2016/09/30基礎
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HR Techのトレンド
前頁において、HR Techを「HR領域において、最先端技術を活用した、次世代のビジネスモデルもしくはサービス」と定義したが、いつの時代においても「最先端技術」というものは存在している。
例えば「リクナビ」の前身にあたる「RB on the NET」は1996年に登場し、それまでの「紙の時代(情報誌)」から「ネットの時代」へと新卒採用の在り方を大きく変えた。これはインターネットという当時の最先端技術を活用したものであった。
同様に、中途採用領域においてはHRサービス業界の多くは有料の求人情報誌から「転職サイト」にシフトし、これら転職サイトの成長にともない「採用管理システム」も増加した。人材紹介においては、紹介サービス登録者のDBを他の人材紹介事業者に解放するなどの動きも起こっている。
デジタルシフト、テクノロジー活用は20年以上も前からの動きであるが、なぜ今このタイミングで“HR Tech”と称されているのだろうか。
その理由の一つに、先述のFin Tech、Ed Tech、Re Techなどと同様に、スタートアップ企業がベンチャーキャピタルからの投資を呼び込むために「◯◯ Tech」というホットなキーワードを使っていることが挙げられる。2010年以降に「ソーシャルメディア(ソーシャルグラフ)を活用した◯◯」というサービスが一時的に増えたのと同様に、2015年前後を境に「◯◯ Tech」を謳うサービスが増えているわけである。
年代 | トレンド | 主要なプレイヤー |
---|---|---|
1995年ごろ | インターネット、PCの普及 | Microsoft |
2000年ごろ | ポータル | Yahoo |
2005年ごろ | サーチ | |
2010年ごろ | ソーシャル | |
2015年ごろ | ◯◯ Tech | 群雄割拠の状態 |
また同時に、VC出資を狙っていないプレイヤーからも「新サービスをアピールする上でのキーワード」として「人工知能(AI)」と同様にマーケティング的な観点で使われることが多く、その結果としてHR Techというワードを目にする機会が増えてきたと推察できる。
次回(第2回)では、これらのトレンドを踏まえたうえで、「HR Techがもたらす変化」について解説したい。