ、大きく変わる余地がある。そこで、この基礎講座コンテンツでは、HRにかかわるビジネスパーソンがおさえておくべきAIの可能性について考えていきたい。


2016/10/20基礎人工知能(AI)

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